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恋はもうしないと決めたのにまた俺は恋をする  作者: 南河原 候
第一章 綾人の償い
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部活

「え。無いんですか?」


「すまないな。美術部は去年の生徒が居なくなってから廃部になったんだ」


男性教師、見た目はもうおっさんで、油木 優太(あぶらぎ ゆうた)先生。俺のクラスの担任教師でもある。


俺は入りたかった美術部に入ろうとして先生の所に来たのだが、去年で廃部になっており肩を落としてガッカリする。


本当は美術部で絵を書いてたり、物を作って一人で居ようかと思ったのに、いや、絶対充達は来るから一人では居られないのだが、自分の好きな事が出来る部活が終わっていたのは少しガッカリもする。


「うーん。美術部ってお前は絵を描くのか?」


「笑いません?」


「おう。と言うか笑われる事を言うのか?」


俺が描く絵は服のデザインの絵だから、美術部としてはどうかと思う。


「えっと、ですね。俺が描く絵は服とかのデザインする絵でして」


「ぷっ! あははははは!」


油木先生は大声で笑い声を上げ。


笑わないって約束したのに………。


「あはは。あ。すまん。余りにも見た目と似合わない事を言うからな! 本当すまん!」


手を合わせて謝ってくる先生を、一旦許しておき、次笑ったりしたら許さん。


「うーん。だったら美術部より家庭科部に入れば良いんじゃないか?」


「嫌です」


きっぱり俺は断り。先生はきっぱり断った俺にキョトンとしていた。


だって、家庭科部は何と言うか、女子しか居ない空間だと思ってるのでそんな所には入りたくない。


「理由はなんだ?」


「女子しか居ない空間に居たくありません」


これもきっぱり答える。隠す事も無いので正直に答える。


「あー。そうだな。それは嫌かも知れんが、それ以外にお前がやりたい事が出来る部活何て無いぞ?」


「そうですか」


まぁ、無いなら仕方ない。帰宅部にして家で作業すれば良いし。



少しでも学校生活が楽しくなるかなって思ってたけど無いなら仕方ない。


だが、そんな綾人を見て、少し深く考え油木は一つの答えを出した。


「あ。あれだったら自分で部活作ってみるか?」


「え。自分でですか?」


自分で部活を作るか、確かにそれの方が良いな。


自分で作れば好きな様に出来るし、その方が絶対に良いな。


それから部活の申請を出す紙を先生から貰い、部活を作るのに三人以上必要な事なので知り合いで部活に入らないで名前だけ貸してくれる奴と言ったら。


「オッケー! ここに名前書けば良い?」


充に頼むと直ぐ了承して貰えて、それを見た浩司も名前を貸してくれたのでもう部活は作れる人数にはなった。


「後は名前と内容か」


内容はとにかく部活名は何にしよう?


安直に物作り部かな。


早速それを書いたら充に「安直過ぎるだろ」っと突っ込まれたが名前なんて何でも良いのでそのままにした。


浮き浮きで先生に紙を持って行き。


「早いな。これはお前の友達か?」


「まぁ。そうですね。妬ましい奴らです」


「え? 妬ましい?」


本当に妬ましい。毎日、飽きないのかイチャイチャして憎たらしい………。


だが、もう彼女を作る気が無いので一生あいつらのイチャつきを見せられイライラするんだろうな。


油木は戸惑いながらもちゃんと受け取り。


「よし、顧問は俺にしてっと。提出して受理されたらお前に伝えるからな」


それを先生から聞いて、俺は先生に「ありがとうございます」っと言ってから職員室を出て教室に戻った。


「なぁなぁ! 綾人~お願い! 勉強を教えて!」


泣きながら引っ付いて来る充を引き離し。


「あのなぁ、一年の中間なんて簡単だろ。と言うかミールに言え」


俺達が入学して二ヶ月が経っていて、もう直ぐ中間があり、男友達の俺より、彼女のミールでも教えて貰えば良い、あいつだって頭は良いんだから。


「いや、その、ミールは友達と勉強するから………うぅぅ」


またしても泣き始める充。


ミールは俺と浩司とかと勉強するならまだしも、他の女子とか男子でも怒ってくるのに自分は友達と勉強する理不尽で少し病んでる気もする子だ。


「はぁ。なら、今日家に来い。浩司は雨音とするか」


「いや、その、俺も充と同じだ」


二人して泣き出すなよ。


しくしくっと泣いており。仕方ないので三人ですることにして。


「綾人~! 浩司~!」


もう一人泣いて入ってきたのは祐哉だ。


あー。もうこいつも断られたんだな。


「美海が! 美海が! 今回は皆と勉強するから祐哉とはしないって!」


「はいはい。それ以上惚気(のろけ)たらお前とは勉強しないならな?」


そう言うと口を閉じて黙り。


こいつ、惚気る気満々だったのかよ。


俺は呆れ「はぁ」っと溜め息をついた。


          ☆


「おぉ、まだ新しいアパートなんだな」


皆、もの珍しいそうに俺が今住んでるアパートを見ている。


それから二階にある俺の部屋に行き。


またしても部屋をまの珍しいそうに皆見てリビングに座った。


「結構広いな」


一応、リビングだけで六畳はあるので一人にして広いとは思う。


父さんは1LDKとか言っていたか?


