137 特殊魔法
どうして、あんな夢を見たのだろう。考えてもよくわからなかった。
ただ、今日はゆっくりと一日を過ごすことになっている。それに、昨日の戦いで結構レベルも上がったから、ステータスや新しいスキルの確認をしておかないといけないと考えた。
「そういえば、でかドブネズミとの戦闘の後に、メッセージさんの声でレベルが4上がったって言ってたような気がする。少し前に戦ったラージバットとの戦闘では3レベル上がっていたよな。とすると、ラージバットとでかドブネズミは同格だろう。やっぱり強かったもんなぁ」
レベルの上り幅で戦ったモンスターの強さを図る尺度になるんだと意外なところで気が付いた。おそらく、どちらのモンスターも今の自分より格上であるのは間違いないと感じていた。
「RPGみたいに経験値が決まっているわけではないから、気にしてもしょうがないな。でも、上がっているからそれはそれでいいか!」
少し疑問が残ったことよりも、レベルが4上がったということで、前回のレベル11に4加えると、
「やっほ~ぃ!!つまり、今の形態でのレベルMAX!そう、マァ~クス!つまり、進化だ!」
思い出すな、最初の進化の時を・・・。
「進化前は本当にむごかった。レベルアップ事に睡眠がやってくるなんて本当に信じられなかったよ。遠出なんてもってのほかだったしなぁ」
でも、進化してレベルアップ後睡眠がなくなり、今やこのフロアではかなり強い方だとかってに自負していた。
「まあ、これからこのラクーン大洞窟の地下2階に進もうと思っていたから、この段階でのレベルアップは本当に好都合だと思う。戦闘後のメッセージさんの声でレベルアップだけじゃなく他の能力も上がっていたからな。しっかりステータスを確認しておこう!」
そして、いつものように声をかけた。
「ステータスでろ~!」
ーーーーーーーーー
【名前 】 なし
【種族 】 ラージスネーク
【ランク】 F
【レベル】 15/15(up)『進化』
【保護 】 (ギイ&アリス)
【HP】 2045/2045(up)
【MP】 3960/3960(up)
【体力 】 320(up)
【力 】 340(up)
【知力 】 252(up)
【素早さ】 350(up)
【物理攻撃力】 1490(up)
【魔法攻撃力】 1192(up)
【物理防御力】 4465(up)
【魔法防御力】 4655(up)
【通常スキル】
噛みつき ランク8(up)
牙 ランク8(+640)(up)
巻き付き ランク8
ジャンプ ランク9
魔力操作 ランク10(up)(+)
隠密 ランク5(up)(MP=30 TIME=60min)
気配察知 ランク5
共有意思 ランクZ(ギイ&アリス)
NEW)スプリングチャージ レベル2(MP=40)(up)
【特殊スキル】
卵の隔壁 ランク9(×19)(up)
水弾丸 ランク8(MP=1)
水弾丸(改) ランク7(MP=10)(up)
鋼外殻 ランク5(MP=80 TIME=60min)(up)
パラライズニードル ランク5(MP=5)(up)
ポイズンファング ランク5(MP=5)(up)
サーチ ランク5(MP=20 TIME=5min)
ウルトラソニック ランク4(MP=50 TIME=60s)(up)
ウインドカッター ランク3(MP=40)
NEW)直感 ランク1 (MP=100 TIME=60min)
NEW)ファイヤーボール ランク1(MP=20)
NEW)ニードルショット(麻痺) ランク1(MP=10 10連射)
NEW)狂暴化 ランク1(MP=ALL TIME=5min)
【耐性】
毒耐性 (中)
麻痺耐性(中)
NEW)疾病耐性(小)
ーーーーーーーーー
「おお~きたきたぁあ。進化できますよぉぉおお。この進化の2文字。う~んたったの2文字なのに、なんと重い2文字なんだろう。この進化という単純な響きの中に、未知なる世界が山ほど入っている。そんな宝箱を開けるようなこの進化は、これからどれほどの成長とどんな種類に変化していくのか・・・う~ん早く知りたい。知りたいですねぇ~」
レベルの表示の横に出ている『進化』この文字が現れたことで、かなり調子に乗って一人で騒ぎまくっていた。・・・ちょっと恥ずかしい。
「おっと、いけない。進化する前に新しいスキルが山ほど手にはいっているから、まずはそちらの確認をしていかないといけないな。え~っと・・・・・」
攻撃魔法として、ファイヤボールにニードルショットがあった。ファイヤボールはでかドブネズミも使っていたし、イメージもついていたので気にすることはなかったが、
「なんだ、このニードルショットの10連射って、つまり、1度の使用で10発打てるってことだよな」
そりゃ、あんなに連射が出来たこともうなずけるよ。ただ、1発1発の威力や麻痺の効果はきっと少ないに違いないから、パラライズニードルとの使い勝手に迷うところだな。
