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116 アリス!絶体絶命!

 赤ラインドブネズミはゆっくりと体の動きを取り戻し、足の動きを確認するとすぐに起き上がった。そして、周囲を見回して私の場所を探していた。



「MPも8割弱回復しましたの、赤ラインの御方の幸運もこれまでですわ」



 アリスは麻痺から回復しきっていない赤ラインドブネズミにもう一度攻撃を加えようと思い草むら沿いに動き出した。



「赤ラインの御方はまだ気づいていないですの、今ですわ!!」



 アリスが草むらから顔を出したことで、赤ラインドブネズミはアリスに気が付いた。そして、白とげをアリスにめがけて連射してきた。


 アリスはこのままいけば噛み付きを決められると思いジグザグに進みながら進んだ。白とげがまとわりつくように自分に飛んできたが、ダメージを無視して突撃した。


 これで噛み付きが決まる!!!


 そう思った瞬間、背中に鈍い衝撃が走った。



「今度は何ですの!」



 アリスは赤ラインドブネズミとでかドブネズミの間から赤ラインドブネズミの左側に向けて噛み付きを仕掛けていた。


 しかし、衝撃が来たのは、全く予想外のアリスにとって右側からの衝撃だった。


 赤ラインドブネズミの正面に吹き飛ばされながら、衝撃の正体を確認した。


 それは、意識から完全に外れてしまっていたリーダー格のドブネズミの体当たりだった。



「なんで・・・なんで、こんなところにいますの!?」



 急に現れたドブネズミに驚きと苛だちの混じったアリスだった。


 しかし、アリスにとってドブネズミはたいした問題ではなかった。


 それよりも、ドブネズミに体当たりを食らった後に、赤ラインドブネズミの正面にはじき出されたことの方がまずかった。



「まずいですわっ!」



 ドブネズミの体当たりを食らって、完全にバランスを崩していた。


 そして、地面を転がっていった。


 からだのバランスを取り戻した時、アリスは背中を地面につけて、お腹の部分があらわになった状態で横たわっていた。



「痛たたっ!!」



 絶好の攻撃チャンスが、いきなり絶体絶命の状況に追いやられてしまった。


 ドブネズミの体当たりを憎々しく思いながら体を起こそうとしたときに正面で正に攻撃をする直前の赤ラインドブネズミの姿に気が付いた。



「そんな・・・」



 そして、予想通りに白とげの猛攻撃が飛んできた。



 ビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッ・・・・・



「やっ・・・やば・・・・やばい・・・です・・・ゎ・・・・」



 ビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッ・・・・・・・・・・・



 アリスは自分の体の動きが出来なくなっていることを感じた。


 これだけ連続で麻痺効果のある白とげを受けていると麻痺耐性があると言えども麻痺してきていたのだ。


 逃げようとしても体が動かなくなってきていた。


 一旦、白とげの攻撃が止んだ!!



 白とげが止みましたわ、今のうちに逃げないと・・・



 そう思って体を動かそうとしたが、わずかに頭が上下するくらいで体の自由がほぼなかった。


 動けない状態であったが、何とかしないといけないと考えて、今の体勢で攻撃可能なのは硫酸弾が麻痺弾だった。


 パラライズニードルの効果があり、これだけ至近距離なら麻痺弾の方が効果があるかもと考えて発射した。


 パシュゥッ!


「当たりましたわっ!!」


 アリスは麻痺弾が1発だけだったが直撃したので多少は動きが変わるかと、横になった状態で赤ラインドブネズミの様子を見ていた。


 しかし、赤ラインドブネズミに麻痺の効果は見られなかった。


 赤ラインドブネズミには全身を隈なく覆っている体毛があった。


 そして、それがまるで鎧のように固くなっているのだろう。


 もしかすると、自分達を同じように体毛を強化して防御力を上げているのかもしれない。


 近距離での麻痺弾なら効果があるかと思っていたが、麻痺弾による麻痺効果はまったく見られなかった。



「麻痺弾ではだめですの!」



 少しでも距離をとろうとわずかに動いている足先を使って移動をしていた。


 赤ラインドブネズミはMPを使い切ってしまったのか?


 一瞬期待したが、単なるクールタイムだろうと考えなおした。


 そこで、麻痺弾は効果がないので、硫酸弾に切り替えて連射してみた。


 しかし、赤ラインドブネズミも警戒していたようで、難なくよけられてしまった。


 しかも、今の自分の状態では発射できない位置、つまり、死角に移動されてしまった。


 この状態で白とげ連射を受けると、次は完全に麻痺してしまう。



「えっ!私ここで終わってしまいますの!」



 視界の端にいた赤ラインドブネズミから殺気を感じた後に白とげが飛び込んできた。



 ビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッ・・・・



「だめ・・・からだ・・・が・・・うごかな・・・い。たす・・・けて、ギィ・・・ちゃん。し・・しょ・・・う」



 麻痺だけでなく、ダメージが蓄積してきているのを感じた。


 そして、白とげの攻撃は止まない。



 ビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッビシッ・・・・・・・・・・・




「も・・・う・・・だ・・・め・・・か・・・も・・・・・」




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