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192 (sideギィ)挟撃の完成!?

東京で緊急事態宣言が出ました。

コロナ怖いです。


ギィとアリスの話に戻ります。

今回はギィです。

ギィ頑張れ!

 やっと師匠から連絡がはいったよぉ。


 でも、師匠はさすがだなぁ。あの白熊を何とかしたんだ! 


 バァファゥッ!バァファゥッ!


 うわぉおっ!安心している場合じゃなかったよぉ。


 離れた2か所から、白い敵からの攻撃がとんできた。一方は先ほどと同じ後ろからと特定できていたが、もう一方からの攻撃はよくわからなかった。


 だいたい片方の白い敵のいる場所はわかっているもんね。


 それにもう一方も何となくだけど、きっと反対側からの攻撃に違いないよ。


 ギィは周囲を見回して確認したが白い敵の姿を特定することは出来ていなかった。それでも、はっきりとは分からないが大体挟撃されているんだろうと想像していた。


 おそらく、後ろの敵から自分の姿を隠しても、もう一方にいる敵が自分の場所を教えているんだろうなぁ。


 う~ん。どうしよう。


 とにかく、白い敵から距離をとることで、直撃を避けることはできているんだけどぉ・・・。


 でも、こっち側に逃げても大丈夫かなぁ。


 白い敵はきっと2方向から挟み込み、何らかの情報伝達を行って連絡を取っているに違いない。そうすると、いくら巨大杉を使って身を隠しても、すぐに場所を特定されてしまうと考えた。


 そのため、ギィは白い敵の挟撃を避けるように蛇行し、どう対応すればいいか考えながら逃げていた。


 なんとか白い敵の攻撃が当たることはなかったが、進んでいる方向が、師匠の話していた道に近づいているのか、それとも離れていっているのか全く分からなかった。


 そんな不安を感じながら周囲を見ていた。必死で逃げながらも、まわりに意識を向けると周囲に降ってきていた雪の量も増えていた。それだけでなく、周囲の薄暗さもどんどん進んでいて、結果心細さだけが増していた。


 ただ、少し安心できたのは暴風雪ではなかったので、あの白熊に襲われることはないと何となく感じていた。


「師匠ぉ~、アリスちゃ~ん」


 ラッシュウォークで蛇行しながら、聞こえるはずもないのに呼びかけていた。


 このまま逃げていてもどうしようもないし、どうしたらいいのかなぁ。


 ギィは周りを見ながら何かいい方法がないかを探していた。


 逃げながらも、後ろからの攻撃は何時まで経っても止まらずにやってきていた。


 それでも前後から受けていた攻撃がいつの間にか、横側からと、後ろ側からになっていた。これは、少しではあるが、攻撃される位置が変わってきていたということだった。


 あれ!? 


 もしかして、自分の方が移動スピードがちょっとばかし速いんじゃないの。


 やるな私の足!!


 ・・・っていうか、それより何時まで、追ってくるんだよ。


 これだけ逃げているんだから、いい加減あきらめてくれればいいのにぃ~。


 ギィは後ろから追いかけてくる敵のしつこさに嫌気がさしていた。


 そんなことを思いながら、後ろから飛んでくる攻撃を避けながら必死で逃げ続けた。白い敵から追いつかれることはないが、それほど離すことも出来ていなかった。


 えっ。何ッ!


 後ろばかりに意識を持ちすぎていた為、気がつかなかったが、突然正面から何らかの気配を感じた。


 そのため正面をよく見ると、複数の白い敵が集団で向かっていることに気がついた。


 くっそぉ!後ろばかりに気を取られすぎていて、正面にいる敵に気がつかなかったよぉ。


 とにかく、隠れなきゃっ!


 って、もう、間に合わないっ!!


 正面から複数の敵から攻撃魔法がとんでくると思い。ギィは側にあった巨大杉に近づいて攻撃に備えた。


 このまま登って逃げる!?いや、無理だ。


 白い敵は正確な高速の魔法で攻撃してくる。このまま、この木を登っても狙い撃ちされておしまいだよ。


 師匠ぉぉおお!まだ、ここは早かったっすかね。


 敵が、強すぎっすよぉ。


 こうなったら、とにかく一矢報いてやるしかないっす。


「くっそぉ!かかってこ~いっ!」


 ギィは死を覚悟していた。それでも反撃できるように正面の敵に構えて攻撃が来るのを待った。白い敵は高速の魔法を撃ってくるので、とりあえず後ろの白い敵からは巨大杉でよけるようにして正面の敵からの攻撃を待った。


 しかし、何時まで経っても、正面の敵からは魔法が飛んでこなかった。でも、白い敵は近づいて来ている。


 それなら、こちらから攻撃をするまでだよね。


 ギィはファイヤーボールを2連射した。


 ぼゎ~!ぼゎ~!


 そして、そのファイヤーボールの後ろから直接攻撃をするために正面の白い敵に向かって行った。


「ただでは死ねないからねっ。これでも食らえぇっ!」


 正面の白い敵からの魔法攻撃が来ないので、ファイヤーボールで舞い上がった雪を通り抜けて正面にいるはずの敵に向かって爪剛撃を撃ち込もうと振りかぶった。


 そして、正面にいるはずの白い敵に向かってたたき込んだ。


 ・・・・はずだった。


 よく見ると、そこにいるはずの白い敵の群れが左右に分かれて後方に回っていたのだった。


 や・・やばいっ!


 後ろに回られたっ!


 この攻撃が気づかれた・・のか!?


 そうか、後ろにいた白い敵に何か合図を出されていたのか!?


 慌てて、後ろを振り向いて次の攻撃に備えようとしたが、そこにいたのは自分に背を向けている白い敵の姿だった。


 えっ!?


 なんでっ!?


 自分を攻撃してくるんじゃないの!?


 ギィは何がどうなっているのかよく分からなかった。


 ファイヤーボールを打って、その後ろから攻撃を仕掛けたと思ったら、正面にいるはずの白い敵は後ろに進んでいて、しかも、こちらを向くまでもなくそのまま進んでいる。


 後ろから追って来ていた仲間と合流する!?いや、そんなはずはない。正面の集団で攻撃するだけで簡単に挟撃の形が完成している。


 おかしぃ!?


 助けられた!?


 正面の白い敵!?はそのまま後方から追って来た白い敵に向かって攻撃を仕掛けていた。


「大丈夫ですか?」


「だれっ!」


 ぼ~と後方で行われている戦いを眺めていると、後ろから声を掛けられた。慌てて、振り向くとそこには白い敵が笑顔でギィに向かって声をかけてきていた。




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