「それから、スプリングチャージってなんだっけ?う~ん・・・・ばねをためる?」
思いつかないけれど、通常スキルの欄にあるということは、攻撃を食らって獲得したスキルではないということは分かる。戦闘後に獲得したのかなとも思ったが、なんだか聞き覚えがあるような気がしたので少し考えてみた。
「・・・う~ん。ばね!?ジャンプ!?・・・あっ、そうか!ジャンプした後に、でかドブネズミに突っ込んだとき、なんかそんなメッセージが流れてきた気がする。あれ、スキルになっていたんだ。メッセージさんの声でほっとしたことしか覚えていなかったな」
あの時の状況から、きっと、ジャンプして着地後に強力な体当たりが出来るってことになるのかな。機会があれば使ってみようかな。
「あとは、直感と狂暴化だな。あ~狂暴化は封印っと。それにしても、MP=ALLっていかにも最終手段って感じのスキルだよな。まあ、自爆攻撃としてはいいのかもしれないが、普通には使えないな。直感は常時発動なのかと思ったら、発動してから1時間使えるんだ。ランクもあるし余裕のある時に、発動しておくとランクが上がるのかな。戦闘中でなくても大丈夫なら、いいんだけど・・・。まあ、ステータスからわかることなんてこの程度かな・・・」
他のスキルで色々とランクが上がっていることもあったが、あまり気にしなかった。進化してからでも、新しいランクを確認することができるし、早く進化先が見てみたくて、気になっていたのでステータスを閉じようとした。
「あれ、なんだ(+)がある!」
意識したわけではなかったが、不意に(+)が目に入ってきた。進化することが気になっていたので、確認するのは後回しでもいいかと思ったが、目に留まった以上、どうしても気になったので確認しておくことにした。以前、保護や共有意思の時にギィとアリスを追加することが出来たので、今度は何を追加できるのか気になったのだ。
そう思うと、進化の事は後回しにしていた。
「まあ、急ぐわけでもないし、ゆっくりゆっくり確認していこう。うん、ゆっくりでいいな」
無理やり後回しにすることにした。もしかすると、何か確認しておかないといけないような気になっていたのかもしれなかった。
そして、(+)があるのは、何処かなぁと見てみると『魔力操作 ランク10』の横についていた。
「あっ、いつの間にか魔力操作がランクMAXになっていた。魔力操作が進化するのか!?ところで、魔力操作って進化とかできるのかな!?」
色々と疑問が浮かんだが、考えても仕方がないから実際に見てみることにした。以前、(+)を見て考えるだけでよかったから、今回も同じようにした。
【特殊魔法を追加できます? YES or NO】
「今、特殊魔法をっていったよね。特殊魔法ってもしかして、アイテムボックスの事!?つまり、ここにきてアイテムボックスを手に入れることが出来るって事なの!!」
異世界転生において無限アイテムボックスを持っていることは定番中の定番だったはずなのに、自分にはアイテムボックスすらなかった。転生後にたくさんがっかりしたことの中の大きな1つでもあった。
しかし、『魔力操作 ランク10』になったことで、アイテムボックスが手にはる可能性があるということに一人ウキウキワクワクで盛り上がっていた。
「そうだよな、異世界転生でアイテムボックスを持っていないってのは、本来おかしかったんだよ。いや~これで少し普通になって・・・・いや、まだ見ていないのにアイテムボックスと決めてしまうのはまずいな」
もしかして、アイテムボックスが手に入らない可能性があることを不意に思い出して、盛り上がった気持ちを落ち着かせるためにゆっくりと深呼吸を始めた。
吸ってーーーーー!吐いてーーーーー!
大きく深呼吸したことで少し落ち着いた。そして、考えすぎても意味ないから、とにかくメッセージさんに返事をすることにした。
「メッセージさん!YESでおねがいします!」
【現在追加できる特殊魔法は次になります。1:空間魔法 2:転移魔法 3:聖魔法 です】
「きたーーーー空間魔法!!アイテムボックスといえば空間魔法定番だね!よしよしこれに決定だな。メッセージさん!1:空間魔法でお願いします」
【了解しました。
「あっ、ちょっと待って、もうちょっと考えさせてもらえる」
1:空間魔法に改変します】
よく考えたら、アイテムボックスは定番ではあったが、今、必要かといえば必要はなかったように感じた。なので、すぐに中止の依頼を出したが、変更は効かなかったようだった。
「よく考えなかった自分も悪いけど、メッセージさん!もうちょっと融通利かせてほしいなぁ」
メッセージさんに少し不満をぶつけてみたが返事はなく、急に眠気がやってきた。
「改変するために睡魔が来るんかい!!」
まあ、レベルアップ毎ではないからいいかと思いながら、その場で睡魔を受けれることにした。