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恋はもうしないと決めたのにまた俺は恋をする  作者: 南河原 候
第一章 綾人の償い
4/14

入学


案の定、全員古河高校に受かり、祝賀会っと行こうと言う話しになった。


「祝賀会か………」


どうせ、あいつらがイチャイチャする空間に一人で居るだけの事だろうし、誘ってくれて嬉しいが今回は断ろう。


充に今回は辞めておくっとメールを送信して、何かやることが無いので暇になってしまった。


「アクセサリーを………………いや、そんな気分じゃないな。なら、絵………はぁ」


絵も書く気分になれず、何をしようかとリビングで寝転がり天井を見上げる。


「うーん。することねーな」


今から行くのも何か嫌だし、することが無くなって暇になった。


「………はぁ、街でも適当にぶらつくか」


そう思い、服を着替えてから家を出て。


服装は黒のチェック模様が入ったウエスタンシャツにジーパンを着ているだけだ。


鍵を閉めたのを確認して。部屋を出ると、引っ越し業者がおりどうやら二つ隣の部屋に誰か引っ越してきた様だ。


ここは俺以外居らず、余り人気の無い場所だと思っていたが人は来るものだと確認した。


でも、ここは駅にも近いし、近くにはスーパーとかもあるから人気な場所だと思ったのだが、人は居らず人気の無い場所だと思っていた。


俺の部屋は二階にあるため、階段を降りて、更にここには下に行く石段があり、そこ降りて行くのだが。


「あ」

「あ」


聞き覚えがある声に見た目と石段の方でかち合い。


黄褐色の髪の頭の天辺には二つに別れたアホ毛がある髪型をしていて、隣には金髪美人の彼女を連れてる男で聞き覚えや見覚えがある男と言ったら。


「おい、充? 何でここに居る」


「いや、えっと、おばさんに聞いたらここだって。まぁ、そのなんだ。どっかに出掛けるつもりだったのか?」


気まずそうに話し掛けて来る充。その横では目を剃らしてるミールが居る。


そりゃあ、そうだ。俺が分かる様に怒ってる雰囲気を出しまくってるからな。


母さんめ、今度会ったら覚えておけよ。


「まぁ、出掛けると言っても街を少しぶらつくだけだがな。で? お前らは何しにここに?」


充達には悪いが、今回はマジで断らせて貰う。


毎回イチャイチャされてそれを見せつけられるのはゴメンだ。


「うーん。そうか。なら、出直すわ」


充は察したのか今日は直ぐに引き下がり、ミールと腕を組んで帰って行った。


俺も何時までも立ってると引っ越し業者に悪いのでさっさと駅の方に行き。


「うーん。こっちか、いや、こっち?」


アクセサリーショップで綾人は片手に月の形をしたネックレスにもう片手には星の形をしたネックレスを持っており、どっちを参考資料として買うか迷っている。


そして、悩んだ末に買った方はネックレスでは無くイヤリングの方を買って店を出て来てしまった。


(うーん。買いたかったのと違うけど、まぁ、良いか)


イヤリングが入ってる袋を持ってきていた肩掛け鞄に入れて駅を少しぶらついた。



横断歩道を渡る一人の男性。


車の方の信号は赤、横断する方は青っと男性は間違って渡った訳では無いのにそこに、車が一つ勢い良く突っ込んで来ている。


目の前に男性が居ると言うのに全くスピードを緩める事はせず男性一直線に車は向かっている。


男性もそれに気づいたが、車は思った以上に速く男性はギリギリ交わせるか分からない状況だった。


そこに黒髪で眼鏡を掛けていて、体格はまぁまぁな肉体付きをした綾人が引かれそうになっていた男性を突き飛ばして、綾人も突き飛ばした勢いで転がって行き引かれることは無かった。


車は引けなかった事に気づくと直ぐに逃げて行く様にスピード更に上げて行ってしまった。


「あ、あぶねぇ」


綾人は冷や汗をかいており、危機一髪で助けれた事に少し嬉しく思っていた。


綾人は直ぐに立ち上り、引かれそうになっていた男性の下に行き。


「大丈夫ですか?」


手を差し伸ばし、男の人はそれを取ってくれ様として。


「いたた」


男の人は腰を抑えて痛そうにしており。


少し老けた顔に白髪もある、少し年が行った人なのかな?


