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どうか、この世界を私たちに守らせてください。  作者: 華蘭蕉
Act three 第三幕 死にたい少女の死ねない理由
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エピローグ 消えない悪意

 樹教及び仮面の男、そして私ーー鎌柄かまつかげいによって『焔』の基地は半壊したのであった。


 私がここに来たのは、監視していた樹教の動向がいつもと違い、この基地へと向かっていったからであった。これは漆我紅の肉を喰い『タナトス』の力を手に入れる良いチャンスだと思い此方に来たのである。


 するとどうだろうか、そこにはいつも私の事をストーキングし隙を見て殺そうとしてくるあの仮面の男と止水しすいだいと呼ばれていたイケメンがいた。そして彼等にかなり酷いリンチを受け危うく私の『肉体再生リジェネーション』が癌細胞を生成するまでに至りそうになっていたのである。


 だがあの気持ち悪い分裂の特異能力エゴを持った樹教の真理亜まりあの肉を半ば強制的に食べさせられてしまい、私にもその特異能力エゴが使えるようになったのである。


 何故彼等がそんな事をしたのかは分からないがこれは私にとって好機である事には違いが無かった。


 なぜなら本来私の特異能力エゴであった『肉体再生リジェネーション』に『身体分裂』が加わった事で私に増殖の能力が使えるようになったのである。その為、無制限に細胞分裂をし遺伝子のバグが起きたとしてもそこを削り取りとりタンパク質さえ摂取すれば、永遠に私は増殖し死ぬことのない身体を手に入れられるようになったのである。


 しかし、その後私達は止水題や髪を縛り指揮棒を持った優男、あと特異能力者エゴイストらしき女にそのほとんどを気絶させられたのである。


 そして気絶している間何者かに分子レベルで分解されたのである。危うく私達の存在が消されかけたがギリギリで再生が可能なレベルの細胞が生きていてそこから一個体だけ再生できたのだ。


 その為現状では体力が回復しない限り増殖する事出来なくここから撤退し、一般人を食いながら少しづつ元の力を戻さなければいけなくなってしまった。


「ウゲェェェ」


 そしてこのように無茶な再生を繰り返したせいで体の機能はボロボロになり嘔吐を繰り返し、身体中に痛みや倦怠感が突き抜けていた。


 そういえば何かの病気の原因物質である ERG(エルグ)を混ぜ込んだと止水題が言っていたがこの痛みや吐き気はそれも原因なのかも知れない。


「物理的な痛みなら私も快感として受け入れられたけど、倦怠感は流石の私も答えるわァ……」


 流石にこれ以上苦痛の原因となる物質を体内に留めておくのは危険な為新たに得た分離の能力で、増殖はせずその部分だけ切り離してしまおうかしら。


「『身体分解ボディアナトミア』ァ……」


肉体再生リジェネーション』により作られた異常を持つ遺伝子と私の細胞を強制的に癌化させる ERG(エルグ)両方を的確に分離する。どうやらこの分離は一度でもこのように切断されていればすぐに外れるようになっている。私は先程仮面の男に細かく切り刻まれてしまったからそれが影響して異常なタンパク質だけの体の部分が器用に分離してくれたのであった。


「なるほどぉ……もし私が消されそうになっても一つの細胞片でも残っていれば再び増殖する事ができる……! なんて素敵な特異能力エゴなのかしらっ! これで私が生物として完全な存在に近づいたっ!」


 あまりの喜びに射精しそうになってしまうが今タンパク質を外に出すのは勿体ない。渋々、分離と再生をしながら身体が治るのを待つ。


「さぁて、これからどうしようかぁ……」


 今まで溜めてきたタンパク質も底をつきそうだから、来たる時の為にそろそろ一般人辺りを買わなきゃ行けない頃合いなのだが……


「遺伝子に異常を来した細胞を集めたら別の人格の私が作れるんじゃないかしら?」


 ふと私は新たに得た能力で新しい使い方を考えつく。先程増殖した私達はそれぞれが確認した何かしらの情報を一瞬で共有できたいた。つまりは離れていても、自分たち同士でコミュニケーションを取る事をしなくても情報共有ができていたのであった。


「ふふふ……まさか『身体分解ボディアナトミア』にこんな能力も付いているなんてね」


 そして新しい使い方というのは、今し方私の体から取り出した異常のある遺伝子を持つ細胞に私の特異能力エゴの遺伝子を入れ込んで育て上げれば……


「全く別の顔の私が作れる……ッ! それにそいつらを育てて私の食料にすればわざわざリスクを犯して一般人を襲わなくても済むようになるっ!」


 増殖した自分を喰う、最高にイカレた発想だから最高に心地いい刺激を得ることができるだろう。


 そして、それが実現可能になれば……


「私はかの王……『雁来紅がんらいこう』に近づけるじゃないかぁ……」


 私の目指すもの、それは私が生命体として完璧になること。何も必要は無い、私一人で完結した最高の世界が作ること……。それが私の行動原理、そして実際にそれをやったのが『雁来紅』だ。


 その為にはまずはアレをしなければ。


 私はほくそ笑み、護衛軍の本部の手の届かない地域への移動を決めた。

 まず初めにすいません。作者の華蘭蕉です。


 ここ数ヶ月の一日一回の投稿が体調とメンタルにガタがきてしばらくは投稿できそうにないです。本業 (就職活動)との兼ね合いが甘くより良いものを書く自信が無くなってしまいました。本当に申し訳ございません。しばらく休まさせて下さい。


 第四章のプロットはこの後書きを書いた時点で完成させています。というか、話の内容は結末まで決まっています。最悪完結できそうにない場合プロットだけでも公開しようと思います。予定としては10章から11章で完結となるのでしょうか。私には分かりません。(補足:これ以上風呂敷を広げたら華蘭蕉の頭が爆発します)


 第四章のお話としては『蒲公英病』の原因である感情生命体エスターとの対決となります。そして前々から話には出ている黄依きい薔薇ばらの不仲の原因のより深い掘り下げや新たに護衛軍に加わった瑠璃るりすいの活躍、樹教の暗躍、紅葉もみじの復讐と成長をかければと思います。勘の良い方はなんとなく分かもしれませんがあの子とあの人が裏でかなりの数の命を助けます。次の騒動では大体あの子が裏でMVPを取ることになるでしょう。ちなみに三章MVPは止水しすいさんです。あの人が裏で頑張ってくれなきゃ世界が滅亡してバッドエンド直行でした。


 続きを楽しみに待っていていただけると私も嬉しいです。


 復帰の目処はたっていません。9月までには復帰したいです。それまでには余裕が有れば書いた物を読み直して誤植の編集作業や伏線の確認をして早く執筆活動に戻れればと思います。


 長い間お待たせするかもしれませんがご理解お願いします。





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