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65 ドラゴンの頭・・・

 物音を立て立てる事によってドラゴンに気づかれるのを注意しながら移動した。


 隆起した岩谷の間を利用して、体を隆起した岩々に沿わせることによって、後にゆっくりと後ずさりする。


 ドラゴンは、こちらに気づいてないと言うよりも、気にしてないような感じがする。


 なぜだろうと不思議に思った。


 しかし今そんなことを気にしてる余裕はなかった。


 もう一度ドラゴンのほうの顔見てみた。


 そうするとやはり、また目がキラリと光った。


 おかしい・・・何かおかしい!?


 これほど気づいていれば、何かのアクションがあってもおかしくないと思われる。


 あれは本当にドラゴンだったのか!?


 暗い水の中で、しかも洞窟の中だったので、見間違えたのかもしれない。


 もしかしたらドラゴンではない何か別のものと、見間違えたのかもしれない。


 調査をする以上確認しないといけないと思い、先程のドラゴンの頭があったところに戻ることにした。


 もしかしたら気づかれてるかと思ったので、慎重に進んだ。


 最初にドラゴンに気づいたところまで行ったけれども、攻撃しようとしてくる素振りは全くなかった。


 そして顔見るとやはり目がキラリと光った。


 自分の中で1つの予想が浮かんだ。


 最悪の事態を想定して、全力で逃げられるように体制を整えた後に、ドラゴンに向かって水弾丸(改)槍!を発射した。


 シュヒュン!ゴボゴボゴボジュシューーーーー!


 水弾丸(改)槍!はまるで魚雷が飛んでいくように水の中を切って進んでいった。


 よし当たる!


 そして水弾丸(改)槍!はドラゴンに直撃した。


 ドラゴンの頭が少し動いたため、一瞬ドキリとしたが、ドラゴンからの反撃は全くなかった。


 それどころかドラゴンの頭はゆっくりと流れてきた。


 そして、ドラゴンには体がないことに気がついた。


 つまりドラゴンは生きていなかったのだ。


 大穴の中を流れてきたドラゴンの頭を掴んだ。


 ドラゴンは頭の大きさだけでも自分と同じ位のサイズがあった。


 そしてこのドラゴンは首までついていた。


 しかし、その先はちぎれていた。


 まるで何かに食いちぎられていたかのようだった。


 水質汚染の原因は、おそらくこのドラゴンの頭の牙から、毒が流れていたんじゃないかと想像した。


 しかし、それとは別に1つの疑問があった。


 なぜ目が光ったんだろう。


 そう思って、ドラゴンの目を見てみた。


 特に変わった様子はなかったけれども頭を少しずつ動かしていくと、一瞬目がキラリと光った。


 わかった!!そういうことだったのか。


 外から入ってきた光がドラゴンの目にあたり、それが見る角度によって光ったように見えたのだった。


 ※     ※     ※


 ちょうどその頃陸上では、ギィとツキさんが師匠のことで話をしていた。


「師匠!泳ぎ上手っすね。」


「本当ですね。泳いだことがないと言う割には上手に泳いでましたね。」


 キルアント族は、泳ぐことができないから、師匠の泳ぎが上手だったのにとても驚いていたみたいだった。


 師匠のことを尊敬されるとちょっと嬉しいな!


