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172 (sideギィ)アリスちゃんじゃなくて・・・影!?

 う~ん。むにゃむにゃ。ふぅわあ~ああぁぁぁああああ~ふぅぅ。

 あっ。寝てた。

 え~と、あれっ・・・そうだアリスちゃん?


 ギィは目を覚まして周囲を見回した。


 すると体の上にかぶさった落ち葉などが崩れるようにこぼれていった。


 うっうわっ、なんだ背中にっ!

 あっ、そうかアリスちゃんが体が冷えないようにしてくれていたんだ。

 アリスちゃんありがとうね!


 それにしても、アリスちゃんはどこに行ったんだろう?


 ギィは体のうえに残っていた落ち葉や雪を揺さぶり落としてアリスの姿を探した。


 また、あの木の根を探しに行っているのかな!?

 あっ、そういえば、師匠はどうなっているんだろう?


 いつの間にか眠ってしまって、もしかすると、もう師匠の戦いはもう終わっているのかもしれないと戦っていた方を見た。


 まだ、終わっていない。


 師匠の戦っている方の暴風雪はいまだに勢いが衰える雰囲気はなかった。


 なら、そんなに長く寝ていたわけじゃないのかな。

 そうすると、アリスちゃんはどうしていないんだろう。

 木の根を探す位で、それほど遠くへ行くはずがないと思うんだけど・・・。


 それに、もしも、師匠に何かあれば眠っている自分をアリスがそのままにしていくわけはないと思っていた。


 ギィはアリスを探そうと思い、その場から歩き出すことにした。


 まわりを状況を確認しようと思い、休んでいた場所から左側を見るとそこには大きな道が見えた。雪がちらほら舞っていたが、ここから見える道はまだ明かるく行き先を示していた。


 そして、正面に師匠の戦っている場所を通り越して、右側を見ると、少し薄ぐらくなっていてパラパラと雪が降っていた。

 暗がりのせいなのか、雪のせいなのかわからないが、奥の方までは見えなくなっていた。


 ギィは右側を見た時に気づいた雪に、別の子猿がやってきたのかと警戒したが、強い風が吹いていないことからそれは違うと考えた。


 えっ何!?


 突然、ギィは右側の薄暗がりの中から、自分に向かっている気配を感じた。


「アリスちゃん?・・・・・そこにいるのはアリスちゃんなの!?」


 アリスかと思ったが何やらちがう感じの気配だった。 


 少し嫌な感じがする・・・・。


 でも、こちらに向かってきているので、それならもしかしたらアリスかもしれないとも思った。


「木の根を探してきてくれたの?」


 最初にアリスを呼んだにもかかわらず、返事がなかったため、ここまでくれば少し怪しいと思った。もしも敵だった場合に、気づいていない振りをしておけば少しだけ有利になるかもと普通に呼びかけてみた。


 念の為に皮鎧とラッシュウォークをかけて何が起きても対応できるようにしていた。

 そして、頭を動かさずにゆっくりと体の傷について意識をしてみた。


 体の傷はかなり回復していると感じていた。


 大きな傷が治っているわけではなかったがほどんとが小さくなっていたので、これくらいなら普通に戦闘状態になっても大丈夫と確認も済ませた。


 そして、薄暗がりの中、目を凝らしてみると、はっきりと見えたわけではなかったが、何かの影があることに気がついた。


 攻撃を仕掛けて来たわけではなかったので、いきなり攻撃するのはどうすべきか悩んでいた。


 するとこちらに向かって来た影は、突然、木の裏に入って姿が見えなくなった。


「アリスちゃんがいないから探さないといけないこんな時に・・・なんで来るんだよ。それに、白熊にやられてかなりイライラしているんだけど・・・」


 ギィはつぶやきながら、完全に攻撃を仕掛ける気でいっぱいだった。


「1対1なら待っているのは性にあわないから、行っちゃうよ!!」


 ギィはその場を飛び出した。


 ラッシュウォークはかけていたので、影が消えた場所に向かって一気に距離を縮めた。全速力で走り抜けて木の裏にたどりついた。


 しかし、そこには影はいなかった。


「いない!どこ!?」


 ギィは木の裏から周囲を探した。


「移動中に木の外に動いた感じはしなかったんだけど・・・」


 ギィは見落としたのかと思って、もう一度ゆっくりと回りを見ようとした。


 しかし、嫌な気配はすぐ近くにあるのが分かった。


 ギィはよくわからないが、本能的に危険と感じて、その場所から後ろ向きに飛び退いた。


 着地した瞬間に周りを確認しようと顔を上げようとすると、後ろから何か強烈な攻撃を受けた。


 うゎぁああっ!

 なんだっ!


 攻撃の手段が何だったのか分からないが、確かめようと思って後ろを振り向こうとした。・・・が、振り向くのはとどまった。


 それは正面に白い獣が爪を地面に叩き込んでいた姿が見えたのだ。


 やばかったぁ。頭上からあんなの食らったら、本当、やばかったぁ。


 だけど、逆にチャンスだ!


 後ろからの攻撃が気になったが、今正面の敵に攻撃を仕掛けないと何となくまずいと考えた。


「爪剛撃!」


 ギィは強力な魔法攻撃で左右の爪を正面の敵に叩き込んだ。


 よしっ!とりあえず1匹は仕留めた・・・・。


 ・・・痛っ。


 しかし、仕留めたと思った瞬間、後ろから先ほどと同じような強烈な攻撃を受けたことで、状況に混乱が生じた。

 そして、ふっと我に返って、残念ながら攻撃を当てることが出来てはいなかったことに気がついた。


 とにかくやばいっ。逃げなきゃ。


 ギィは後ろの敵を確認する間もなく、とにかく木の後ろに隠れる為に逃げるように前に進んだ。そして、木を通り越してすぐに、尻尾を巨木に絡めて方向転換をした。


「痛いなぁ。せっかく体力回復したのにぃ」


 ギィは背中の辺りに当たった傷をみてくやしがっていた。


 それにしても、一匹だとおもっていたのに、他にも仲間がいたんだ。

 全部で何体いるんだろう!?


 ・・・どうしよう。


 このまま、ここにいたら仲間が増えて囲まれちゃうかもしれない。


 アリスちゃんはどこに行ったんだよぉ~。

読んでいただきありがとうございます。

ブックマークもありがとうございます。


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