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168 (sideアリス&ギィ)森の中の道

 side:~~~ギィ・アリス~~~


『今だギィ!自分がカバーに入るから今のうちにアリスの所へ行くんだ!』

『”通信”はいっす。でも、悔しいっす!』


 師匠の魔法攻撃が白熊にきまった。

 白熊は少し怯んでそのまま吹雪の中にさがって行った。


 いまだっ!


 ギィは白熊が吹雪に隠れるタイミングに合わせて、ラッシュウォークで一気にその場を離れた。


 あ~あ、力負けしちゃった。


 白熊のデカい爪に自分の爪を合わせるタイミングはよかったんだけどなぁ。


 もう少し強くなったら攻撃できるかな。


 でも、かなり攻撃を受けて体中傷だらけになっちゃって痛いな。


 すんません後は師匠!お願いしやっすね!


 ギィは白熊にはさんざん痛めつけられたので、1撃だけでも仕返しがしたかった。


 それで、かなり気合を入れて魔法爪である爪剛撃で攻撃を加えたのに・・・。

 結果は完全に力負けしていたのだ。


 ギィは我慢していたはずなのに涙が流れてきた。


 それでも今しないといけないことはアリスを探すことだったので、師匠に言われた通りに周囲を見ながらまっすぐに進んだ。


 アリスちゃんは何処かな?


 こっちの方にいるはずなんだけど・・・・。


 巨大な杉の木が立ち並んでいる森の中とは言っても、1本1本の距離があったのでギィからすると時々木がある場所みたいな感じだった。


「あっ、いた!」


 キョロキョロしながらアリスを探していたら、木の側でしゃがんでいるアリスを発見した。


 風と雪があまりない場所に居たので、すぐに見つけることが出来た。


 アリスが見つかったので、そこからギィは少しスピードを上げた。


 傷による痛みが少し出てきたが、アリスとの合流を急いだ。


 白熊に何もできなくてもやもやしていたので、アリスに合えば気分が晴れるかと思っていたのだ。


 そうとは知らないアリスはギィがとても勢いよく走ってきたので、大した状況ではなかったと思い安心していた。


「アリスちゃ~ん!」

「ギィちゃん!大丈夫でしたの?」


 アリスはギィの姿が見えたので普通に声をかけた。


 しかし、ギィが近づくにつれて、体中のケガが見えた。


 ギィの後ろには赤い出血で道が出来るほどだった。


「ちょっ!ちょっとギィちゃん。その傷は大丈夫ですの!?」

「うん、大丈夫だよ。でも、かなり痛いかな」

「そんなに傷だらけになって、あそこにいた敵はそんなに強かったですの?」


 ギィの顔が少しだけ悔しそうな表情に変わった。


「うん、強かった。一人でいた時は、相手の攻撃がどこから来るか分からなかったんだ」

「そうすると敵のスピードがギィちゃんよりもかなり速かったって事ですわね」


 アリスはギィのスピードを知っていたので、やはり地下2階になるとモンスターのスピードも格段に上がるのかもしれないと考えた。


 それにしても、ギィが何もできずに攻撃を食らっただけなんて・・・。

 スピードのない自分では全く勝ち目はないかもしれない。


 でも、もしかしたら、それだけではない何かがあるのかも・・・。


 アリスが考え込んでいると、ギィは近づいて話を続けた。


「攻撃してきた敵の事を師匠が言っていたんだけど白熊っていうみたい。それで、その白熊は攻撃と退却のスピードがものすごく速くて、しかも、それが連続で繰り返されるんだ」

「何体もいたって事ですの?」

「それはわからない。攻撃してくるのは1体だけなんだよ。でも、右から攻撃を受けたと思ったら、すぐに左からも攻撃を受けるんだ。師匠が助けに来てくれて、アリスちゃんのところに行けって言われて、攻撃と攻撃の合間をぬってその場を離れて、それでここまで来ることが出来たんだ」


 ギィは白熊のものすごさを、身振り手振り尻尾振りでアリスに伝えていた。

 それをアリスはゆっくりとうなずきながらギィの話を聞いていた。


「そんなに強い敵と師匠だけで戦っても大丈夫ですの?」

「師匠はあのでかドブネズミみたいに、敵の攻撃が来るのが分かるみたいだったよ。それに、なんかすごい防御できる板でよけてたもん」


 師匠の戦いはギィの予想を超えていた。


 それがギィはとてもうれしそうだった。


 アリスはギィが大丈夫と言うことに少し心配なところがあったが、師匠ならばと思うところもあった。


 そうこうしていると、吹雪の中からジャンプしてきた師匠の姿が見えた。

 ギィは姿が見えるとすぐに『自分が通信を送るからね』といって話始めた。


 その後、師匠からはすぐに通信が入った。


『”通信” 一つ策を打ってみようと思う、お前たちは森の奥になるが、吹雪が切れているからそちら側に抜けるんだ。自分もこの白熊を何とかしてそちらに向かうよ』


 師匠の通信を聞いて、きっとギィは助けに行くといった内容を送っていたんだろうと思った。


 しかし、あの暴風雪の中に自分は突入しても、役に立てないので師匠の事を気にかけていることしか送ることはできなかった。


『わかりましたわ。師匠も気をつけて下さいね』


 アリスは森の奥に視線を向けた。


 ならんだ木々が少なくなっている場所に吹雪の切れ目はあった。


 そして、そこは上空の明かりがはっきりと照らされていてその先に道が続いていた。



ブックマークありがとうございます。


今回はギィちゃんのくやしさが出したかったんですが、どうでしょうか?

そして、まだ、バラバラにはなっていませんが・・・。



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