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146 バトル開始 VSグリーンマンティス

 ギィとアリスは対策が決まらないまま、気配を消して観察していた。


「アリスちゃん、早くリルを助けないと・・・」

「このまま、見ているだけじゃぁ進展はないですものねぇ・・・・・・って、ギィちゃん!見ますの!」


 しばらく見ていると、今度は、2匹のポイズンバタフライがリルに向かっていった。


「ねぇっ!アリスちゃん、いくら何でも2匹はまずいよ!」

「そうですわね。こうなったら仕方がありませんわ。グリーンマンティスがポイズンバタフライをつかんだタイミングに合わせて、私たちも出ますわよ!」

「わかったよ、アリスちゃん」


 ゆっくりと2匹のポイズンバタフライがリルに向かって行った。最初のポイズンバタフライが捕まえられた距離まで近づくと、グリーンマンティスが出てきた。


「よしっ!グリーンマンティスが出てきたよ。出るね」


 ギィはアリスに声をかけて出ようとしたが、アリスが固まっていて、動かないのでどうしたのか聞いてみようと思い、一度、グリーンマンティスを確認してみると、グリーンマンティスは片手で1匹づつポイズンバタフライをつかんで、また、岩の影まで下がっていって隠れてしまった。


「ギィちゃん!見ましたの?」

「うん、見たよ!同時に2匹倒していたね。私でも同時に2匹のポイズンバタフライを倒すのは無理だよ」


 ギィは心配そうな顔をしていたが、それに反して、アリスは笑っていた。


「ギィちゃん、あのグリーンマンティスは強そうに見ますが1匹だけですわね。間違いありませんわ。これなら何とか勝機がありますわね」

「ポイズンバタフライを2匹同時だよ、あのグリーンマンティスはとても強いんじゃないの?それなのに、なんで勝てるって言ってるの!?」


 ギィはアリスが驚いているのではなく、勝ちを確信しているように見えた。あの瞬間にどうしたら勝てるって思えるのだろうか?ギィにはわからなかった。そう思うと同時にギィはアリスに答えを聞いていた。


「理由は3つありますの。まず第1に、2匹のポイズンバタフライを捕まえていましたが、かなり無理がある様でしたわ。第2に、グリーンマンティスは今あそこには1匹しかいない。それは、無理してでも2匹のポイズンバタフライを倒したところからわかりますの。そして、第3に、罠としてのリルにはかなり重要度がある」


 ギィは1つ目の理由がわかったが、2つ目以降はめんどくさくてどうでもいいと思っていたが、とりあえずうなずいていた。


「それで、私はどうすればいいの?あっでも、攻撃したらリルが殺されてしまわないかな」

「その点は大丈夫ですわ。あのグリーンマンティスにとって罠としてのリルの価値はとても高いですの。そう易々と手放そうとはしないと思いますの」

「はにゃ!なんで?」

「・・・私の口から言うのもなんですが、キルアント族はこの辺りのモンスターにとって高級食材なの。ですから、見つけたらどうしても捕食したくなるのですわ。だから、なかなか手に入らないキルアントは罠の餌として最適ですの」

「アリスちゃん、ごめんね」

「いいですわ、ギィちゃんだからですからね。他の方には絶対にこんなこと言えませんわ」


 アリスちゃんは少し悔しそうにしていたが、すぐににっこりとほほ笑み返してくれた。ギィは嫌なことを聞いてしまったことを少し反省していた。


「作戦は決まりましたわ、まずは私が『無音』でリルの固定されている岩の下まで行きますの。岩に到着したら合図するので、そしたらギィちゃんがあのグリーンマンティスをおびき出してもらえますの?後は、2方向から挟み撃ちですわ」

「わかったよ、アリスちゃん。でも、気をつけてね!近くにはポイズンバタフライがうようよしているからね。出来るだけ短期決戦で仕留めないといけないね」

「では、行きますわよ」


 アリスは洞窟の壁に沿ってゆっくりと進んでいった。ギィはじっと見ていたが、すぐにアリスを見失っていた。


「あれ!アリスちゃんはどこに?」


 ギィは意識を集中してアリスがいるであろう場所を目を凝らしてみてみた。すると、うっすらとアリスと分かる程度に姿を確認することが出来た。


「無音すごいな?」


 アリスはゆっくりと物音を立てないように進んだ。イエローサンライズの上空にはポイズンバタフライの群れがゆっくりと空中散歩をしているようだった。


 特に、気づかれることなくリルの捕まっている岩まで到着することが出来た。リルの様子を見ると、ゆっくりと呼吸をしていたので、生きているのは確認できた。


「リル、リル返事はしなくていいので足だけを動かせますの?」


 リルから反応はなかった。もう一度声をかけてみることにした。


「リル、リル助けに来ましたわ。声を出すと、敵に気づかれちゃうから足だけを動かせますの?」


 やはり、リルからの返事はなかった。生きてはいるが、完全に気絶しているのは間違いなかった。


「気絶しているならそれはそれで好都合ですわね。それなら、ギィちゃんに合図を送りますわよ」


 アリスは、事前に決めていた合図を送った。ギィからは同じように決めていた合図で返事をくれた。ギィは返事をするとすぐに走り出してきた。


「よし、アリスちゃんからの合図だ!行っくよぉぉおお!!」


 ギィは猛スピードでグリーンマンティスはのいる方へ向かった。そして、リルのいる岩の近くまで行くとスピードを緩めてグリーンマンティスの攻撃を警戒した。


「そろそろ、グリーンマンティスの攻撃が来るかなっ!」


 ギィはグリーンマンティスがいる場所を警戒して見ていた。すると、予想通りにグリーンマンティスが現れた。


「とりあえず1発お見舞いしときますか!ファイヤーショット!」


 ぼゎ~っしゅ!


 ファイヤーショットはまっすぐ、グリーンマンティスに向かって行った。不意を突かれたグリーンマンティスはギィのファイヤーショットの直撃を食らって一瞬立ち止まっていたが、その後、ものすごい敵意をもってギィに向かって来た。


「よ~し、もう一発だ」


 ギィは怯んだ隙をついてグリーンマンティスにファイヤーショットを放った。それとほぼ同時にアリスがグリーンマンティスの後方から攻撃を仕掛けて来ていた。


「こちらにも敵はいましてよ。酸性弾!!」


 ヒィィィィーーーーン!!


 アリスは酸性弾を撃った後に、さらに3発の酸性弾を立て続けに放っていた。


 グリーンマンティスはギィのファイヤーショットをよけようとしたが、後方から予期しない攻撃を受けたため、ギィのファイヤーショットも直撃していた。


 グリーンマンティスは後方の敵を確認して、それが、キルアントだと認識すると正面のトカゲよりも先にキルアントを倒そうと考えていた。そして、グリーンマンティスはギィに背を向けた。


「ラッシュウォーク」


 ギィは背を向けたグリーンマンティスに対してラッシュウォークで近づいた。


「爪剛撃!!くらえっ」


 ギィに背を向けてジャンプしようとしたグリーンマンティスに対して、左の爪剛撃を食らわせた。


 1撃目の爪剛撃にすかさずグリーンマンティスは反応していた。


 すると、後ろを向いたまま、かぎ状になった左手だけがギィに向かって来た。


 ギィは予想外の攻撃だったが、尻尾を使っての方向転換で何とかかわすことが出来た。


 そして、かわしざまに右手による2撃目の爪剛撃をかする程度ではあったが当てることが出来た。


 そして、そのまま、後方に距離をとった。





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