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84 アリスの過酷な訓練

「イメージするところで曲がりたいのに・・・」


 全速力で移動しながらイメージしたところで曲がろうとすると、行き過ぎてしまったり、少し手前で曲がってしまったりしていた。


 しかしそれも繰り返すことで少しずつ、イメージしたポイントで曲がることができるようになってきていた。


 移動の訓練だけで午前中をほぼ使ってしまっていた。


「大部イメージしたポイントで曲がれるようになってきましたわ・・・」


 アリスは訓練のポイントとして、①移動②物理攻撃③真技攻撃 この3つをメインに考えていた。


 本当であれば複合攻撃なども考えていたが、時間的に無理だった。


「ですが移動の訓練だけで午前中全部を使ってしまったわ」


 アリスは悔しそうな表情していたが、弱体化の後で体力もそれほどついていない状態の中、移動に関しては充分だろうと思った。


 午後からは物理攻撃と真技攻撃をメインに訓練をしようと思っていた。


「このままで時間が足りるかしら・・・」


 アリスは物理攻撃と真技攻撃どちらにしようか迷っていた。


 模擬戦が1回だけなら、真技攻撃だけで何とかなったんだが、ギィちゃんのことだから、きっと何度も勝負を挑んでくるに違いないと思った。


 アリスは悩んだ結果、第1戦目に勝利することを重要視して、精神的優位を取ることに決めた。


「ギィちゃんと落ち着いて戦えば、現状で私に勝利はないわ。勝負の決め手は奥の手にかかっているわ・・・」


 アリスは真技攻撃の練習を始めた。


 まずは命中精度を上げることだった。


 最初は静止した場所を的として真技攻撃を何度も放った。


 しかし、真技攻撃の練習は、思った以上にきつかった。


 何度も魔力切れ起こすと、疲労により気絶してしまうのだ。


 3回目の気絶の後、ある程度満足できる命中精度になったと考えた。


「これ以上の真技攻撃の練習は無理かもしれないわね。もう少し精度を上げたいところですが、仕方ないですわね。」


 アリスはそうつぶやくと、師匠とギィが一緒に南の居住区に戻ってくるのに気がついた。


「アリス!訓練はかどってるか?」


 自分はアリスに軽く声をかけた。


 しかし、アリスの様子を見て、その異様な姿を見て少し心配になった。


 アリスの目は虚ろで、体も小刻みに震えていた。


 そして歩くことですら、厳しい様子でそこにしゃがみ込んでいたのだ。


「アリスちゃん!大丈夫?」


 ギィが、その異様な姿を見て心配になり声をかけた。


「ごめんなさい、少しやり過ぎましたわ」


 どれほどの過酷な訓練をしたのだろうか。


 アリスは軽く返事をしただけだったが、明らかにオーバーワークに見えた。


「アリス!体調もまだ万全ではないし、勝負といっても、軽い模擬戦だからな!あんまり無理しすぎないでくれ」


「師匠とギィちゃんを驚かそうと思って、がんばりすぎましたわ。本当にごめんなさい」


 アリスは素直に謝ってきた。


 自分はアリスを責めるのはもうこれぐらいでいいだろうと思い。


 北の商業地区から、持ってきたポイズンバットの丸焼きをアリスに見せた。


「先ほどからおいしそうな匂いがすると思いましたら、ポイズンバットの丸焼きの匂いだったんですの」


 アリスはゆっくりとした歩みで、ポイズンバットの丸焼きの近くまで寄ってきた。


「匂いだけではなくて見た目も美味しそうですわ。一体これはどうしたんですの?」



 

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