5 スライムをたおした!?
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【名前 】 なし
【種族 】 スネーク
【ランク】 G
【レベル】 1(up)
【HP 】 20/30(up)
【体力 】 2(up)
【力 】 4(up)
【知力 】 2(up)
【素早さ】 4(up)
【物理攻撃力】 15(+10)(up)
【物理防御力】 30(× 3)(up)
【魔法防御力】 18(× 3)(up)
【スキル 】
噛みつき ランク2(up)
牙 ランク2(+10)(up)
巻き付き ランク1
【特殊スキル】
卵の殻壁 ランク2(× 3)(up)
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ステータスを確認してびっくりした。
レベルが上がって一気にステータスが2倍、攻撃力と防御力は3倍になっていた。
卵を食べただけの予想外のレベルアップだったけど、これで周辺探索がやりやすくなった・・・はず。
早く水場も探したいから、今いる洞窟の入り口周辺まで行ってみようかな。
あれ、あれ・・・・なんだ、何か急に眠気が来た。
そういえばさっきレベルアップのメッセージがあったけど・・・。
眠気が強くなり、がんばっても抵抗できなくなった。
レベルアップしたら、その後30分くらいで睡眠に入ってしまうのか?
これって、なんの能力なんだよ。
やばい、厄介だな・・・。
それでも眠気にあらがおうとしたが、その甲斐もなく、強制的に睡眠状態になってしまった。
仕方ないので探索は目が覚めるまで延長することにした。
レベルアップした翌朝、ぎこちなかった体の動きが、前の日よりもスムーズになった気がした。
これが、レベルアップの効果なのだろうか?
いやいや、レベルアップしたから、よくなったと思い込んでいるだけかもしれない。
はははっ!そうだ、気のせいだ。
何でもすぐにいいように考えてしまうんだよねぇ~。
よく言えば、ポジティブシンキングってやつ!
レベルが1つ上がりました。
強くなりました。
まあ、そんなに調子よくはいかないよな。
今や、何かあれば命がなくなるという状況だから、少し慎重な位で、きっと丁度いいんだろう。
そう思うことにした。
出発前に、昨日練習したことを復習しておこう。
まずは、移動方法だ・・・しっかり動けてるな。
次は、ジャンプだ・・・高さもちょうどいい。
慌てるな、慌てるなよぉぉ!
確実に行うことが大切だからな。
慌てん坊の自分に、そう言い聞かせた。
それから、攻撃のパターンは噛みついてダメージを与えたら巻き付いてとどめを刺す。
よし!いい感じだ。
実際の戦闘で使えるかどうかわからないが、何もないよりも安心ができる方法をとった。
この攻撃パターンはかなり練習をして出来るだけスムーズに動けるように仕上げた。
住処のある洞窟をでて最初の曲がり角までは確認できるが、特にモンスターがいる感じはしない。
しかし、その先はいくつか曲がっているようで、この洞窟の先がどうなっているか、今いる場所からは全くわからない。
さらに、危険なモンスターがいるかもしれないので、慎重に進んだ方がいいと考えた。
洞窟の先の危険を回避するために、色々と念入りに準備をしたいところだった。
しかし、持っていけるものは、緑エノキ1束が精一杯だった。
荷物持てる手ないので・・・蛇だから。
よし、今から記念すべき迷宮探索の開始だ!ヤッホ~イ・・・。
慎重に・・・慎重にと言い聞かせているはずなのに・・・・自分では抑えきれない。
慎重に進んだほういいと、自分に言い聞かせるように、口では言っていた。
しかし、初めての異世界、初めての迷宮、ゲーマーとして、その探索にワクワクが止まるはずがなかった。
もちろん知っていることだけど、迷宮探索で一番注意が必要なのは、気をぬいて不意打ちを食らわないことだ。
これは、以前、ゲームの中で偵察任務をしていた時、待ち伏せをしていた敵を見落としてしまった。
そのため、後ろから不意打ちを食らい、さらに、退路まで断たれてしまった。この時は、後から来た仲間に助けてもらったから、何とか凌ぐことができたのだった。
しかし、今は・・・一人だ。
1つレベルが上がったとはいえ、とても貧弱な身体のままだった。
何か下手を打つとあっという間に死んでしまうだろう。
そのため、曲がり角1つですら、とてつもない、恐怖と緊張を伴うものがあった。
