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恋はもうしないと決めたのにまた俺は恋をする  作者: 南河原 候
第一章 綾人の償い
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期末テスト

「さて、お前らに伝える事がある」


担任である油木先生が黒板の前に立って教室内を見渡すと。


「もう直ぐ期末テストあるから気を抜くなよ?」


それだけ言って先生は出て行き。


クラス内は先生の言葉でどよ~~~っとした雰囲気に包まれ、頭を抱える者や勉強をする者が居る。


今悩んでも仕方ないのに。期末テストは再来週にあるから今から悩んでも仕方ないと思うんだけど。


そんな中、ニコニコして俺を見てくる黄褐色の髪でアホ毛が二つに別れてる充が居た。


「綾人! 勉強会開こうぜ!」


「断る。どうせ、お前らがイチャイチャするだけだろ」


「ふっふっふ! 今回はしませんよ!」


俺の後ろから聞き覚えがある声がした。


金色の髪を腰辺りまで伸ばした女の子。ミールがなんか自信満々な顔をしてこっちに近寄ってきた。


「どういう意味だ?」


「それはですね! 今回、私達はみっちゃん達と勉強会はしません!」


おぉ、珍しい。こいつらは中学の頃ならテスト毎回行っていた恒例行事だったのに。


「綾人達に勝負を挑みます!」


「お前が俺に勝てた試しは無いだろ」


それを綾人が言うとミールは黙ってしまったが、直ぐに「ご、ごほん!」っとわざとらしく咳をしてから話を続けた。


「えっとですね。今回は綾人だけでは無く、みっちゃん達にも合わせて勝負ですから! 綾人以外が負ければこちらの勝ちとなるんです!」


な、なんだってぇぇぇぇ!………………っとは叫ばず、「ふーん」っと返して興味無さげにしておいた。


これって、別に俺がやる必要が無いから。


人数的にもこっちは四人でもしやるなら五人以上は必要であり、あっちは知らないが、俺はこの学校に来てから余り他の生徒と関わり合いを持ってないため、五人は無理だと思う。


充や浩司とか祐哉の知り合いでも良いが戦力になる奴かは分からない。


中間テストは俺が一位、ミールが二位、三位に祐哉、四位に浩司、五位は水島 綾香(みずしま あやか)と言う女子らしいが、他の皆も上位に居る人達だから、それなりに出来る奴じゃないと入れる気は無い。


