表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
223/238

223 (sideギィ)ファイヤーアロー

スノウラビット族 アンデス (衛兵隊長:白熊討伐派)

 レニーエスちゃんはどうしたのかな!?。

 アンデスには会えたのかな!?。

 それとも、まだ、探しているのかな!?


 ・・・・ああ、お腹すいたぁ。


 ギィは洞窟の真ん中で、穴の開いた場所から入ってくるわずかな明かりを見ながら寝ころんでいた。1日いたが、付近の気配には誰も引っかかることなく静かなものだった。


 そんな状況もあり、この場所に来るのはアンデスがレニーエスしかいないだろうとギィは完全に何とかするのをあきらめていた。


 ただ、レニーエスちゃんは友達だが、こんなところに閉じ込めたアンデスは許してあげないと若干の闘志を燃やしていた。


 それにしても・・・・・お腹すいたなぁ。


 何もしていないと、なぜだかお腹がすいたこと以外に考えられなかった。


 ああ、暇だな。

 何かすることないかな。


 そうだ!

 魔法の練習してみようっ!


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!


 ファイヤーショットはギィの使える炎属性魔法の一つだった。ファイヤーボールよりも攻撃力は落ちるが、3連続で発射できるうえ、スピードもファイヤーボールよりも早かった。


 しかし、速さがあるといっても、スノウキャット族の魔法に比べるとスピードは非常に遅いというのはわかっていた。


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!

「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!


 あ~あぁ。

 何回やっても、スピードは遅いよなぁ。

 あの白い敵の魔法はこの何倍も速かったから、これくらいのスピードじゃあ完全に避けられるしなぁ。


 そう言えば・・・・このファイヤーショットはなんで出来るようになったんだっけかっ!


 ギィはどうしてこのファイヤーショットが打てるようになったのか思い出してみた。


 いつだったかなぁ。

 う~ん。


 そうだっ、思い出した。


 あれは、ラージバットと対戦で、師匠のウインドカッターが速くてカッコよかったから、ファイヤーボールであのくらい早く魔法が打てたらいいなって思ったら打てたやつじゃん。


 突然、撃てるようになって・・・そしたら、なんだか、頭の中に突然名前が浮かんできて・・・。


 あ~あぁ。

 また、今回も同じように、ファイヤーショットをもっと早く飛ばすことは出来ないのかな。


 ギィは早く飛べと思いながら、ファイヤーショットを打ってみた。


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!

「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!


 う~ん。

 変わんないな。


 あの白い敵の魔法はでかくないんだけど早かったんだよなぁ。

 それに細かったかも・・・。

 一発一発は何とかなるんだけど、遠くから連続で撃たれたからどうにもならなかったんだ。


 俺のファイヤーショットも同じように出来たらいいのになぁ。


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!

「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!

「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼゎ~っしゅ!


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼっしゅ!


 あれっ!

 今なんか早かった気がするんだけど・・・。


「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼっしゅ!

「ファイヤーーーショットッ!」

 ぼっしゅ!


 おおっ~。

 速い、速いぞ。

 いいなこれ。

 これなら、いけるかも・・・いや、もっと早く出来るかな。


 あの白い敵の魔法みたいに、炎を細くして、早く打つんだ。


 ギィが炎を細くしようとイメージすると、ギィの目の前にファイヤーボールが現れて、それが次第に細長くなっていった。そして、それをさらに細く細くとイメージを続けるとなんだか、赤ラインドブネズミが打ってきた白とげみたいに細くなった。


 ギィは何だかワクワクしながら、この魔法がどうなるのかイメージし続けた。


 そして、これ以上細くできないというところまで来て、それを早いスピードで発射できるようにイメージをさらに膨らませた。


 そして、これ以上は無理かなと思うところで細長いファイヤーボールを打ってみた。


「ファイヤーアロー!」

 しゅっ!


 頭の中に突然魔法の文字が浮かんできたのでそれをそのまま声に出してみた。

 すると、細長いファイヤーボールいやファイヤーアローはかなり高速で発射された。

 白い敵の魔法ほど早くはなかったが、それでも、これまでで最も早く発射することが出来たのには驚いた。


 やったぁ。

 新しい魔法だよ。

 師匠やアリスちゃんに見せたら驚くかな!

 早く見せたいな。


 でも、この魔法が連続で飛ばせたら、もっとすごいかも。


 ギィの戦闘に関する想像力は、身体能力に負けないほど優秀だった。

 普段のギィからは考えられないような想像力だった。


 こうして、ギィは最終的に3本のファイヤーアローを横に並べて、並んだ3つの的に当てることが出来るようになっていた。しかも、3回まで連続で飛ばすことが出来た。


 この洞窟の中では威力迄はわからなかったが、最大9本の炎の矢が飛ばせることは、このラクーン大洞窟地下2階ではかなりのアドバンテージになるのだか・・・・今のギィには想像もできなかった。


 師匠やアリスちゃんに見せて、驚いている姿を想像してニタニタしていると、穴の上からアンデス姿が見えた。


 気配察知があるのに、ニタニタしすぎてアンデスが近づいて来ていることに気づかなかったギィだった。

読んでいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