俺はポケットからスマホを取り出して救急車を呼び。


「森末駅で車に引かれそうになった男性が腰を痛めて居るので早急にきて下さい!」


少し慌てた感じで電話をする綾人。電話に出た救急隊の人から「今から行きます」っと返事を聞くと電話が切れひと安心したのか肩の力が抜け男性を一旦、ベンチまで肩を貸して運び。


「いたた。君、ありがとうね、助かったよ」


「いえ。腰大丈夫ですか?」


「あぁ、少し楽になってきたよ」


あの、車………完全にこの人を引く気満々だったよな。


事情は知らないけど、それでも人を殺めるのは良く無いと思う。


この人も多分、かなりの年の人だし、腰も弱めてる。そんな人を引く奴は極悪非道過ぎる。


それから直ぐに救急車は来て、男の人は乗せられ、救急隊員に甥の君にも来て欲しいと言われ、戸惑ったが多分、あの人が言ったんだと思うので付いて行く事にした。


         ☆


「悪いねぇ、一緒に来て貰って」


「いえ。大事無く良かったです」


今は病院の待合室で引かれそうになった男の人と話をしている。


男の人は骨折とか罅とか入って無く良かったとまた、安心して肩を落とした。


「君は、正義感が強い子なんだね」


正義感か。確かに強いのかもしれない。でも、嫉妬や勢いで女の子とくっつきたいっと思う俺は果して正義感が強いと言うのか。


俺は苦笑いで返し。


少し沈黙が続く。


男の人は立ち上り、俺の前に立つと。


「そうだ。最後に君の名前を教えてくれないか?」


「え。俺ですか?」


少し疑ったが、まぁ、名前ぐらいなら良いだろうと思い言った。


「冴川綾人です」


「なら、綾人君。困った事があったらここに遠慮無く電話を掛けてくれ。力になれる事なら私は全力で手を貸そう」


「え。あ」


男の人は直ぐに行ってしまい、腰をまだ抑え痛そうにしてる。


その日は俺も家に帰り。



「はぁ。疲れた」


綾人は気まずさと無駄では無かったが体力を使ったので今日は疲れ切っていた。


「はぁ。今日は寝よっと」


綾人は段々眠くなってきて、寝室には行かずリビングのソファーで眠りに着いた。


 ………………………………二ヶ月後……………………………………


古河高校には桜があり、新入生を歓迎するかの様に、舞い散り、そこを新入生達が歩いて行く。


その中にはブレザーの制服を着た綾人が居たり、腕を組み登校して来る充やミール、浩司に雨音やらがお「おっ! 綾人! 俺達一緒のクラスだぜ!」

「そうか」


クラス表を皆で見ており、綾人、充、浩司、美海がAクラスで、ミール、雨音、祐哉がBクラスで、見事に恋人同士が分かれた。


綾人は知ってる。こいつらを離しても同じだと。


どっちかがどっちかのクラスに来てイチャイチャするか、何処かで待ち合わせしてイチャつくのを。


だから、全員クラスが分かれようが騒ぐ事はしない。


どっちみちイチャイチャするから離れても大丈夫だと。


そして、全員自分のクラスに行き。


(俺は真ん中の二番目か)


黒板に書かれた通りに皆、座り。


充は窓際の一番後ろで、浩司は廊下側の三番目で、美海は窓際の一番前に居る。


まぁ、これが普通だな。

席順で並ぶのは学校では良くあること。だから、席替えは皆が楽しみにするのだ。


俺はなるべく後ろか真ん中辺りが良い。前だと何かと先生に良く何か頼まれそうなので余り前は嫌だ。


今回の学校でやりたいこともあるから、余り頼まれたくない。


少しなら良いが余り頼まれて時間を失うのは阻止したい。


これからは、一人でなるべく楽しい学校生活が待ってると良いな。

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