34 閑話 ギィちゃんの思い出!
私の名前はギィ、
ギィギィなくから「ギィ」という名前を付けられた。
ある日、目が覚めたら真っ暗だった。
すると突然大きく揺れだして、明かりが入ってきた。
そこには、何か大きな生き物がいた。
「あなたは誰?」
そう訊ねてみた。
「はいっ?!」
「ここはどこなの?」
質問をしてみた。
「あ~~~、おまえ、しゃべれないのな?」
大きな生き物は変なことを言っている。
「しゃべれるよ」
そう答えて、返事待ってみた。
「おまえの種族はなんだ?」
やっぱり、話しかけても、会話ができないことがわかった。
「あなたとは会話ができないよ」
もしかしたら、伝わるかもしれないと思い、答えてみた。
「ギィ、お前はこれからどうするんだ?」
やっぱり、伝わらない。
「決まってない」
私はまじめなので、一応返事をしてみた。
「決まってないって言ってるように思えるな。あってるかどうかわからないけど・・・。とにかく、自分は、今、とっても疲れているんだ。だから、住処の洞窟に帰るぞ!いいか!」
あっ、なんでかわからないけど、話が通じている。
「いいよ。わかった」
しつこく、返事をしたら、もしかして、会話ができるかもしれない。
そう思って、返事をしてみた。
すると、大きな生き物は勝手に進みだしていった。
どんどん、勝手に進んでいくので、だんだん、大きな生き物と自分との距離が広がっていった。
このままだと、置いて行かれる。
「まって~、ねえ~、まってよ~、ちょっと~」
どんどん先に進んでいくので、呼びかけてみたが、こちらにまったく気づかない。
しかなたく、あきらめようとした。
「う~ん!、ごめん、ごめん!」
自分に気が付いて、戻ってきてくれた。
よかった~と思っていたら、急に体を尻尾でつかまれた。
びっくりしていやがったけど、最後は無理やり、体の上に乗せられた。
でも体の上は、見晴らしがよくて、スピードも早く
「すごい、すごい、早くて、気持ちいいよ」
こうして、師匠と出会った。
これが師匠との出会いであった。
それから、師匠には色々と教えてもらった。
緑エノキを食べて、
一緒に寝て、
体を動かして、
戦いの方法を教えてくれた。
そういえば、初めてのスライムとの闘いの時、スライムの水弾丸を食らって死にかけたことがあった。
その時の師匠は、とても必死な感じで叫んでいた。
「・・・・・・・・・・・・いてくれ、お願いだから動いて!ギィ!ィィィィィッ、動いてくれよーーーー!ぼいっ、ギィ!いぎでだっ・・いぎでだのが~ひっく!」
この時は水がいっぱい流れてきて、溺れそうになったので
「おぼれちゃうよ~」って答えたら
笑ってた。
その後、ぎゅ~ってされて
目が覚めると、口の中に何かを入れられた。
だけど、その次の日から、師匠の訓練が厳しくなったんだ。
とてもきつかった。
そして、スライムを初めて完全に倒した時は、ダンスを教えてもらった。
うまくなろうとして、何回もやってたら、嬉しそうにしていたので、少しアレンジしてみた。
そしたら、少しびっくりしていた。
闘いを続けていると、少しづつ強くなっているのがわかった。
でも、戦う相手はスライムか毒蝶々ばかりだった。
ファイヤーボールの魔法が使えるようになったころに、自分と同じくらいの大きさのありんこを師匠が連れてきた。
スライムや毒蝶々とは、余裕で戦えていたのに、このありんこには普通の攻撃では歯が立たなかった。
必死で戦った後、最後はギリギリ勝つことができた。
勝負がついた後、ありんこは私に、ゆっくりとした声で話しかけてきた。
「最後にあなたに会えてよかったわ。とどめを刺しなさい」
自分は遊びだと思っていたのに、そんなのことを言われ驚いていた。
HP回復の緑エノキを食べて、元気になってもらおうと思った。
そうしたら、友達になってくれるかもしれない。
そう思って、緑エノキを取りにいった。
ありんこは食べた後に、少し元気になった。
せっかく元気になったのに、師匠はありんこにとどめを刺そうとしていた。
私は師匠とありんこの間に入って、一生懸命にお願いした。
「自分の正面で背中を向けて座らせてみろ」
よくわからないが、師匠の前で後ろ向きに座るだけで、死なずに済むからと、ありんこを説得した。
「負けた以上はあなたに従うわ」
そう言って、師匠の前で後ろ向きに座ってもらった。
師匠は、すぐに仲間にしちゃった。
そして、その後すぐ、「アリス」って名前まで付けるので、2人で驚いてしまった。
おかげで、初めてのお友達のアリスちゃんができて、楽しくお話しをすることが出来た。
初めてのお友達のアリスちゃん、とってもやさしい子だった。
「ねえ、アリス、好きな食べ物って何なの?」
「え~とね!、女王様のあり蜜が好きですの」
「ぎぃちゃんは食べたことありませんの?」
「ないよ?」
「と~てもおいしんですのよ!、今度女王様に頼んであげますの?」
「あっ、でも、メーベル女王様のこと裏切ってしまったんでしたわ・・・無理かも・・・、ごめんなさいね!」
「いいよ、しかたないもん!」
そんな、他愛もないお話をしていたら、急に師匠から声をかけられて、気絶するかと思った。
うれしすぎて、師匠の名を何度も何度も呼んでみた。
「師匠!、師匠!、師匠!、話が出来るよぉ~、うれしいよぉ~、師匠!」
そういえば、アリスちゃんのお話も驚いた。
アリスちゃんは、お姫様で、メーベル女王様と休戦協定を結ぶって言い出した。
そして、休戦協定を結ぶ為に、3人は隠れ洞窟に行くことになった。
アリスちゃんのお友達と仲良くなれるのかなと思った。
けれど、師匠は隠れ洞窟についてからは、えらい人たちといつも難しい話をしていた。
アリスちゃんも同じように、難しい話をしているので、最近は少し独りぼっちのような気がしていた。
ありんこ達との戦いをしなくなったけど、こうもり達と戦うことになった。
闘いの中、ありんこ達が危険な状態になり、師匠から助けるように言われたので、がんばって早く走ったら、師匠に褒められた。
とてもうれしかった。
こうもり達との戦い2日目は、急にお休みになって、暇になった。
だから、明日は一日早く走るのを練習する事に決めた。
この世界に生まれて、師匠とアリスとであって、今までの事を考えながら、明日は速く走る練習をしないといけないと思いながら、師匠の横で一緒に眠りについた。




