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82 アリスの進化完了②

しばらくお休みをしてすみません。


まだ、調子が戻っていないので、毎日更新はできないと思います


ですが、出来るだけがんばって、続きを書いていきますので宜しくお願い致します。

 さわやかな挨拶にもかかわらず、目は穏やかでない様子のアリスだった。


 自分もギィも瞬時に、機嫌が直っていないと思った。



 この場合、本人が無かった事にしようとしているから、蒸し返すよりも、無かった事にした方がいいかもしれない。


「おはよう!無事に進化出来たみたいだな!」


「アリスちゃん!綺麗えぇぇ〜!早く全身を見せてよ!」


 ギィはアリスの機嫌よりも、進化後の姿に、目を奪われていた。


「今から、出ますわ。少し待っていて下さる!」


 ギィから褒められた事で、アリスの機嫌はすぐに良くなっていた。


 前回のレッドキルアントへの進化の時は、薄いピンク色で、可愛いらしい感じだった。


 しかし、今回の進化で、バレットキルアントになった事で、赤色で綺麗に輝いていた。


 まるで、天気の良い日に海岸線に止まっている赤いスポーツタイプの外車のようだった。


「アリスちゃん!キラキラと輝いているよ!前よりもずっと赤いねぇ!」


「そうね、繭の中で見るよりもずっと赤いわね。今回もきれいな色でよかったわ!」


 キルアント達の進化はいつ見てもきれいだな。


「アリスちゃん!進化後はやっぱりぷにぷにするの?」


 ギィの目は、すぐにでもぷにぷにしたいとでも言うかのように訴えていた。


「どうかしら?触っても良くてよ!」


「アリスちゃんいいの?触るよ!うわぁ〜!楽しみだなぁ」


 ギィはアリスの近くまで行って、近くからじっくりと柔らかそうな体を見ていた。


 そしてゆっくりと手を伸ばすと、軽く押さえてみた。


 前回はプリンみたいな柔らかさだったが、今回のは柔らかいだけでなく弾力性もかなりのものだった。


「アリスちゃん!ふわっふわっだね!」


 そう言って、ギィは笑顔で、アリスを何度もツンツンしていた。


「ギィ!楽しそうだな!」


「師匠!ふわふわで、ツルツルで、すべっすべっで、めっちゃ気持ちいいっす!師匠もやるっすか?」


「自分は見てるだけで楽しいからいいよ!」


「師匠!遠慮しなくてもいいですのよ!」


「あのなぁ!アリスもギィも、自分は、ほんっとにいいからな。お前たちで楽しんだらいいよ!」


 ギィはしばらくぷにぷにや優しくなでたりとしていた。


 ギィとアリスのじゃれ合いが終わったら、模擬戦の事を話してみようと思う。


 しかし、ずっと戦っていたギィと繭化して、弱体化後のアリスではだいぶハンディキャップがある。


 模擬戦の話をして、アリスがどう思うかが、少し心配だった。


 そのため、ギィには少し制限をつけた方がいいかとも考えていた。


 ギィとアリスのじゃれ合いが終わったころに、声をかけた。


「アリス!1つ提案があるんだが!ギィはすでに知っているんだが、模擬戦をしようと思っている。」


「模擬戦ですの!。そうですねぇ~。構いませんわ!師匠。ただし、弱体化と訓練で2日間いだだきたくおもいますわ!良いですの!」


「模擬戦といっても、弱体化直後なので準備運動程度と考えていて、ギィにもハンディキャップを与えて戦いやすくしようと思っていたんだが・・・。」


「何を言っていますの!師匠!私はすでに1敗してますわ!私の意地にかけても、次は勝ちますわよ!」


 自分の予想外に、アリスは模擬戦に対してやる気十分だった。


 模擬戦に関して、アリスからは何の質問もなかったので、きっとキルアント族では模擬戦をすでに行っているんだろうと思った。


 しかし、アリスとギィでは種族が違うので、一応ルールを確認しておくことにした。


「アリス!模擬戦にルールを作ってみた。それについて話そうと思う。まず、場所は住処の洞窟で行う。そして、ルール① 絶対に殺さない。これは当然だな。それから、ルール② 体が洞窟内の壁にあたった時点で負けとする。ただし、壁を使っての攻撃では手や足等がついても大丈夫にする。他に、勝利条件としては、気絶するか、もしくは、『まいった』と言うかぐらいかなぁ! とうだ?それでいいか?」


「ギィちゃんと戦えるなら、ルールは何でもいいですわ! そうね?ギィちゃん!」


「私も何でもいいよぉ〜! それより、早く2日経たないかなぁ〜!」


 思いのほか、アリスも戦う気に満ち満ちていた。


 ギィとアリスはどんな勝負を見せてくれるのか、とっても楽しみになってきた。


 ※     ※     ※


 アリスは一日繭の側にいた。


 弱体化中は疲労感があるそうで、繭から出てきては少し散歩をした後、また繭の中に戻り休むを繰り返していた。


「アリス!体の調子が良くないのか?」


「そうではないですの!だから体を動かしたいのですけれども。すぐに眠くなってしまいますの。」


 それで、繭の出入りを繰り返していたのか。


 アリスは体を動かしたいというのは、きっとギィとの模擬戦の為だろうというのはすぐに分かった。


 しかし、口に出さないのは、きっと言いたくないのだろうと思ったので話に出さないようにした。


 自分が黙っていたら、アリスがギィの話をしてきた。


「師匠!ギィちゃんは今日も北の商業地区に行ってますの!」


 アリスが繭の中で眠っている間、ギィは北の商業地区へ遊びに行っていた。


「えっ!アリスはギィがいつも北の商業地区に行っているのを知っているのか?」


 アリスがギィの北の商業地区へ遊びに行っているのを知っていたのを驚いたが、そういえばアリスとギィは仲が良いので、知っていて当然と納得した。


「ギィちゃんは北の商業地区で人気者ですのよ!」


「自分もアリスが今回繭化したときに、はじめて北の商業地区へ行ったのだが、ギィは普通に馴染んでいた事にびっくりしたよ!でもな、アリス!北の商業地区では今や自分も結構な人気者なんだぞ!」


「師匠が人気者ですの!?」








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