最初の曲がり角では、これでもかというくらい慎重に隠れている敵モンスターがいないかどうかを確認し、さらに自分の体が見えないように回り込んだ。
それだけでなく、壁や天井もくまなく確認し、罠が仕掛けられていないかも念入りに調べた。
今の自分に時間はたっぷりある。
だから、1つの角を曲がるのに余裕で30分くらいの時間をかけた。
絶対に死なないようにと、とてつもなくゆっくり進んだ。
2つ目の曲がり角、3つ目の曲がり角と同じように時間をかけて進んだ。
しかし、なぜかまったく他のモンスターに出くわすこともなく、洞窟の大きさや見通しは特に変わることなく続いていた。
ヒカリゴケによる穏やかな光が、変わらずに自分を照らしていた。
まるで、この先も同じようにモンスターはいないよとでも言っているかのようだった。
慎重に調べるといった緊張が続いていたせいもあり、精神的な疲労が重なってきた。
精神的な疲労と慣れない探索により、恐怖と緊張も知らないうちに少しづつ緩んでしまっていたみたいだった。
そして、4つ目の曲がり角が見えた。
おお、洞窟の出口がある。
ついに、この洞窟の外に出れる。
いけない・・・慎重に・・・慎重に・・・。
新しい場所にでる・・・・探索して、新しい何かに触れられると考えるとワクワクしてきた。
しかし、期待したのは洞窟の外の世界だったが、この場所から見える出口の先は少し大き目の洞窟につながっていただけだった。
はぁ~、外の世界じゃないか。
でも、あのキラキラと輝く場所は蜃気楼じゃないよな。
うん、間違いない、あれは水辺だ。
やっぱりあったよ。
近くに水辺がないとおかしいもんね。
目的の場所が、思いの外近くにあったことで、何故かほっとして気を緩めてしまっていた。
ここまでの道のりに外敵の侵入もなかったことで、拠点に選んで正解だったと独り納得してノリノリでいた。
そして出口が見えたことと、水辺を発見したことで、完全に気がゆるんでしまっていたことに気づかず、これまでの慎重さを忘れて、安易に4つ目の曲がり角をふらっと進んでしまった。
そうして頭を差し込んだ直後に、曲がり角の内側に今までにない存在があるのに気がついた自分はとっさに頭を後ろに引いた。
しかし、急な動きだったこともあり、頭を強く引きすぎていたようだ。
その事で、自分んは盛大に後ろに転がってしまった。
だが、次の瞬間、そのことが幸いしたことに気がついた。
バリバリドーン!
転がる前に胴体があった場所が破壊されて、破片が飛び散っていた。
あわてて、体制を整えて、次の攻撃に備えると同時に、その場所にいた存在が何者かを確認した。
砂煙の中、そこにいたのは、スライムだった。
ええええええええええ!
スライムってあんな強い攻撃力あったのか!
いや、そうではなく、こっちが弱いのかーーー!
いやぁーーー、ゲームの中のスライムはあんなに強くなかったはず・・・雑魚キャラのはずなのに・・・。
そんなことを考えていると、スライムが次の攻撃をしようとしている様子が見えた。
やばい、やばい、あんな攻撃受けたらすぐに死んじゃう!?
一撃じゃない!?
やばい、逃げなきゃ。
でも、逃げても追い詰められたら、それこそおしまいだ!
どうする!?
ビュシューーーーン!
スライムから、水の塊がものすごい勢いで自分に向かってきていた。
下がるなっ・・・とにかく前に行くんだ!
そして、水の塊をよけるように、前方にジャンプした!
水の塊を無事によけることができたが、着地しても勢いが止まらずそのまま前方に転がっていった。
何とか体制を整え、スライムのほうを見ると、自分がさっきいた場所で、まだ自分を探していた。
今だ!!!
再度スライムの後ろに向かってとびかかり、噛みついて、そのまま巻き付きで締め上げた。
パシュッ!
はじけるような音とともに、スライムが絶命する。
初めての戦闘で何とか勝利を収めることができた。
・・・・安堵した。
【レベルが1上がり2になりました】
【巻き付きがランク2になりました】
いつものメッセージが流れてきた。相変わらず、急に流れてくるので驚かされてしまう。
「あっ、今レベルが上がった。30分後には睡魔が襲ってくる、残念だが今日の探索はここまでだな」
そう考えていると、洞窟の入り口から、2匹のスライムがこちらにものすごいスピードで進んできた。
やばい、時間が足りない・・・・死んだ!!
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