 ギィはニコニコしながら、戻ってくるのを待っていた。


 師匠が早く戻って来ないかなと思いながら、貯水池の中を泳いでる魚を眺めていた。


「ツキさんあれなんっすかね。」


 貯水池の奥のほうにブクブクブクと泡が浮かんできていた。


「なんでしょうねぇ、私も初めてみます。」


 ツキさんが返事をすると同時に、大きな水しぶきが上がった。


「あれ!もしかして師匠が魔法使ったのかもしれない。」


 水しぶきの後に、貯水池の水面が砂利で茶色く濁り始めた。


「ツキさん!師匠が!?水の中なのに!師匠が!?」


 ギィは目に涙を溜めて叫んでいた。


「ギィさん!師匠さんは強いんでしょ!」


 ツキさんは、ギィを落ち着かせるようにゆっくり優しく語りかけた。


「うん!すっごく強いんだ!」


「それなら師匠を信じて、待っているほかないですよね。」


「わかった・・・。」


 ギィは口を閉じて黙ったまま水面を見ていた。


 ゆっくりと水面から上がってくるものがあった。


 ギィはもしかしてと思い、目を凝らして水面を見ていると、間違いなく師匠の姿だった。


「師匠が浮かんできたぁ〜。良かったぁ〜無事だった!」


 しかし、ギィの目に映ったのは師匠だけではなかった。


 師匠を追いかけるように、巨大なモンスターの顔が師匠の後からついてきた。


「師匠!危ないっす。後からモンスターが来てるっす!」


 ギィは師匠がモンスターに襲われると思って、大きな声で師匠に呼びかけた。


「師匠!ファイヤーショット打つんで、避けるっしょ!!」


「ギィ待て!打つんじゃない!打ってはいけない!。」


 ギィはファイヤーショットを打つ体制に入っていた。


 しかし、師匠から打つなと言うふうに言われたので急遽取りやめた。


 ギィは師匠に危険が迫っていると思っていた。


 しかし、師匠から、いきなりファイヤーショットを打つなと言うので、困惑したまま立ちすくんでしまっていた。


「でも師匠!大丈夫なんっすか?」


「大丈夫だ!ギィ!よく見てみろ。」


 そう言われて、ギィは師匠の後からついてくるモンスターをよく見てみた。


「なんっ!なん!なんっすかぁああ~~!それぇ~~~!!!」


 水面にゆっくりと上がってきた巨大モンスターの頭を師匠が尻尾で引っ張ってきていた。


「へっ!蛇神様!がそれを倒されたのですかぁああ!!!」


 ギィの側で見ていた、ツキさんも驚いて一緒に声を上げていた。


「ははっ!さすがにこのモンスターは、自分じゃどう頑張っても無理っすよ!! よく見て下さい。これドラゴンじゃないですか!?」


 歩道まで、引っ張り上げながら、ギィとツキさんに答えた。


「でも、師匠!水中で攻撃してなかったっすか?」


「まあ・・・。水中では色々あったからな・・・。」


 詳しい話をするなら、コンサルさんも一緒がいいんだけど・・・。


 どうするかな・・・!?これっ!


「ツキさん!今回の汚染の原因は、おそらく、このドラゴンの頭が原因なんですが・・・。コンサルさんにも話したいので、出来れば一緒がいいのですが、ここまで来てもらうことはできますか!?」


 ツキさんは、少し考えていた。


「わかりました。蛇神様!状況が状況なのでコンサルさんを呼んで参ります。しばらく、ここでお待ちいただいてもいいですか?」


「では、私たちはここで待っているので、よろしくお願いします。」


 ツキさんは急いでキルアントトレイダーのコンサルさんのところへ向かった。


 ツキさんが行った後、ギィは水の中に手をつけたり、出したりを繰り返していた。


「ギィ!水の中に入ってみるか!」


「大丈夫っすかね!」


「いざとなれば、自分が助けに行くから大丈夫だろう!」


 そう返事をすると、ゆっくり歩いて水の中に入って行った。


「うぉぉおおお!!気もちいいっすねぇぇええ!!」


 そして、そのままゆっくり歩きながら進んだ。


 あぁぁぁあああ!!


 忘れてたぁぁあああ!!!


 そういえば、自分泳ぎ方知らないんだった・・・。


 どうしよう!?


 とにかく、歩いてみよう。


 ギィは水の中もそのまま歩けると思ったのか、そのまま歩き出した。


 しかし、予想通りに()()()()となっていた。


 うわぁぁぁぁぁぁぁ!!


 溺れるぅうう!!!


 ちょっ!ちょっ!!もどるっ!!もどるっ!!


 もがきながら、戻ろうとするが戻れない。


 ギィは水中で焦りながら、1つの考えが浮かんだ!


 そうだ!!師匠と同じように体を動かしてみよう!!!


 そして、ギィは思い出すようにゆっくりと尻尾を左右にくねらすように動かしてみた。


 すると、体が自然と前に進みだした。


 おお!!!泳げる!!私もおよげるぅぅううう!!!!


 そして、尻尾に合わせて、手足を使って方向転換も出来るようになった。


「師匠!!泳げるっす!気持ちいいっすねぇ!!!」



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