表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
171/238

171 (sideアリス)アリスと3体のスノウキャット

 どうしてスノウキャットが集団戦を行っているの!


 アリスは少し混乱していた。


 そもそも、集団戦闘をするのはスノウラビットと学んでいた。


 しかし、実際はスノウキャットが集団で迫っている。


 どうしましょう!2体のスノウキャットすぐそこまで・・・


 普通通り単独で活動するのか・・・。

 それとも、集団でスノウラビットと同じように狩りを行うのか・・・。


 とにかく逃げながら考えますわ。


 アリスは近づいてくるスノウキャットと距離をとることにした。


 スノウキャットは動きが早い。このまま逃げてもすぐに追いつかれてしまう。


 ゆっくり考えている時間はない。


「どうしましょう?

 すぐにでも攻撃しないといけませんわ。

 う~ん」


 アリスはどうすべきか考えていた。

 この場所からは2体のスノウキャットがギィのいる場所の間にいる。

 だから、ギィのいる場所に戻ることはできない。


 1対3完全に不利な状況だ。


 まずいですわね。

 ほとんど囲まれてしまっていますわ。


 ・・・あっ、でも、まだ完全に囲まれているわけではありませんわ。


 左正面のスノウキャットはまだ1体だ。


 今から奇襲をかければ何とかなるかも!

 正面の1対を倒してから次を考えればいいですわね!


 正面の敵は自分の麻痺弾で動きが低下している。

 囲まれる前には勝てるかもと考えた。


 アリスは速度を上げて、一気に左正面にいるスノウキャットに近づいた。


「パラライズニードルっ!!」


 麻痺弾で多少動きが遅くなっていたので確実に撃ち込めた。


 これで動きが止まるはずですわね。


 アリスはパラライズニードルを撃ち込むと、スノウキャットを蹴り上げて距離をとった。


「お二人では間に合いませんわよ。ごめんあそばせ!」


 後方の2体を確認したが、自分を包囲したと思って安心していたようだ。


 今さら動き出しても遅いですわね。

 ほほほっ。


 アリスは噛み付きでスノウキャットの首に鋭い2本の牙が突き刺さった。


 その後、周囲にある雪が瞬時に赤く染まった。


 正面の敵から追撃がないのを確認して、後ろから向かってきている2体に焦点を当てた。


 そして、さらに2体のスノウキャットの先のギィがどうなっているか確認した。


 もしかすると、この戦いでギィが目を覚ましてくれるかと思っていたが、全く動いている様子が見られなかった。


「ギィちゃん。ゆっくり寝すぎではありませんの。目を覚ましてよ。お願い!」


 ・・・・・この距離では声は届くはずがない。


 1対のスノウキャットを倒したことで、後方から来ている2体のスピードが上がったように感じた。


 早くなりましたわね。

 このまま挟撃されると困りますわ。

 それなら・・・。


 スノウキャットは移動するスピードが速く、速度のある魔法で攻撃してくる。


 アリスはとにかく距離をとることを優先して走り続けていた。


「ギィちゃんお願い・・・目を覚まして・・・」


 2対1でも、ギィちゃんが目を覚ませば2対2となり戦闘に余裕が生まれる。


 ・・・・・しかし、一向に目を覚ます気配はなかった。


 スノウキャットは向かってきているように見えても、その姿は常に木の陰に入ることを優先させていた。


 私の麻酔弾を警戒しているのですね。

 木が邪魔になって打つことが出来ませんわ。


 アリスは麻痺弾をとばそうと狙おうとしても木の陰では打つことはできなかった。


 何!?広がっていますの!?

 2対1ではなくて、挟撃!?


 スノウキャットが近づいてくるにつれて広がりながら動いているように見えた。


 アリスは挟撃してくれば、先ほどのスノウキャットと同じように倒せると考えた。


 ・・・違う!

 挟撃しながら同時攻撃を仕掛ける気なのかも!


 アリスは慌てていた。


 同時に挟撃されると逃げることを優先させないといけない。


 そうすると、時間をかければ負けるのはこっちの方。


 捨て身の攻撃・・・・どちらかが倒されても攻撃を当てられればいいって考えているの!?

 ・・・あっ、でも、距離をとりながら攻撃されたら・・・・。


 アリスは挟撃されるのだけは回避しないとと考えた。


 アリスが今いる場所は左に進むと道につながり、右に進むとギィのいる場所には近づくが森の中に入り込んでしまう。


 ギィと合流する方がよかったが、スノウキャットの間を縫って進む必要があった。


 ギィちゃんと合流したかったけど、仕方ありませんわね。


 アリスは左の大きな道がある方に進むことに決めた。


 左に進めば、スノウキャットと一直線になりますわね。


 スノウキャットの内、1体がアリスを挟み込むために広がっていた。


 ならば、広がっていない1体の方に進めば1直線になると考えた。


 まあ、相手も無能ではないのですぐに対応してくるだろう。

 でも遠くの1体が離れている間に麻痺弾を撃ち込めば何とかなるかも


 移動スピードはほぼ互角だったので、アリスが回り込むことで、攻撃チャンスが生まれた。


 直線にはならなかったけれど、それでも、奥のスノウキャットからは十分な距離があると考えた。


 いきますわよ。


 麻痺・・・


 キラッ!バシュゥッ!!


 ・・・うっゎああ。


 アリスは麻痺弾を撃ち込もうとした瞬間に何か光るものが飛んできてそれが直撃して跳ね飛ばされた。


 強烈な痛みがあったが、そのままではいけないと思って、すぐに立ち上がり移動を始めた。


「何!何!何!あのスピードは速すぎますわよ」


 全速力で走って逃げていた。


 先ほどの攻撃の光景を思い出していた。


 アリスが攻撃をしようとした時、スノウキャットの口が開いた。


 と思った瞬間、何かキラキラと輝くものが自分の方に飛んできた。


 そして、それはあっという間にアリスの胸に突き刺さったのだった。


 スノウキャットの魔法だった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


ブックマークや★★★★★をチェックしていただければ励みになりますので、

どうかよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