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恋はもうしないと決めたのにまた俺は恋をする  作者: 南河原 候
第一章 綾人の償い
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親友は遠慮が無い

「よーし。お前ら今から中間のテスト返すからな」


油木先生がそう言うとクラス内はどよ~~んっとした空気になり。


結果がヤバかったらどうしようと皆、不安になり、先生から次々にテスト結果を貰って行く。


「冴川綾人」


俺が呼ばれたので席を立ち先生の下に行きテスト結果を貰う。


「お前はちゃんと授業聞いてたんだな」

「まぁ、はい」


先生からテスト結果を貰い、席に戻る。


テスト結果は全部九十点以上。


まぁ、こんなもんだろ。俺にはこれと小物作りしか取り柄無いし。


「うわぁ、冴川君スゴ! 全部九十点以上って、私七十点しか無いよ~」


隣の女子に褒められ、少し嬉しい気分になる。


「ん。春世も良いだろ。七十点以上なら」


「そうかな~」


明るめの茶色の髪をポニーテールしてる女の子。春世 真奈(はるせ まな)


余り話した事は無い。朝の挨拶をしたり、しなかったりっとそれぐらいしかしてない。


「うげぇ!? また負けた~」


放課になると早速、充が来て「テスト見せろ!」っと言ってきたので見せたら驚いてから、頭を机に付けて落ち込んだ。


「お前はどれぐらいだったんだ?」


充は見せてくれて。平均六十点以上は取ってるので赤点は回避している。


「くそ~。やっぱり勉学じゃあ勝てないか~」


充はどっちかと言うと運動が得意で、中学はサッカーや野球、バスケの助っ人を良くやっており一番活躍していた選手でもある。


俺は運動では充には勝てない。そこそこ出来てるつもりだが運動神経が良い充にはどうやっても勝てない。


「浩司はどうだった?」


「平均は八十以上だな」


またしても、落ち込む充。


「何で、俺は勉学でお前らに勝てないんだ」


「ん。充? 勉強出来る奴より運動が出来る奴の方がモテるし、それでミールと付き合えたんだから、自信持てよ」


ミールが充を好きになった理由は優しいのもあったがそれよりサッカーやバスケをしてる姿がカッコ良かったからだとか。


人を好きになるのはその人の勝手だ。どんな事でも好きなら好きで良いと思う。


それを伝えてくっつけたならお祝いの言葉もかけるし、羨ましいとか言ってからむ。


だから、見返したい為に告白していた俺は本当に最低な野郎だ。


「綾人! テスト勝負ですよ!」


教室のドアからミールや祐哉達が入ってきて、ミールは早々に俺に勝負を挑んできた。


「良いが、負けたら充の財布が減るぞ?」

「え!? 俺なの!?」


「うっ。仕方ないですね。それでも良いですから! 今回は勝ちを貰います!」

「え!?」


充は「お願いします! お願いします!」っとミールが勝つ様に手を合わせており。


だが、そんな願いは届かず。


「くっ! 数と国、それに社が負けた~」


ミールは肩落として「はぁ」っと溜め息をついて。それよりヤバいのはミールが負けた事によって自分の財布の中身が少なくなる充は力無く地面に座り魂が抜けて見える。


「綾人。俺達って友達だよな? そんな酷い友達から金を取る何てしないよな?」

「ふーん。なら、お前は俺が負けてたらどうしてた?」


「遠慮無く取る!」


その後、充は綾人に殴られ、お金を取り上げられた。


「綾人は何に使うんだ?」


「今作ってる物があるから、それの費用にと」


「作ってる物って?」


「………………」


雨音が聞くと綾人は黙ってしまい。


全員首を傾げて不思議そうに綾人を見ている。


「綾人? 何作ってるんだ?」


「ん? 何が?」


「いや、お前がさっき作ってる物があるって」


「知らない。俺は何も言ってない」


意地でも白を通そうとする綾人が珍しく充はしつこく聞く。


「なぁなぁ! 綾人~。何作ってるんだ?言えよ!」


「………」


「ほら! 言えよ! 良いだろ~! 友達なんだし」


友達だからと言って何でも言うのは違うと思うが、絶対に言わない。


言ったら笑われるか、引かれるかのどちらかだから。


俺が作ってる物は服だ。


