表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

7/238

7  魔法はイメージ力!?

「あのスライムが、ビュシューーーーン!って飛ばしたイメージはしっかり残っているのに、なんで出来ないんだよぉ~」


 がっかりしながら、愚痴ってみた。


 気が抜けたせいか、尻尾から水がこぼれてきた。


「うぇぇっ、気い抜きすぎて、おしっこでちゃったよぉ。恥ずかしいな!」


 なんで尻尾の先からおしっこ!?


 そんなわけない。


 だって、尻尾の先には・・・・・ないんだよね。


 はっ!と気がついた。


 もしかして魔法かもしれない!?


 期待通りだったらと願って、ドキドキしながらステータスを開いた。


 名前から順番に見ていく。


 名前・・・種族・・・ランク・・・レベル。


 ドキドキドキ。


 鼓動はどんどん大きくなる。


 目を下に進めて、次の項目を見る。


 自分の想像が正しければ・・・・・。


 HP・・・そして、いよいよMPの項目をみる。



 ーーーーーーーーーー

【MP 】 7/10

 ーーーーーーーーーー



 MP=10のはずが、MP=7となっていた。


 よっしゃー!!やっぱりそうだった!


 尻尾の先が濡れていたのは、魔法がうまく発動しなかった為に、水が塊に成らなかったに違いない。


 ドキドキしていた気持ちが、今度はワクワクしたものに変わっていった。


「そうか!わかった。ステータスも考えるだけで出てきた。今回も、スライムの水の塊をイメージすることで尻尾から水が出てきた。つまり、イメージで魔法が使えるんだ!」


 何となく魔法の使い方が分かってきた気がした。


 魔法は特にイメージが重要なんだ。


 よし、スライムの魔法をイメージして、


「あれっ!スライムの魔法って口から発射するイメージだったけど・・・」


 まあ、スライムは丸ごと顔みたいなもんだから、そう思い込んだのかもしれないなぁ・・・。


 違う違うぞ。


 発射する場所のイメージじゃない。


 魔法そのものの塊をイメージするんだ!


 集中してイメージすると、尻尾の先に小さな水の塊か現れた。


 そのまま、今度は尻尾を構えて、人間だったら、右手を前に突き出すようにイメージして・・・・・。


 手のひらから水の塊を飛ばすんだ、いけっ!


 ビシャッ!!


 思った通り手のひらから、水の塊が勢いよく飛び出した。


「よっしゃぁ!成功だ!」


 何となく出来るようになったら、早く、実戦で試してみたくなった。


 しかし、威力がどの程度か確認しておかないといけない。


 スライムの魔法は結構強かった。


 だけど、自分は使い始めたばかりで、まだ確立した使い方が出来ているわけではない。


 それに、もしも実戦で使いにくい魔法なら不意打ち程度にしかならない。


 はやり、射程距離、威力、回数、発射タイミング、そしてリロードタイムなどは調べておかないといけないだろう。


 まず、最初は射程距離だ。


 できるだけ遠くに飛ぶようにイメージして水の塊を飛ばしてみた。


 10m~20m位飛んでいくのかと思ったが、ジャンプと同じくらいの距離で約5メートル位ではじけて消えてしまった。


 思ったより射程距離は短いな。


 これは先々遠くまで飛ばせるのだろうか。


 まあ、成長次第だな。 


 やっぱり試しておいてよかったとほっとした。


 こうなってくると、他の部分も大したことないんだろうな。


 次は発射タイミングだ。


 イメージしてから発射するまでにかかる時間の事だ。


 戦闘中に、魔力のタメが必要で発射しようとしたら撃てなかったなんて命取りだもんな。


 そして、尻尾を構えて何も考えないところから、一気に発射をイメージする。


 水の塊発射ぁぁあああ!?


 ・・・・あれっ。


 ・・・何も出ない。


 えっ何で何で!?


 あっもしかして・・・ステータスの残量を見ると「MP=1」となっていた。

 ついでに特殊スキルをみると水弾丸が追加されていた。


「あぁぁ、やっぱり魔力切れかぁ。こればっかりは仕方ないもんね。ところで水の塊は水弾丸って言うんだ。でも、なんか呼びやすいし、強そうじゃねぇ」


 でも・・・おかしくないか?


 最初は水みたいなもの、次は普通に水の塊だった。


 そして、3発目は射程距離を調べるために発射した・・・これはしっかり魔法の様なものだった。


 使用した!?と言えるかわからないが、その3回だけだ。


 そうすると発射できなくても、実行した回数でMPを使用するということか!


