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157 暴風雪2

 ギィとアリスそれに自分もこの寒さのなかで、運動能力がかなり減ってしまっていた。


 アリスはキルアントの性質上、寒さにはかなり弱い様だった。体の小ささもあり、踏ん張りがきかないと風に飛ばされてしまいそうだった。

 しかたなく、アリスを尻尾でくるんで自分が運ぶことにした。この状態では、何かあった時に魔法攻撃が出来ないため、後方は念の為、ギィに守ってもらうことにした。

 ギィを後方にしたのはそれだけではなくて、森の奥に入って行くとそこには未知の強敵がいる可能性もあったからだった。


『”通信”弱っているアリスを中心にして、後方はギィ頼むぞ』

『はいっす。でも、自分もかなり体の能力が低下していて、体が重いっすよ。あまり力になれないかもしれないけど、アリスちゃんの為なら頑張るっす』

『”通信”ギィもかなりきついがアリスの為に頑張るってさ』

『ギィちゃんに伝えてくださる。ありがとうって』

『”通信”ギィ、アリスがありがとうって』


 ギィは寒さで能力が低下しているにもかかわらず、にっこりと笑顔で返事をしてくれた。反面、アリスはとても申し訳なさそうにしていた。


 なんだか、いつもとちょっと逆な状況にこんな状況でありながら口元が少しゆるんでいた。


 それにしても、この通信があってよかった。この強風で暴雪の中、普通に話をしてもコミュニケーションが取れなかったと思うとそれだけで危険度が一気に跳ね上がっていたと感じていた。


 この強い風と大雪は一向に止む気配がなかった。しかし、幸いなのはこれほど能力が低下している状態を敵が狙ってこないということだった。


『師匠、敵が襲ってこないっすね。近くにはいないっすか』


 自分が考えていたことと同じことをギィも感じていたようだった。アリスからの疑問は来なかったが、もちろん、アリスも気づいているだろうということを前提に返事をした。


『”通信”ギィ、アリスも考えていると思うが、完全に包囲されていたさっきとは違うが、それでも、5匹が変わらずについて来ている。警戒は怠るなよ』

『はいっす』

『この状態ではどうしようもありませんが、わかりましたわ』


 今の敵がこの状況でも有利に動けるとしたら、今は絶好の攻撃チャンスのはずだ。だか、5匹もいるのに、一向に攻撃を仕掛けてくる気配が全くなかった。


 それでも、警戒を怠らずに移動を続けた。


 その時、ふっと気がついた。


 もしかすると、あの5匹の攻撃自体がこの暴風雪じゃないのか!?


 いや、そんなはずがないだろう。ラノベの世界では自然を操る魔法はかなり高度なため簡単に操れるものではない・・・・と思う。


 でも、この先に暴風雪の切れ目があるのも、こう考えると不自然なんだよな。


 もしも、もしもね・・・この暴風雪があの5匹の魔法と仮定するとすればどうだ!


 そう考えると、今攻撃を仕掛けてこない理由に合点がいくんじゃないか。


 これまでの不自然な点は、(1)この明らかに雪が降りそうにない状態から、いきなり、この暴風雪だろ。そして、(2)かなり時間がたっているように思えるのに攻撃を仕掛けてこない。(3)魔法だとすると、距離を近づけて強力にできるような気がするが、近づく気配がなく、一定の距離を保って移動している。


 これらの理由を考えると、この暴風雪自体が魔法と考えた方が分かりやすいじゃないか。だから、他のモンスターもこの中に入ってこれないんだ。きっとじわじわと弱らせてから自分達を狩るつもりなんだろう。


『”通信”アリス、今ふっと考えたんだが、この暴風雪は今後ろから追いかけてくる5匹のモンスターの魔法じゃないかと思うんだが、どうだろうか?』

『私も、直接攻撃を仕掛けてこないことに違和感を感じていましたの。そして、今の師匠の考えを考慮すると可能性は高い様な気がしますわ』


 それなら、反撃をするか?


 反撃するにしても、この状況で反撃するのは難しいだろう。


 それならギィのファイヤー系統の魔法はどうだ・・・いや、相手の魔法のほうが強力だろう。自然災害と思える魔法だ。


 やはり逃げるしかないのかな。


 そう言えば、これまで移動しながら、かなりこの暴風雪によってダメージを受けていたと思う。


 この暴風雪が魔法とすれば・・・・可能性がある。


 残る可能性は・・・・・。

 そろそろだと思うんだが・・・。


 まだかな・・・・。



 まだかな・・・・・。




 まだかなぁぁあああ・・・・・・。インフォさ~~~ん!!





【寒さ耐性(中)を獲得しました】



「よっしゃ、キターーーーーー!!寒さ耐性(中)キターーーーーー!!」


 自分の予想が的中したことに、心の中で小躍りしていた。信じられないが、やはりこの暴風雪はあの5匹の魔法に違いないと確信した。




ブックマークが増えると自分の小説が認められた感じがします。

そして、評価が増えるとなんだか信頼されているように感じます。

そして、それらが自分の背中を押してくれます。頑張れって!


いつも読んでいただいている読者の方々本当にありがとうございます。

『目指せ!1000ポイント』をキャッチフレーズに頑張っていきます。

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