「なぁ、それ俺がやる必要無いだろ? お前らは三人、こっちは四人だぞ?」


「ふっふっふ! こちらには二人助っ人が居ます! 綾人達も後一人を見つけて勝負に備えて下さいね~!」


そう言って、手を振ってミールは帰って行った。


「じゃあ、探す必要無いな」

「え? 何で?」


「いや、だって、探さなければミールの勝負は白紙になるし、やる必要が無いからな」


それに、これは絶対に罰ゲームがあるやつだからやりたくない。


てなことを考えて居たのに。


「で、こいつが俺らのチームの一人な!」


祐哉が一人の男子生徒を連れてきた。


黒色の髪で整えて無いのかボサッとしていて、背がここの誰よりも高い奴だ。


宮崎 三月(みやざき みつき)っす。宜しくお願いします」


「冴川綾人。宜しく」

「俺は金城充な! 宜しく!」


浩司は自己紹介しないってことは知り合いだったのか。


三月は俺の前に立ってきて。


おぉ、自分も背が高い方だから余り上から見られた事が無いので何か、新鮮だ。


だけどちょっと怖いな。背が高くて威圧感があると言うか、少し怖印象だ。


「あの、綾人さんって、ドレスとか作ってる綾人さんすっよね?」


「え。まぁ、最近はそっちを主に作ってるけど」


段々手慣れて来て簡単な物なら直ぐに作れる様になってきて腕が上がったと実感した。


だげど、何で知ってんの? 俺は宮崎とは初対面のはずなんだけど。


「その、怜奈からその人に会ったら私達の分も頼んでおいてって言われたんですが、良いですか?」


ちっ、こいつも彼女持ちかよ。


少し不満があるが、自分の練習にもなるので了承した。


了承したらめっちゃペコペコされて少し戸惑ったが、悪い奴では無さそうだ。


「で、勉強会はいつする?」


「うーん。今日は誰か用事あるか?」


全員手も上げなく首も縦に振らないので皆、予定は無いみたいだ。


「なら、テストまで時間は無いし、今日から暫く綾人の家でやるか!」


「まぁ、良いけど」


今回は何かありそうで時間がないと駄目だろうし、ここでごねても仕方ない。


充にも「珍しく受けたな」っとケラケラ笑われた。


          ☆


俺の家に四人の男がおり、皆、机にノートを広げて近くには教科書や問題集を置いて勉強をしている。


俺は全員に飲み物を用意した後、机に向き合い勉強を始めた。


ちょくちょく誰かが誰かに聞く普通の勉強会が行われており、いつもみたいにイチャイチャしてる空間とは一風変わって新鮮だ。


それがあってなのか勉強は順調に進み。


「ふぅ。休憩~」


全員肩の力を抜き、寝転がったり、手を地面に当てもたれかかったりっとしており完全に力を抜いている。


「なぁ、充。ミール達の方は勝てるからこんな事を言ってきてるんだよな?」


「さぁな。でも、かなり自信満々にしてたから、それなりには自信はあるんだと思うぞ」


マジか、あいつらに負けるとどんな罰ゲームが来るか恐怖でしかない。


一度だけ、ミールに一位を持っていかれ、その時も賭けをしていたので、罰ゲームはケーキバイキング用の金をよこせと来たもんだ。


だが、それきっり勝負を仕掛けて来る事は余り無かったから、少し今回の行き先が不安になって充に聞いた答えだともしかしてら今回はヤバいかもしれない。


だけど、こっちには中間テスト学年三位と、学年七位に九位が居るから何とか勝てるとは思う。


充には期待はしてないのでどうでも良い。

因みに充は学年九十人中二十位だった。


「充、浩司、祐哉、宮崎、好きな色は?」


休憩途中に全員に好きな色を聞く綾人。


それを不思議に思わず全員答え。


「俺は赤!」

「俺は、黄色かな?」

「うーん。青?」

「えっと、自分は緑すっかね」


全員の好きな色をメモり、次に彼女の好きな色も答えて貰い。


「ん。ありがとう」


綾人はメモるだけメモり、手帳を閉じた。


聞かれた理由が良く分からなかった三月は隣に居た祐哉に聞くと。


「あー。あれ、たまに聞いてきてお揃いのアクセサリーくれんだ。綾人はそういうの得意だからね」


その答えに三月は「へぇー」っと返し、来るアクセサリーが少し楽しみになった。


それからまた、勉強を少ししてから良い時間になり、皆それぞれ帰って行った。



「あいつも帰ったことだし。作るか」


綾人はさっき聞いた色通りにアクセサリーを作って行き。


         ☆

「おぉ!」


三月はさっき綾人から貰ったアクセサリーを目をキラキラさせて見ており。


「綾人さん。凄いっす、これ、本当に貰っても良いんですか?」


俺が作ったのはネックレスで、十字架に皆が好きと言った色のビーズを付けたりしただけなのに、この喜ばれよう………………。


宮崎はこういうのが好きなのかな? さっきから嬉しそうにネックレスを見ていて、作った俺は少しはこっぱ恥ずかしくなる。


三月はどうやら早速、彼女に持って行くらしく早々に教室を出ていった。


「うーん。あそこまで喜ばれると、何か、むず痒いな」


「まぁ、良いんじゃね? 喜んでれば」



充はそんな事を言い、「俺もミールに持って行ってくる~!」っと行って教室を出て行き、因みに祐哉はこの教室に美海が居るので移動することなくアクセサリーを二人で見せ合ってる。


浩司はいつの間にか居なくなってて多分、雨音の所に行ったんだと思う。


俺はやることが無いので自分の席に座り。


一度、席替えをしてるので俺の席は真ん中の二番目で後ろに充の席がある。


俺の隣は誰も居ない。元々空いてた席で充達以外と余り話さない俺にとっては好都合でもある。

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