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第四章:座敷童(1)

だいぶ更新が遅れました(^^;



翌日はまた朝からしとしとと雨が降っていた。ちょうど雨季に差し掛かっていたのもあって朝寝するには絶好の季節だった。魔界育ちで雨季すら知らないアラティも暖かな布団にくるまって心地の良いまどろみに身をゆだねていた。


人間界に降りてから数日、満足なものも食べずにずっと野宿だったせいで疲れが溜まっていたことも手伝って、アラティが目を覚ましたのは聖が学校に向かってから既に3時間も過ぎたであろう頃だった。


空腹に目覚めたアラティが食卓に向かうとちゃぶ台の上に聖がアラティとトロル用に用意した朝ごはんを見つけた。傍に置かれたメモを開くと几帳面な字でこう書かれていた。


『アラティへ:学校に行ってきます。予備の鍵がないので今日は家にいてくれると助かります。2時までには戻れると思います。朝ごはんのお味噌汁はあたためてから食べるといいよ。昼ごはんは冷蔵庫にオムライスを作っておいたから、これもあたためて食べてください。−聖より』


今朝のメニューはごはんに味噌汁、アジの開きの焼いたものだった。


「ふむ。なかなかうまそうじゃな。オムライス…というのはこの黄色い布がかぶったようなものか。これをあたためるとな…」


冷蔵庫を物色しながらアラティはふと首をかしげる。そんなアラティに気づいたトロルが後ろから声をかけた。


「お嬢様、どうしたんですか?」


「いやな、聖はこのオムライスとかいうものと、味噌汁をあたためてから食せと書いておったのじゃが、一体なんであたためればいいのかと思ってな」


アラティが迷うのも無理はない。人間魔界には電子レンジという便利なものがあるのだが、朝慌てていた聖はその存在についてはおろかその使用法まで記していなかったからだ。魔界での食事は元々すべて食材が新鮮なまま、つまり生で食べる習慣があり、野生の王国並に今捕ったものをその場でいただくことが魔界グルメでの常識である。もちろんグルメでないものもいるにはいるのだが、魔界の住人にはそもそも食べる前に食べものを用意するなんて概念はないので冷えた食べ物を再度暖め直せと言われてもどうしていいかわからないのであった。


「う〜ん。困りましたねぇ。とりあえず暖めろってことですからお嬢様の念力で火をおこせばいいんじゃないですか?」


「確かにそうなんじゃが・・・」


トロルの言葉になんだか煮え切らない返答をする。


「なんです?何か問題でも?」


「いや、ここじゃ」


そう言ってアラティが見せたのは例の聖のメモだった。聖のメモにはまだ続きがあったらしく、それを見てアラティは困った顔をしていたのだ。


「ええっと…なんですって…『ぴぃーえす。念力や魔法で火は使わないでね。さすがに離れが火事になったら義叔父さんたちも黙っていないだろうから』」


トロルが読んだ部分は昨夜の風呂の一件を指していたのは明白だった。聖の「やさしいね」発言によって怒り心頭だったアラティは何も考えずに風呂の水を早く沸かそうとしたものだからもう少しで風呂場全体が火の海になるところだったのだ。


「う〜ん。仕方ないですね。それじゃ、そのまま食べて見たらどうですか?案外いけるかもしれませんよ」


「うむ。そうじゃな・・・もぐもぐ・・・ふむ。冷たくても食えんことはないか」


「んぐんぐ・・・そうですね。なんで魚とか焼くんだろーとか思いやしたが、とりあえずこれはこれで旨いってことで…」


そんなことを言いながら結局2人は少し冷えた朝食と冷蔵庫で冷たくなった昼食の2食をいっぺんに食べてしまっていたのだった。


話は大筋決まっているのであとは書くだけなのですが、最近なんだか遅くてすみません(汗)ぼちぼち更新していきますのでよろしくお願いします〜(><)

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