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182 白いトラの奥の手

 瞬間移動がそんなに連続で行えるはずがないんだ!


 だから、今度はどうだ!


 水弾丸(改)網が白いトラを包むように向かって行くと、やはり体が少しぶれてすり抜けるように進んだ。


 しかし、ニードルショットは1回に10発の連射ができるレッドラインドブネズミが使った麻痺効果のあるとげだ。


 そのとげをばらまくように打ちまくった。


 今度こそっ!


 弾幕のように飛んでいく白いとげが、同じように白いトラに吸い込まれるように当たった・・・ように見えた。


 ニードルショットを前後左右そして厚みをつけて打ちまくっていたからだ。

 おかげで幅もある弾幕のように撃ち込んだため、周囲の雪に紛れてしまって見えづらくなっていた。


 自分も連続ジャンプをしているので、当たった瞬間をはっきりとは見えなかった。


 麻痺効果があるとはいえ、1発1発の威力も弱く、麻痺効果も弱い。

 それでも連続して当てていけば、そのうち効果が現れるかもしれない。


 まだ、距離も十分にあるから、少しづつ近づいてきたとしても、近づくまでに何とかなるだろう。


 よし、何とか逃げ切る為の糸口が見えてきた!


 その時、白いトラは少し走るスピードがゆるんだように見えた。


 実際、これまで少しづつ近づいて来ていたのが、一定の距離を保っていた。


 やっぱり、効果が出ているみたいだ。


 よし、今のうちだ。


 今のうちにと考えて、連続で水弾丸(改)網とニードルショットの連射を続けた。


 白いトラは近づいてくることもなく、一定の距離でよけ続けていた。

 この状態を繰り返していけば、きっと麻痺効果で逃げ切れる。


 この時、ホッとした気もちが湧き上がってきた。


 白熊との激戦からこの白いトラとの連戦でHPもMPも限界に近づいて来ていた。


 今の状態を維持できれば逃げ切れると思うが、その前に、自分のMPをもたせられるのかが少し心配になった。


 白いトラに奥の手がある可能性もあったので、自分の状況を知っておかないと考えた。


 連続で水弾丸(改)網とニードルショットの連射を続けながら、ステータス画面を出した。


 ーーーーーーーーーー

【HP】 465/3045

【MP】 692/4460(-200)

 ーーーーーーーーーー


 MPの項目・・MPの項目・・・・HPの次だ・・・MPは692かあと1割ちょっとだな。


 それでHPは465って500切ってるのか・・・。


 どちらも1割ちょっとか厳しいな。


 正直見たくなかった。


 この数字を見てしまうと、あの白いトラの攻撃をどれだけ受け切れるのか少し心配になった。


 ただ、それでも今の状態を維持するだけなら、しばらく出来るだろうと考えた。


 これは長期戦になると厳しいかもしれないな。


 出来るだけ、MPを節約するためには効率よくニードルショットを当てていかないといけない。


 危険だが少しあの白いトラと距離を詰めるしかないか。


 白いトラに避けさせる為の時間を減らすことで効率よくニードルショットを当てることにした。


 今の状態が続けられるなら大丈夫だろうと白いトラの奥の手がある可能性もあったが、今はそんなことを言っていられないと考えた。


 そして、スピードを少し緩めようしたと同時に、白いトラの体から薄緑色の光が揺らいで見えた。


 まて、まて・・・あれは、やばいやつじゃないのか!?


 でかドブネズミ戦で見たでかドブネズミが狂暴化した時に見せた光に似ていた。


 くそぉ、やっぱり奥の手を隠してやがったのか・・・まあ、それだけ、あいつも追い詰められているということに違いない。


 しかし、・・・・。


 たかだか、えさを盗んだくらいでそんなに怒ることないじゃないかぁ。


 理不尽に追いかけてくる白いトラに不満を漏らしながらもどうにかして逃げる手段を考えた。


 もしも、近距離で攻撃を受けたとしたら、何発くらい受けられるのか。


 考えただけでも、恐ろしく感じた。


 白いトラから出てくる薄緑色の光は少しづつその色が濃ゆくなってきて、白いトラの周囲をだんだんと覆っていた。


 やばい、やばい・・・やばい・・・ちょっと待ってくれ。


 こんな状態で距離を詰めるなんてとんでもない。

 すこしでも、距離を開けることに力を使わないとだめだ。


 しかし、今の自分にスピードを上げる方法はない。


 出来るのは、変わらずに連続で水弾丸(改)網とニードルショットの連射を続けるだけだ。


 しかし、白いトラの薄緑色のもやが何をもたらすのかはまだ現れていなかった。


 必死で、逃げながら第3の目で白いトラの様子を観察していた。


 そんな時に、背中に乗っている2匹のウサギ達が目を覚まそうとしていた。


 おい、おい、おい今大事な時なんだから、目を覚まして邪魔しないでくれよぉ・・・。


 なんで、こんな時にウサギ達は目を覚ますんだ。


 折角命を助けたのに、このせいで自分の命がやばいって時に邪魔しないでくれと必死で祈っていた。


 目を覚ましたウサギ達は状況が分からずに、まわりをキョロキョロして確認していた。


 最初は後ろから襲ってくる狂気の形相の白いトラそして、自分達は巨大な蛇の上で運ばれていて、側にはその蛇の顔が近くにあった。


 そして、ウサギ達は2匹で顔を合わせた後に、状況を理解したように見えた。


 後ろから鬼のような形相で追いかけてくる白いトラに連続で水弾丸(改)網とニードルショットの連射しながら、2匹のウサギ達がどうするかを気にしていた。

最後までお読みいただきありがとう存じます。

楽しんでいただけたかしら。

もしよければ、ブックマーク登録と★★★★★をチェックしていただけると嬉しく思いますの。

どうかよろしくお願いいたしますわ。(礼)

アリスからのお願いですの。

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