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99 草むらの敵!

 洞窟の中は薄暗く、草むらも奥にいけばいくほど高くなっているため、気配はあっても、視覚的にモンスターの姿は見えなかった。


 サーチをかけてみたが、まだ距離があるようで、何の反応もなかった。


「ギィ!アリス!気配察知に何かが引っかかったぞ。まだ、姿は見えないが、何かがいるのは間違いない。草むらの高さも上がってきているので、注意して進むことにしよう」


 洞窟の先を見ると、右側にゆっくりと曲がっていたので、おそらくその先に何かがいるのではないかと考えていた。


 ただし、向こうもこちらに気づいている可能性もあるので、いつでも攻撃できるように気を張っていた。


 移動スピードは少し落ちてゆっくりとした移動になっていたが、曲がり角に近づいても何も出くわさないので、そろそろもう一度サーチをかけてみようと思った。


「師匠!あそこ草むらが動いているっすよ!」


 ギィが曲がり角の壁がわを指さして、何かを発見していた。


 自分もサーチをかけて対応してみた。


 3匹の小さ目のモンスターを発見した。


 小さいながらもスピードはかなり速かった。


 高速移動していないときのギィ位のスピードはあるのではないかと思われた。


「3匹いるぞ!サイズは小さいが、スピードは速いほうだ。草むらで見えにくくなっているから、少し下がって草むらの高さが低くなっているところまで来ていただこうか!」


 自分達ゆっくりと後ろに下がっていった。


 相手も警戒しているようで、いきなり攻撃してくることはなかった。


 自分達が下がっているのに、気が付いたようで、相手は洞窟の幅いっぱいに広がり、3方向から向かって来た。


「3方向に分かれたぞ!自分達もそれぞれにあたることにしよう!」


 向こうも3匹ならこちら3名と同数なので、1対1で当たることにした。


「師匠!行くっす!」


 ギィは自分が声をかけた瞬間に飛び出していた。


 せっかく、相手の姿が見やすくなる位置まで下がったので、待てばいいのにと思ったが相手のサイズ見ても大丈夫だろうと考えた。


「まずは、私から行きますわよ!」


 ギィが飛び出すと同時に、アリスは麻痺弾を動いている敵モンスターに向けて、発射していた。


 ギィもアリスも行動が速いなと感心していた。


「あらら!草が邪魔して当たりませんわね!」


 アリスの麻痺弾は草むらにさえぎられて相手に避けられていた。


 体のサイズも小さくスピードもあるので、草むらに紛れていると見えるのは相手の頭と背中くらいしかないため当てにくい様だった。


 遠距離攻撃の効果が薄いと感じたアリスもギィと同じように敵モンスターに向かって行った。


 ギィもアリスも向かって行ったので、相手の姿が見えにくいとはいえ一部は見ることが出来るので、アリスの動きに合わせて自分も向かった。


 自分は真ん中の敵モンスターと対峙した。


 距離が近づくにつれて、相手の姿がはっきりと見えてきた。


 あれは・・・ネズミか!?


 体の大きさは約1ⅿ位だった、見た目のサイズはアリスと同じくらいだろう。


 色は茶色と灰色がまだらに混ざっていて、綺麗な色をしているとは言えなかった。


 逆に、どぶネズミといった方がしっくりくるような汚い印象を受けた。


 草むらの中での移動になれているようで、時々止まって自分の位置を確認するとすぐに走り出すため、水弾丸で狙おうにも狙いが難しかった。


 相手も自分との体格差を考えているのかはわからないが、向かってくることがなかったので、とにかく水弾丸を連射してみた。


 水弾丸5連弾!!


 ビュシュッシュッシュッシュッシュッーーーーン!


 当たったか!?


 相手モンスターはスピードもあるので、右に移動に合わせて、右にずらしながら5連弾を発射した。


 これにより、横幅に攻撃範囲を広げて相手に当てやすくなるようにしていた。


 当たったように見えたが、相手の動きに特に変化は見られなかった。


 やはり、草むらにさえぎられていた為、直撃することがなかったのだろう。


「この草むらは邪魔だなっ」


 ジャンプで一気に詰めてみようかと考えたが、さらに相手が奥に進み、草むらで相手の姿が見えなくなってしまうと攻撃を食らいやすくなってしまう。


 しかも、どんな状態異常を持っているかわからないので、安易に敵の領域に入るのは躊躇した。


 その後も、数回水弾丸の連射を行った。


 少しづつ精度は上がっているように見えたが、草むらが邪魔をして直撃を避けていた。


 なんだろう!?あいつはどうして攻撃してこないんだろう!


 警戒しているとしても、相手に攻撃を仕掛けてくる気がないようにしか見えなかった。


 何かを待っているのか!?


 いや~!それはないだろう!


 そう思い、ギィとアリスの様子を確認してみた。


 ギィのサイズはドブネズミよりも倍位の大きさがあるので、居場所の確認はすぐにできたが、だいぶ奥に進んでいるため、相手の姿が見えなくて攻撃を与えるのに苦労していた。


 さすがに、ファイヤーショットで一面を火事にする危険を冒すことは考えていないようだった。


 ドブネズミは完全に草むらの中に隠れてしまっていて、ギィには姿は見えてないようだったが、近づいてきたときは攻撃される前に的確に打撃を向けていたので、相手からのダメージを受けることなく善戦しているようだった。


 一方、アリスはサイズが同じため、草むらに線が入るだけで、ドブネズミの姿もアリスの姿も全く見えなかった。


 時々、アリスの麻痺弾が飛んでいるようなので、こちらもなかなか攻撃を与えられていないようだったが、善戦しているといってもよいように感じた。


 よし、このままいけば簡単に勝利できるだろう。


 時間の問題だろうな!



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