 つまり、熟練度!?やランク!?・・・あるかな?・・・によって、威力や、形態に変化があるかもしれない。


 しかし、今のところはあくまで仮定の話だ、今後の検証課題だな。


 しかし、ラノベの世界では成長と共に強くなるから、この世界でも似たようなものかもしれない。


「うん。期待はできる」


 その期待で、少しうれしくなった。


 それ以外の性能を確認したかったが、MPが足りないのでしばらくは休憩だ。


 待っている間、暇だから戦い方でも考えておこう。


 基本は、ジャンプ、噛みつき、巻き付きが攻撃パターンになるんだけど・・・。


 まあ、踏みつぶし、いや、体当たりかな、これも攻撃に入れていいだろう。


 自分の防御力が結構あるので、強力な技・・・・いやぁぁ、ない、ない、ありえないな。


 もしもミスったらいきなり絶体絶命だろ。


 そんな怖い事はこの世界では今ところ出来ないな。


 体当たりはとりあえず封印っと。


 そうだこれまでの基本攻撃パターンに魔法を加えるとすると遠距離攻撃が出来る。


 これ、かなりのアドバンテージになるんじゃないか。


 連射と命中精度にもよるが・・・・・。


 速く、MPたまらないかなぁ。


 アニメでみた戦闘が色々浮かんでくる。


 ・・・ジャンプしながら魔法をぶっ放して攻撃。


 着地して敵の攻撃をかわしながら回転。


 そして相手の隙をついて魔法の連射。


 魔法の弾幕を抜けて・・・・相手が怯んだすきに・・・・ジャンプ特攻で噛みつき!


 うぉーーーハードボイルドじゃねぇ。


 うわぁ俺ってめっちゃかっこよくねぇ。


 あっ・・・蛇だけど。


 1人で敵モンスターを無双している様子を妄想しながら、ニヤニヤと薄ら笑いをしている自分を想像して少し恥ずかしくなった。


 一人でいるせいか、妄想もパワーアップしてるなぁ。


 そうこうしているうちに、時計がないのでわからないが、約10分くらい(勘!?)経過したと思った。


 どれくらいMPが溜まったか、ステータスを見てみると、MP=10となっていた。


 MPは1分間で1回復するんだとわかった。


 今のMP量では、戦闘中に連続して使用するのは少し危険かもしれないな。


 奇襲、もしくは、奥の手としての使用が効果的か・・・。


 MPもたまったので、発射タイミングを調べてみることにした。


 まずは、構えてから発射するまで、どれくらい時間がかかるかを知っておかないといけない。


「水ダ!」


 ビュシューーーーン!

 魔法名を言い終わる前に、発射された。


「ン丸・・・!」


 うわわわわあああ!!


 頭でイメージするだけなので、発射タイミングはめっちゃくちゃ早かった。


 しかし、その分威力は弱いような気がしたけれど・・・。


「もしかすると、魔法使いによくある詠唱と無詠唱の違いみたいなものかな」


 詠唱すると普通の魔法で、無詠唱なら少し弱くなった魔法みたいな感じかな。


 でもこの発射タイミングなら、奇襲に対するけん制としての効果はめっちゃ期待できると考えた。


 それ以外にもジャンプしながら発射することもできるかも。


「やっぱ魔法はすごいなぁ」


 魔法使えるようになってよかったぁ~としみじみと感じた。


 あとは、威力と回数とリロードタイムだけど、威力は実戦でないとわかりにくいので回数からだな!


 リロードタイムが短くて連射ができるといいんだけど・・・。


 今のMP量では魔法が3回発射できる。


 まずは連射ができるか試すためにMP=9になるまで約2分間位待ってから連射してみた。


 発射タイミングが思ったよりも早かったのでおそらくできるのではないかと予想していた。


 リロードタイム無視のイメージで3連射だ。

 機関銃のイメージだな!


「水弾丸!3連射!」


 ダダダッシューーーーン


 3つの水の塊がほぼまとまった形で発射できた。


「あれ、簡単にできるな。しかもばらばらでないところは精度が高いと言える。うん、強そうだな!」


 しかも、バラけないのであれば、同じところに集中して命中することで予想外に強力な遠距離攻撃となった。


 他にも、色々と出来ないか練習してみた。


 横に並んだ3か所に狙いを定めて、連続で発射これは成功した。


 遠くの的に当てられるように何度も練習を行った。


 大まかではあるが、狙ったところにあてられるようになった。


 あと、どうしてもしておきたかった練習があった。


 それは、アニメの世界でよくあるジャンプしながらの発射だ。


 ・・・無理だった。


 まあ、わかっていたけど、やっぱりできなかった。残念!!


 でも、何時かは成功させてやる!!


 こうして練習を重ねて攻撃パターンも増え、いよいよ近くの水場に行く準備が整った。


 明日の朝には出発しようと思った。


 まあ、慌てなくてもいいだろう。


 疲労回復の休憩としてゆっくり休むことにした。

読んでいただきありがとうございます。

ブックマークなぞしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