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96 ラージバット討伐!?

 自分を先頭に、その後ろをギィとアリスが並んで歩いている。


 アリスは初めてのラージバットとの戦いであったが、あまり緊張感が見られず、ギィと仲良く談笑していた。


 移動スピードはいつもと変わらない。


 いや、そうじゃないな!いつもよりもすこし早いような気がする。


 まっすぐ行けば暗闇洞窟がそこにある。


 暗闇洞窟の黒さとヒカリゴケの白さのコントラストが際立って見えた。


 いつもは、そんな事を気にせず通っていた道のはずが、なぜが全体がはっきりと見えていた。


 嫌な予感がするからか!?


 そうじゃない!落ち着いているんだ!そして、早くラージバットとの戦いを希望して気がはやっているのかもしれない。


 前回、ギィと自分でラージバットと戦った時は、そんな気持ちではなかった。


 どちらかというと、ギィと自分だけということに少し心配があったように思う。


 なら、どうして、今日はこんなに落ち着いているのだろう。


 ギイとアリスそして自分とがそろって闘いの場に出るからだろうか!?


 理由はよくわからないが、気持ちに余裕があるのはいい事だなぁ。


「ギィ!アリス!今日の自分は調子がいいぞ!お前たちはどうだ?」


「私?私はいつでも絶好調っすよ!」


 ギィは自慢の爪を前に出して、絶叫調の気持ちを前面に出して、笑っていた。


「私は少し緊張していますわ。ですが、今日は負ける気が全くしませんの。どうしてなのかしら!」


 自分だけでなく、ギィもアリスも同じ気持ちだったようだ!


 3名がそろっているからなのだろうか?いや、そこにいるのがギィとアリスだからかもしれない。


 なんだかこういうのうれしいな。


 そうだファイクラだった!


 はははっ!ファイクラの始めての活動ってことかな!


「まずはいつも通りにポイズパッド討伐からだな。自分達ならあっという間に終わるだろう。しかし、その後にラージバットの索敵エリアに入るから、今のうちに準備を整えておこう」


 自分は鋼外殻とサーチをかけておいてた。


 隠密をかけると、ギィやアリスが標的になるとまずいと判断して、今回はかけずにおいた。


 ギィやアリスも防御系の魔法をかけて準備していた。


 サーチをかけた結果で、ポイズパッドはいつも通りそこにいた。


 しかし、ラージバットの反応がなかったのだ。


 距離の問題かな!?予定したところにいないと、少し心配になるな!しかし、まずはポイズンバット討伐を終わらせてから、もう一度サーチで確認してみよう。


 3名はゆっくりと暗闇洞窟の中に入って行った。


「そろそろポイズパッドの索敵エリアに入るな、いつも通り襲撃に合わせて水弾丸(改)網を発射するぞ!」


「いつでもいいっすよ!」


「私も準備出来ていますわ!」


「いいかっ!来るぞっ! 水弾丸(改)網! 右上からだっ!」


 ブァッ!サ~


 ポイズンバットの襲撃はスピードはあるが、急な方向転換はできないので、水弾丸(改)網!の魔法で捕獲してしまえば楽に確保できる。


 しかし、飛行ラインが暗闇で見えないので、サーチ等索敵系のスキルがないと、途端に強敵になってしまうのだ。


 ポイズンバットは、今日も12列でいつも通りの攻撃をしてきた。


 ここでの戦闘も慣れたもので、まるで、書類を振り分けるような単純作業のようにして難なく倒し切った。


「よ~し!今日の朝のポイズンバット討伐も終わりだな」


 ギィとアリスに声をかけて、討伐前に気になっていたラージバットの所在に関して、もう一度サーチをかけた。


 この位置からサーチをかけたなら、距離を考えてもそれほど遠くないはずだから、必ずラージバットの反応があるはずだ。


 しかし、ラージバットの反応はなかった。


「師匠!次はラージバットっすね!ポイズンバット討伐で丁度体が温まったところだから戦闘準備としてはちょうどいいっすよ!」


 ギィは何時でも大丈夫というように表情も引き締まっていた。


「いや、待ってくれ。サーチをかけているんだが、ラージバットの反応がないんだ!もしかすると、ラージバットが復活するのには、時間がかかるのかもしれない。だが、一応用心して進もう!ギィは知っていると思うが、重戦車形体でゆっくり進むからギィとアリスは後ろからついて来てくれ」


 ギィもアリスも少し拍子抜けしたような顔になっていたが、こればっかりは仕方がない。


 とにかく、ラージバットが急に出てくるかもしれないので、それだけ注意して進んだ。


 いつもと状況がちがうので、少しゆっくり目に移動をすることにした。


 そろそろウインドカッターが飛んでくる距離に近づいたな。


 そう思って、さらにスピードを緩めた。


 ギィは警戒しながら、後ろをついて来ていた。


 ギィの警戒している状態を見て、アリスも緊張しているのが見えた。


 しかし、ウインドカッターは飛んでこなかった。


 先ほどから2度もサーチをかけていたが、やはり、ラージバットの反応はなかった。


 こうして、気が付くと3名は暗闇の洞窟を抜けていた。


「ギィ、アリス、せっかくだがラージバットは復活していないようだ」


「えぇ~緊張して損したっすよ!」


 ギィよ!損したのはラージバットがいなかったことじゃないのかぁ!!


「そうですわね、ではこの後はどうしますの?師匠!」


「ああ!この後な。先に進もうと思う。もともと、近いうちにラージバットを倒して、その先の様子を確認しに行こうと思っていたんだ」


「えっ!ラクーン洞窟の地下2階へ行くんですの!その~、なんの準備もできておりませんが、大丈夫ですの?」


 アリスは先に進むのは今日はやめた方がいいのではないかと言いたい様子で、すこし不安そうだった。


「違うぞ、アリス!いくらなんでもいきなり、次のフロアへ行くことはしないよ。ラクーン洞窟地下2階は極寒の地ということだそうだ。それなら、先に進むならば、少しづつ温度も冷えてくるだろう。だから、この先がどうなっているのか、地下2階の入り口はどのへんか。それを調査するだけだよ」


 ギィもアリスも少しほっとしたようだった。


「驚かせて、すまなかったな。だが、そういう事だからこのまま進もうとおもう。ついて来てくれ」


「了解っす!」


「知らないところに行くのは少しドキドキしますわ!でも、それはそれで楽しみですわね」


 そうして、3名はラージバットがいるはずの場所に到着した。


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