表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
89/238

89 模擬戦! それぞれの思い

 模擬戦2日目


 アリスは目を覚まして、ギィを探した。


 ギィはすでに起きていて、サイドステップの練習をしていた。


 間っすく進みながら、急に右に行ったり、左に行ったりしていた。


 あのスピードで横に避けれるの!


 あっ!今コケたわ!


 でも、きっと勝負の時までには完全なものにしてくるはずだわ。


 もともとスピードは速かったので、あのスピードでよけられたら厳しいな。


 私もフェイントを織り交ぜていかないと、ギィちゃんに当てられなくなるかもしれないわね。


 普通に麻痺弾をとばすリズムがタン、タン、タンだから、途中に連続発射と方向をずらすことでギィちゃんのサイドステップに合わせないといけないわ。


 タン、タン、タンからタン、タタ、タン


 これくらいでいいかかしら。


 だけど、ギィちゃんのスピードを考えるともう少しずらした方がいいかしら。


 それならこれでどうかしら。


 タン、タン、タンからタン、タタ、タ、タン


 連続2回に、半呼吸置いてもう1回これを通常のリズムに織り交ぜる。


 これくらいのフェイントがないとギィちゃんには当たらないかも・・・。


 そして、ギィちゃんが最初のリズムに慣れてきたら逆パターンのリズムも必要ね!


 タン、タン、タンからタン、タ、タン、タタ、タン


 このリズムでいいかな。


 実際、遠距離による麻痺弾の弾幕を越えられると、ギィちゃんとの直接攻撃による対戦になりますの。


 これは少し厳しいですものね。


 遠距離が厳しくても至近距離で麻痺弾を飛ばせば間違いなく当たりますわ。


 まあ、麻痺弾は当たりさえすれば圧倒的に私の有利ですから。


 ギィちゃん!私は負けないわよ。


 ※     ※     ※


 昨日、惨敗だったギィは今日こそはアリスに勝って見せると意気込んでいた。


 アリスちゃん昨日の最後はいい勝負だったね


 ギィはまだ眠っているアリスちゃんを見ながら考えていた。


 アリスちゃんに勝つためには、絶対にあの麻痺弾をよけないといけない。


 単純なスピードだけでは確実にアリスちゃんの餌食になってしまう。


 だから、アリスちゃんから麻痺弾が発射された後に避けないといけない。


 まっすくに進みながら、急に右に避ける。


 うわぁぁあああ!


 ギィはまっすぐ進みながら、いきなり横に避けたので、足が絡まってしまい、見事に転がってしまっていた。


 よし!もう一回!


 まっすぐに高速で進んで、避ける!


 うわぁぁあああ!


 どうして足がもつれるんだろう。


 ギィは足が絡まって、やっぱり今度も見事に転がっていた。


 そして、ギィは何度も何度も転がっていた。


 うぇぇ~~、どうしたら横に避けれるんだろう、誰か教えてぇ~~。


 しかし、今はギィだけしかいないから、自分で考えるしかなかった。


 走りながら横に避けたら足がもつれる。


 走りながら横に避けたら足がもつれる。


 もつれてコケる。


 走りながら横に避けたら足がもつれる。


 走りながら横に避けたら足がもつれる。


 足が引っかかってコケる。


 走りながら横に避けたら足がもつれる。



 走らないで横に避けたら足がもつれ・・・・ない!?



 そうだ!走らなければいいかも!?



 ギィは今浮かんだ案を試してみた。


 高速で走りながら・・・・横ジャンプッ!!


 よし!うまくいった!これならいけるよ!


 アリスちゃん待っててね!今日は負けないからね!!


 ※     ※     ※


 ギィもアリスも朝から特訓をしているようだった。


 そもそも、軽い気持ちで思いついた模擬戦だったが、思わぬところでギィとアリスの能力強化訓練につながっていた。


 ギィは高速で移動しながら、相手の攻撃に合わせて回避行動をとる。


 アリスは高速移動中の相手に、さまざまなリズムで麻痺弾を当てる。


 お互いに自分の強いところを強化する。


 そのため、訓練をして、さらにお互いで実践をする。


 いい流れになっていた。


 なんかいいな!


 こんな異世界で、蛇とトカゲとアリだけど・・・。


 見た目は違っていても、成長しようという気持ちがあれば、そこにライバルがいれば、それだけで青春になるような気がした。


 ギィとアリスは青春のまっただ中にいるんだろうなぁ。


 そしたら、自分はどうなんだろう。


 本当だったら、自分は高校生だ。


 生徒会委員で石橋さんと委員会活動をしているはずだった。


 一緒に勉強をして、一緒に運動をして、休みの時には一緒に遊びに行けるかもしれなかった。


 う~~ん!休みの日に遊びに行くことは・・・。


 とにかく、楽しい高校生活が待っていたはずなのにぃ~~!


 だけど・・・。


 そうだ!忘れてはいけないんだ、あいつとの闘いを・・・。


 たぶんこの体の親そして、姿を見たこともない兄弟たちだけど・・・、自分は仇をうつと決めた。



 ラクーングレートリザードとの決戦をしないといけない。



 キルアント族のやさしさに包まれているとあいつに対する闘争心を忘れてしまいそうになる。


 しかし、これだけは忘れてはいけない。


 そのためにも、自分も成長しないといけない。


 アリスの訓練が終わったら、自分とギィとアリスでラージバット戦を行おう。


 実戦訓練だ!


 ギィとアリスも模擬戦の成果を試す機会にもなるし、実戦訓練をしよう!


 ギィとアリス、そして自分を含めて、ラージバット戦の戦略を考えておかないといけない。


 そろそろ、本日の模擬戦の開始時間だな。


 ギィとアリスに声をかけよう。


「ギィ!アリス!そろそろ模擬戦の時間だぞ!特訓はこの辺でやめれるか?」


「もうそんな時間っすか!了解っす!師匠!」


「実践で完了させますわ!師匠!」


 ギィもアリスも準備はできているようだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