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115 MP回復

アリスは、パラライズニードルの効果で動けない赤ラインドブネズミを見ながら、草むらの中で息をひそめてじっとしていた。



「パラライズニードルが効果があるなんて思いませんでしたわ。近距離戦で赤ラインの御方に対する効果的な威嚇になると思いますの。体が動き出してからが見ものですわね!」



パラライズニードルに効果があるとわかれば戦い方の幅が広がるのは間違いなかった。


それは、これまで遠距離からの硫酸弾のみでの戦闘方法だけだと思っていたので、どうやって赤ラインドブネズミをでかドブネズミから引き離すか苦悩していた。しかし、パラライズニードルの麻痺の効果が絶大だった以上、赤ラインドブネズミは次を警戒することは間違いないと予想された。


全力でMPの回復に努めながら、考える時間作れたので、麻痺の効果が解けた後に赤ラインドブネズミがどう対応してくるかいくつか想定しておくことにした。



赤ラインドブネズミから少しだけ目を離しても大丈夫だと考え、気になっていた師匠とでかドブネズミの戦いがどうなっているかを草むらの中から確認した。


そこに見えたのは、でかドブネズミの姿だけだった。師匠の姿が見えなかったので、周辺を探していると、時折水弾丸の連射が見えた。


でかドブネズミは水弾丸の発射された場所に進みながら、別の場所から水弾丸が飛んでくるとそちらに向きなおして進んでいた。しかも、何度も同じ行動を繰り返していた。


師匠の姿が見えないでかドブネズミは完全にかく乱されているようだった。



「それにしても、師匠が草むらに隠れて気配を消した状態で攻撃しているのを見るのは少し違和感がありますわね。そうすると、やはりでかドブネズミは強敵なのは違いないですの。ですが、それだけではないようにも見えますの!もしかすると何か他の理由があるのかしら!?」



これまで盾役としてリードしてきた師匠が気配を消して草むらから攻撃している姿に違和感を感じたが、何かを調べているのではないかとも考えた。



「私もパラライズニードルの効果があることに気が付いて戦い方を変化させることが出来ることがわかったですの。きっと師匠もでかドブネズミの弱点を探っているに違いないですの!」



師匠の戦っている姿を見ながら視線を赤ラインドブネズミに戻した。今のところ、まだ麻痺が解ける様子はなかった。そして、自分のMPも順調に回復していた。



「順調にMP回復できていますわね、ですが、赤ラインの御方には困ったものですの!」



赤ラインドブネズミを何とかして、でかドブネズミから引き離す必要があった。しかし、赤ラインドブネズミはでかドブネズミから一定の距離を離れると、そのまま戻ってしまうのだ。



「赤ラインの御方を引き離す為にはどうしたらいいかしら!・・・いっそ、もう一度麻痺させておいて、引きずって行くのはどうかしら、それとも、いっそ回り込んだあとに、パラライズニードルで威嚇して追い払ってみますの。ほほっ!」



MPがおおよそ7割位回復したところで、赤ラインドブネズミに動きが見えた。


麻痺の効果が解け始めているようだ


麻痺の効果が切れる前に噛み付き攻撃を1度入れるかどうか迷っていた。せっかく麻痺状態なのに1度も攻撃しないのはもったいないと考えていた。



「どしましょう。牙の攻撃を入れときましょうかしら、でも、いいわ!攻撃しないことで赤ラインの御方が警戒してもらうことにいたしますの!」



MPも7割強の回復ができていたので、攻撃を入れるかどうか迷っていたが、この戦いは長期戦になる可能性があったので、攻撃をするよりもMPを回復する方を優先させた。それに、絶好の攻撃チャンスで攻撃しないことで赤ラインドブネズミに強い警戒心をつけておくことも出来るのではないかと考えた。



「仕方ありませんわ!今は作戦を成功させるためですもの。我慢ですわ!それに、丁度いいですわ、1度回り込んで威嚇してみますの!」















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