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154 寒さ耐性拡張

 この体はやはり寒さに弱いみたいで、時間にして1~2時間くらいだっただろうと思うが、継続してダメージを受けていたみたいだ。耐性も(微)ではなく、いきなり(小)だったのにもうなずけた。


「お~い!お前たちは寒くないのか?」

「そうですね、最初は楽しくて気持ちよかったですが・・・そういわれると、体の節々がしびれるような、痛みのような感覚を感じますわ」

「そうそう、アリスちゃんも思っていたのね。私も最初はむっちゃ楽しかったけど、今は体の動きも悪くて、手や足や尻尾の先が少ししびれているっす。もしも、このまま戦いになったらちょっとやばいかもしれないっすね」


 お前たちは言われるまで、気づかないなんて楽しみすぎだろう。こんな場所で本当に呑気だな。まあ、初めて雪を見たんだし、それはそれで仕方がない事かもしれない。


「ふふふっ、そうか!ギィ、アリス少し待っててくれ」

「いいっすけど、どうするっすか?」

「その不敵な笑みは何ですの?師匠!」


 耐性拡張で毒耐性や麻痺耐性をギィとアリスに適応して、一応、すごいと思われていたが、それほど実感していなかったようなんだよな。しかし、この寒さ耐性は自分の体感がいきなり変わるから、これはギィとアリスをびっくりさせられると考えた。

 それでは、まずはステータス画面を開いてからだな。


「ステータスでろ~・・・そして、寒さ耐性の拡張だ。+を見て意識を集中させてっと」


【側に登録対象者がいます。1ギィ 2アリス】

「インフォさん!ギィとアリスを登録してください」

【1ギィ 2アリスを寒さ耐性(小)に登録します】


 ーーーーーーーーー

【耐性】

 寒さ耐性(小)【拡張】(ギィ&アリス)

 ーーーーーーーーー


 よし、出来た。問題ないな。最初に消費した後はMPの追加の減少もなく、本当に便利なスキルだよな。


「どうだ、お前たち?まだ寒さはあるか?」

「あっ!手足のしびれが軽くなっているわ。いいえ、手足のしびれがなくなっていますわ。そうですのね。師匠!これが耐性拡張ですか?」

「さすがアリスは察しがいいな」

「うわぁ~、師匠!寒さがなくなったっすよ。これならこのままず~とここで遊べるっすね」

「ちょっと待て、バカンス・・いや・・遊びに来ているわけじゃないんだからな。ギィ」

「はぃ・・・・・。すんません」

「ここで、もう一つ試しておきたいスキルがあるんだ。通信っていうんだがいいか?」

「通信!?」


 ギィもアリスも通信という言葉を理解できていないようだった。まあ、これまで基本的な伝達手段は口頭が中心だったから仕方がない。


「そうだな。簡単に言うと声に出さずに話が出来るんだ。しかも、遠くに居るのに側にいるように伝えることが出来るんだ」

「すごい。それは連携して戦う時に相手にこちらの戦術を知られずに戦えるって事ですわね」

「声に出さずに話せて・・・遠くにいても側で話すように聞こえる!?それは声が大きいの?それとも小さいの?え?え!?よくわからなくっなってきたっすよ。ちょっとアリスちゃんはわかってるの?」

「ええ。師匠の言っていることは分かりますわ。ですが・・・実際はどうなるのか!?あまり想像が出来ませんの」

「う~~~~ん。そうだ!師匠とにかくやってみてもらっていいっすか!」

「わかったよ。準備するから待っててくれ」


 ステータス画面から通信の欄で+を集中させて・・・。


【側に登録対象者がいます。1ギィ 2アリス】

「インフォさん!ギィとアリスを登録してください」

【1ギィ 2アリスを通信 ランク1に登録します】


 ーーーーーーーーー

【通信 ランク1(ギィ&アリス)(MP=2)】

 ーーーーーーーーー


 これで問題なく登録は出来たな・・・・でも、どうやって使うのかな!?よし、こんな時はインフォさんだった。


「インフォさん。通信方法を教えて下さい」

【心の中で”通信”と話をすると、あなたに通信回線ができます。登録者はあなたへの通信のみしかできません】

「ん!?通信するためには心の中で”通信”というだけか。まあ、とにかくやってみるか」


 自分が通信の登録をしている間、ギィもアリスも再び一緒に雪で遊び始めていた。寒さがなくなったのがとてもうれしかったのだろう。ゴロゴロと転げまわったり、雪をつかんでお互いに投げ合ったりしていた。仲いいなぁ。


『”通信”ギィ、アリス準備出来たぞ』


 遠くで遊んでいたギィとアリスの動きが急に止まった。そして、同時に自分の方を向いていた。そして、そのままゆっくりと歩いて近づいてきた。


「師匠!今何したっすか?なんか、頭の中に急に言葉が響いてきたような気がしたっすよ」

「そうです。突然真後ろから大きな声で話しかけられたような気がしましたのよ」

「ほぅ。そんな風に聞こえるのか?」

「もしかして、今のが”通信”ですの?」

「そうだ。使い方は心の中で”通信”と話してから、次に内容を伝えるだけでいいんだ」

「師匠、師匠。私やるっす。いいすか?言いますよ”通信”頭の中に声よ響け!」


 ギィは目の前で大きな声で口に出して通信といっていた。やっぱり理解できていないようだった。



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