主人公の友達は全員彼女持ち
「あはははは! またフラれたのか! あはは!」
俺のベットの上で大笑いするのは金城 充。俺の一番古い友達で幼馴染でもある。
黄褐色色をした髪で天辺には二つに別れたアホ毛があり、余り俺と変わらない体格をしている。
一応言っておく彼女持ちだ。
充は明るく元気で人当たりも良いから、モテてると思う………………羨ましいことだ。
「うるせー。もう告白はしないし、俺は受験で忙しいんだ」
「あー! 悪い悪い! なぁ? 俺に構ってくれよ!」
「あ? だったら彼女の家でも行ってこい。俺は受験勉強するんだ」
構ってくれ! っと言ってくる充を放って置き、机と向き合いシャーペンを持って受験勉強しだした。
「えぇ。ミーと喧嘩して今構ってくれるのお前しか居ないんだよ! な! 遊ぼうぜ!」
「………………………はぁ。お前も受験だろ? 勉強しろよ」
「そうだな。綾人が居るし一緒にやろっと」
充は鞄から筆記用具とノート、教科書出して俺の前に座り勉強しだした。
それから暫く二人で勉強すると、充は「あ、ミー!? 綾人すまん! ミーが呼んでるから俺は行くな!」っと速攻で部屋を出て行き、彼女の所に充は向かった。
彼女とか死ねば良いのに………………。
「まぁ、どうでも良いや。勉強しよっと」
一人になり、更に勉強に身が入り、寂しくは無い。
あぁ、寂しくない………寂しくない………寂しく………。
ず~~~っと机に頭を付けて充が行って寂しくなった綾人だった。
暫く落ち込んで居ると下から母の声がして、「宮本君が来てるわよ!」っと呼びが掛かり直ぐに降りて行くき。
玄関を開けると、市紅茶色をした髪をして耳にイヤーカフを付けた身長高めの男。宮本 浩司に、その隣には明る目の茶色の髪を肩の下辺りまで伸ばして前髪にヘアピンをしており、浩司と比べると背が低く感じる女の子がおり。水道寺 雨音。浩司の彼女も居た。
「おっす! 綾人! 一緒に受験勉強しないか?」
「お前らは、浩司の家でイチャイチャして勉強してろ!」
そう言ってドアを思い切り閉めて部屋に帰って行った。
「あー。こりゃあ、今日も駄目だったのか」
「と言うか、それ綾人が悪いでしょ。どの子お構い無しに告白するから」
「まぁ、その、それは俺達にも問題があるから、誤解しないでやってくれ」
二人は和気藹々と腕を組んで綾人の家から帰って行った。
「たっく、あいつらは人にイチャイチャ見せつけたいだけだろ」
リビングで愚痴を言いながら綾人は麦茶を一気飲みして、飲み終わると机の上に置いてからイライラ状態で居る。
「まぁまぁ。貴方も彼女作れば良いじゃない! 早くお母さんに彼女見せに来てよ!」
笑み満点で言う母の言葉に心が痛くなる。
母には話してない。告白を断れ続けてる何て言ったら、絶対笑われて終わりだ。
そんな屈辱を受けるぐらいなら絶対に言わない。
「その内な。遠泳に無いかもけどな」
苦笑いして答えを返し、逃げる様に部屋に行った。
「彼女………………。いや、そんな事より受験だ」
俺が狙ってる学校はそこまで高く無いが、勉強をしておいて損は無い。
決して、やる事が無い訳じゃない………。
黙々と勉強をして受験に備え(暇を潰して)。
☆
「ヤッホー! 綾人!」
「何でお前らが来るんだよ。隣のクラスだろ」
黄褐色の髪にアホ毛が二つに別れてる充と、その彼女である、ミール・オルバーが俺の所まで来た。
蜂蜜色の髪を腰の辺りまで伸ばして、翡翠色の瞳をしてる留学生。
背も低く童顔で男子からは人気がある女の子で、充の彼女………………妬ましい。
「綾人~。勉強教えて~!」
留学生なのに日本語が上手く日本文化が好きな奴だから直ぐに学校にも馴れて人気者っとなった。
「お前、頭良いだろ。充とやってろよ」
「うーん。みっちゃんとも良いけど、皆で勉強した方が楽しいでしょ! 綾人も来なよ!」
「嫌だわ。お前らのイチャイチャを見てるだけの勉強会何てしたくないわ」
「えぇ。そんな~」
「良いじゃんかよ! やろうぜ! 皆で!」
この二人はいつもうるさい。元気があるのは良いけど、それを毎日やられたらうざくなってくる。