それも試しで充の服だから、絶対引かれる。


「なぁ! 綾人~、笑ったりしないから言ってみな!」


「………………」


しつこく聞いて来る充に白を切らして綾人は言った。


「うるせーな………。はぁ。ミール耳貸せ」

「え? 私?」


ミールは不思議そうにしており、まぁ、いっかっと思い耳を貸して綾人は今作ってる物をミールだけに伝え。


「ミーなんだって?」

「さぁ?」


「え。いや、聞いたよね? 絶対綾人から聞いたよね?」


「みっちゃん? しつこいと三日話聞かないよ?」


充は顔を色を変え真っ青になり静かになった。


ミールに「これ内緒にしてくれたら、俺ので良ければドレスとタキシード作るから、黙っててくれ無いか?」っと言ってみたところ受けてくれたみたいで充を黙らせてくれた。


ミールは満面の笑みで嬉しそうにしており。


「ミール? 何言われたの?」


「うーん。内緒です!」


皆、首を傾げ不思議そうにミールを見ていたが、それ以上は聞かなかった。


一度だけ、綾人の服を見たことがあるミールは、それをとても良いと思い今回は黙ってることにした。


          ☆


学校の空き教室に一人黙々と服を作ってる綾人が居る。


ここは綾人が作った物作り部の部室で、ここにあるミシンや裁縫セット、マネキンは綾人が持参した物で埋め尽くされており。


綾人はここでは主に服を作っていて、今作ってるのは今日ミールと約束したドレスとタキシードを作っていて、前から作っていたのでそれなりには終わっている。


「後は調整しながらって本人居ないと出来ないんだよなぁ」


隠すのは良いけど、隠す相手の服を作っていたら調整が出来ないのを今さら思ってしまった。


仕方ない。呼ぶか。


俺は電話で呼び出し。


「綾人? 何か用か?」


充がドアを開けたら、そこにはドレープドレスを着たミールが居た。


ドレープドレスを着たミールは大人びた感じになり、少し色ぽっい。充はそれに見とれており、ずっと固まったままでその場に立ち尽くしていた。


「………もう、見てるだけなの?」


ミールは怒る様に充の方を向き。


「あ。いや、その、綺麗だよ」


「そうだな。で、お前は服を脱げ」


後ろから綾人が出てきていきなり服を脱がされた充。


「え? 綾人?! な、何する気だ!?」


充は男の癖に胸を隠す様に手を当て地面に転がってる。


そして、綾人にタキシードを着せられ、少しメイクもされ。


「お、おぉ。何か動きづらいな」


紺色がメインのフロックコートを着ており、こちらも大人びた感じになりミールが見とれていた。


「みっちゃん………。充。カッコいいよ!」


「………ちっ」


「ん? おい! まだイチャついてねーぞ!」


舌打ちをした綾人にらまだっと付けて否定をする充。


「ちげーわ。おい、ミールこっち向け」


ミールが綾人の方を向くと手に持っていた髪飾りをミールの頭に照らし。


「うん。こっちが合うな」


花の髪飾りで、色合い的に水色の方が合うっと納得した顔で頷いて。


「うーん。充はもう少し髪を整えて、前髪を上げて」


ミールが終わると次は充の髪をいじりだし。


珍しく夢中になってやってる綾人だったので充は大人しく受け。


「よし。どうだ? ミール」


「うん! 良いね! 綾人は凄いね~! こんなの作れるなんて」


「そうか?」


褒められて少しムズッたい綾人は照れを隠す為かカメラを持って充達の前に立ち。


「ほら、並べ」


綾人は二人を並ばせると、パシャっとシャッターを押して写真を撮り。


続けて、パシャっ、パシャっと撮り。


「よし。現像出来たら渡すな」


さっきまでずっと笑顔をして無かった綾人が笑みをこぼし嬉しそうにしていた。


「ん? キスしないのか?」


「いや、お前したら怒るだろ」


「良いよ。今は怒らないから好きなだけしろ」


「なら、遠慮無く!」


二人は抱き締め合い唇を合わせキスをした。


それをパシャっと撮り。二人は気にしないで続けるのでもう一枚だけ撮ったら綾人も外に出て行き二人だけの空間にした。

これを書いてて思うことは知識が皆無の癖に何故、主人公をファッションデザイナーにさせようかと思ったことです。


誤字、脱字報告は受け付けています。

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