表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/238

112 アリス VS 赤ラインドブネズミ

「まずはこれで前提が整いましたわ。次は私があの赤ラインドブネズミのお相手をすればいいですわね」


 でかドブネズミが師匠の方に向かって行ったのを見てアリスは声に出した。


 これで、アリスが赤ラインドブネズミ、師匠がでかドブネズミと1対1の形が整った。


 周囲の草むらは刈り取られているので、見晴らしはとてもよくなっていた。それで、アリスからも赤ラインドブネズミの姿は完全に見えていた。


「ここからなら硫酸弾も当たりますわ!」


 アリスは硫酸弾を連続で放った。


 初弾命中!


 2発目、3発目はかわされてしまった。


 そして、赤ラインドブネズミは後退するかと見ていたら、白とげを連射しながら近づいてきた。


 白とげには麻痺の特性があったが、アリスは麻痺耐性があるのでほとんど効果はなかった。


 しかし、1発の白とげには大して威力はないが、数十発単位の連射は近距離でのダメージは危険だった。



 白とげのある赤ラインドブネズミとの正面からのガチンコ勝負は割に合わないですわね。



 赤ラインドブネズミと距離をとるように、師匠とは反対側の、右側に向けて走りながら硫酸弾を連射した。数発に1度はヒットするが、距離がある為大きなダメージを与えることが出来ていないのは明らかだった。


 赤ラインドブネズミは硫酸弾が当たっているにもかかわらず、何事もないかのように向かってきていたからだ。


 アリスはジグザグに移動することで、出来る限り赤ラインドブネズミの白とげから受けるダメージを最小限にとどめるように努めた。



「赤ラインドブネズミの白とげはうっとうしいですわね!」



 今のところ、でかドブネズミと赤ラインドブネズミは距離をとらずに近くで固まっていた。そして師匠とアリスが外側から攻撃を仕掛けている状態だった。


 アリスは何度かでかドブネズミから赤ラインドブネズミを引き離そうと攻撃を仕掛けてみたが、ある程度は前に出てきても、一定の距離を過ぎるとまた元に戻って行くのだった。


 しばらくは行ったり来たりの攻防が続いていた。



「このまま行ったり来たりを繰り返しても、戦術的に何の意味もないですわ。同じことの繰り返しですもの何とかしないといけないですわ」



 赤ラインドブネズミもアリスも遠距離で攻撃を仕掛けていたが、お互いに対したダメージを与えれた気がしなかった。


 そのため、アリスは少し苛立っていた。


 アリスは、危険があるが一つ試してみたいことがあった。



「このまま打ち合っても、無意味ですわね!少し危険かもしれませんが・・・やってみますの!」



 そのために、タイミングを計る為に何度か行ったり来たりの攻防を繰り返した。そして、数度目に一定のラインを越えた後、赤ラインドブネズミが戻っていくタイミングに合わせて突撃した。



「いつまでも同じと思ったら、大間違いですわ!!」



 赤ラインドブネズミは戻る瞬間に白とげの発射を中止していた。きっと白とげにもクールタイムがあるのかもしれない。そのことは何度が行ったり来たりを繰り返していたのでわかっていた。


 まっすぐに赤ラインドブネズミに向かって走りながら硫酸弾を正面に連打した。これまでは、ジグザグに逃げながらの攻撃だったため、命中率はとても低かった。


 しかし、今度は正面にまっすぐの連射だったから連続でヒットすることが出来た。赤ラインドブネズミによろめきが見えた!さすがに直撃には効果があったようだ。



「まだまだ終わりませんわよ」



 硫酸弾のクールタイムが終わってさらに連射を繰り返した。


 しかし、今度は赤ラインドブネズミがジグザグに後退していったためにかなり外れてしまった。しかも、白とげをまき散らしながら後退していったので、心理的によけていたのかもしれない。



 弱気になっていけない!アリス!あいつの攻撃はダメージが少ない。大したダメージにはならない!



 アリスは自分に言い聞かせて、白とげの連射を受けながらも、硫酸弾を放ちながらまっすぐに赤ラインドブネズミに進んでいった。


 硫酸弾と白とげがぶつかり合うことで、その威力が相殺される状況が続いていた。


 アリスは硫酸弾のおかげで、白とげを受ける量を減らすことが出来たので、さらに赤ラインドブネズミに向かって突っ込んでいった。


 アリスと赤ラインドブネズミの間が数メートルに近づいたところで、アリスは大声を出した。



「行!き!ま!す!わ!よ!ぉぉおお!!!」



 赤ラインドブネズミは急に正面の敵が大声を出したため、ほんの一瞬であったが周りを警戒した。


 アリスはその瞬間に合わせて、右側に一気にジャンプをした。



 やりましたわ!赤ラインの御方は私についてこれていないようですわね!



 急に大声を出した後に、横にジャンプをすることで赤ラインドブネズミから意識を外して、死角に入るように試みた。そして、その試みは見事に成功することが出来た。




 赤ラインドブネズミは一瞬アリスの姿を見落としてしまった。そして、慌てて右、左と周囲を見回した。右を向いたが、そこにはいなかった。それなら、左か!?


 赤ラインドブネズミは左を向いた。


 左を向いた瞬間、目の前に敵であるキルアントがいた。



 アリスは右側にジャンプをした後に、そのまま赤ラインドブネズミに向かって突撃をしていた。



「私の牙を食らいなさいな!」



 アリスは、突撃のスピードをのせて赤ラインドブネズミの首元を狙って噛み付きを行った。視界から意識を外すことに成功していたアリスの噛み付きは見事に成功した。



「これはおまけですわ!」



 噛み付いた後に、効果があるかどうかわからないが、パラライズニードルを突き立てた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