それにこいつら、イチャイチャしないと否定すら入れて無いで、イチャイチャはする! っと宣言してる事に気づいてるのか。
「俺は一人でやってるから、お前らでやってろ」
「そんつれないこと言うなよ。な? 一緒にやろうぜ!」
結局、充がしつこく「やろうぜ!」っと駄々を捏ねて、綾人は渋々折れて何時もメンバーで勉強会をすることになった。
☆
「ちっ」
勉強会は充の家でやることになって、綾人の友達四名にその彼女達が机を囲み座っている。
だが、勉強会と言うより恋人がイチャイチャしてる空間に一人だけ彼女無しを交ぜて苛めてる様な空間に居る様な気がする。
「よし! 綾人が居るなら今日は困らずに済むな!」
笹木 祐哉。明るい茶色に少し黄色が混ざってる髪をしていて、耳にはイヤーカフが付いてたり、指には派手では無い指輪が一つ付けている。
祐哉の彼女は歩拉 美海。同じく茶色のに少し黄色が混混ざってる髪を腰の辺りまで伸ばしている。指には祐哉と同じ指輪もしている。
「言っとくが、俺は教えんからな? 直ぐに帰るし」
「え?! お前が帰ったら誰が皆に教えるんだよ」
他の奴らも俺が帰る事に対して驚いた顔をしており。
「どうせ、お前らのイチャイチャを見るぐらいなら家でやっていた方がマシだ」
「えぇ~。お前が居なくなったら本当に誰が教えるんだよ」
「いや、学年上位者結構居るだろ」
ミール学年二位。浩司学年三位。美海学年四位。
「で、お前は学年一位だろ」
綾人は学年一位であり、運動神経もそこそこ良く恵まれた才能の持ち主だが、女の子にはモテてない。
「お前最近付き合い悪くなったよな~。最初に彼女出来ても誘ったら来てくれたのに今はなぁ~」
「いや、お前らが悪いだろ」
俺だって最初は悪いと思いつつ充達と遊びたかったから行ったが、こいつら俺が居ることを忘れてるのかイチャイチャしてキスしたりはぐしたりっと、目の前でイチャつくから誰だって嫌になるわ。
「はぁ。だったら俺はやることがあるから、分からないなら聞いてくれ」
そう言って綾人は鞄からスケッチブックと筆箱から鉛筆を出して絵を描き始めた。
「綾人~、ここだけど~」
充に聞かれ、丁寧に教えてからまた絵を描き出す綾人。
「綾人はやっぱりファッションデザイナーになるのか?」
綾人がさっきから書いてるのは服のデザインでそれを見た充が聞く。
「あー。綾人そういうの昔から好きだもんな」
それに続いて浩司が口を開き。
「まぁ、作るのは好きだが、別にファッションデザイナーになるとは決めて無いな」
「うーん。俺は何になろうかな~」
「いや、今は勉強しろよ。充」
綾人にそう言われ「へーい」っと返事をして机と向き合い始めた。
綾人も一旦描くのは止めて問題集を取り出して勉強しだした。
☆
「ふぅ。そろそろ終わるか」
充がそう言うと皆、肩の力を抜けてその場に寝転がる奴や彼氏に引っ付いて甘える奴や彼女に甘える奴が居る。
それを見た綾人は直ぐに荷物を纏めてから帰ろうとした。
「ん? 綾人は帰るのか?」
「あぁ。誘ってくれてありがとうな」
綾人は帰って行き。
「綾人って気難しい人ですよね~」
「ん。そんなこと無いけどな。綾人は友達想いだし、文句は言ってるけど、ただ素直になれないだけの不器用な奴だから、悪くは思わないでやってくれ」
充は一番綾人と一緒に居て綾人の事なら分かっているつもりだから誰かに悪くは思って欲しくない。
ボンッとミールの頭の上に手を乗せ、ミールは嬉しく頬を赤く染める。
「まぁ、綾人は悪い人では無いと分かってますけどね」
「うん。ありがとう」
充はミールの頭を撫で撫でして「えへへ!」っと嬉しいそうに笑いイチャイチャとする二人。
一章は本当に綾人は本作のヒロインと出会う事はありません。噂とかで聞く様な感じでは出すかもしれませんが一章では主人公とヒロインは出会う事はありません。
その代わり綾人の友達達がイチャついてくれますのでそれでも良いお方は暖かい目で見ていってくださると幸いです。
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