俺は飲み物を一人一人の目の前に置き、早速勉強をしだした。


「なぁ、綾人一人で寂しいとか思ったりしないのか?」


「特にそういう事は思った事無いな。一人で気楽って言うか、家族とかにも気を使わなくて良いし」


聞いてきた充は「ふ~ん」っと興味無さそうにしており、「それよりここ教えて!」っと言ってくる始末で、俺は教えたら自分の方のノートと向き合った。


それからお互いに教えたり、教えて貰ったりっと仲良く四人で勉強して。


「あ。あ、綾人」


充が何か言い辛そうにこっちを見てくる。


「ん? どうした?」


俺はそれを不思議そうに見ており、充から聞かされた言葉を聞いたらそんな不思議な顔が「はあ?」っと疑問の顔に変わった。


「ミー達、ここに向かってるからドア開けといてって」


「はあ?………………。何で?」


「えっと、その~。あはは。綾人かくまってくれ!?」


充がいきなり土下座をしてきた。


それを見た俺は疑問に思うしか無かった。


そして、浩司や祐哉も顔色を真っ青に変え同じ様に土下座してきた。


「「「お願いします!」」」


三人揃って土下座で意味も分からず土下座された。


そうしてるとチャイムが鳴ったので俺は恐る恐る、ドアに付いてる覗き穴から外を見ると。


「ひぃ!」


ミール、美海、雨音が居たのだが、皆笑顔だが、怖い。何か知らないが恐怖が湧いてくる。


俺は恐る恐るドアを開け。


「ど、どうかしたか? お揃いで」


「ねぇ、綾人。ここにみっちゃん居る?」

「浩司も居るか聞きたいんだけど」

「祐哉もね」


怖い!? 何この人達。殺気がビンビンで出してる。


これ、嘘ついたら殺される?


「あはは。ここには居ないけど?」


「本当に?」


「お、おう」


やはり、怖いよ。ミール達って怒るとこんなに殺気出すの?!


「なぁ、何で充達探してるんだ?」


「ん? ここに居るの?」


「いや、居ないけど、理由を言ってくれるなら、俺から電話してみるけど?」


ここまで怒ると言う事は多分、あいつらもそれなりに怒らせる事をしようとしたんだろう。


答え次第でここに居ると俺はばらす。


だが、理由が私怨だけだったらばらさずこのまま帰って貰う。


三人は一度顔を合わせ。


「みっちゃんは、部屋にエッチな本隠してたから」


「よし、居るから連れてけ。お前らは?」


速攻で充を裏切りミールは嬉しそうに部屋に入って行き、その後、充の「綾人! 裏切ったな!」っと声が聞こえるが知らんぷり。


お前が悪い。反省しろ。


「浩司もそんな感じかな。浩司会いに行ったら、お義母さんが出てきて部屋にあったわよって教えてくれた」


「よし。入れ。祐哉もそんな感じ?」


雨音を中に入れ、またしで悲鳴が聞こえるが知らんぷりして。


「祐哉はその、クラスの女の子にデレデレしてたって聞いたから」


「どうぞ」


俺は直ぐに友達を裏切り、美海も入れて、その後に続き俺も中に行くと。


もう、三人共正座させられており、その前に彼女のミール達が立っていた。


「綾人! お前! 裏切ったな!」


「はあ? お前が悪いだろ!彼女居る癖にそういう本買うのが」


そう言うと充は大人しくなり。ミールの怒り目が充にグサグサと刺さる。


それから三人はこっぴどく怒られ、充と浩司は捨てる事を約束して、祐哉は「デレデレ何てしてないんだけど!?」っと言い訳をしており、美海の怒りを更に買った。


「………美海、祐哉は多分して無い」

「おぉ! 綾人は分かってくれるか!」


「何で?」


余り言いたくない。だってこれを言うと絶対イチャイチャするんだもん。


「それは美海が一番分かってるだろ? お前らは相思相愛だから、祐哉がお前以外にデレデレする事何て………無いだろ?」


「うっ。そうだけど~………………。はぁ、祐哉本当にしてない?」


祐哉は凄い勢いで首を縦に振り。


「当たり前だろ? 俺は美海以外の女の子に興味何て無いんだから」

「うん。そうだね」


そう言って俺達が居るのにキスをし合って、俺はイラッと頭来て。


「おい。イチャつくなら帰れ!!」


怒鳴り声を上げて祐哉と美海を追い出して。


「お前らもイチャつくなら帰れよ?」


「お、おう」


最後に一つ。




美海達(こいつら)は友達と勉強するのでは無かったのか?

誤字、脱字報告は受け付けています。

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