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2.ギルド試験

たった一枚のコインで大幅にレベルが上がった。


これがどのくらいの強さなのかはわからないが500以上のレベルなのだ。決して弱くはないだろう。


とりあえず残りのギルドまで道を走ってみることにした。


「距離は大体300メートルくらいか? よーい、どん!」


掛け声とともに走る。



着いた。



「はっっっっや!!!」



待て待て待て、いくらなんでもこれは早すぎだろ! 正確ではないがおよそ300メートルを10秒くらいで走りきったぞ!


元の世界なら確実に世界新記録樹立だ。


驚くべきことはその身体能力を使いこなせてることだ。


加速、減速、急停止、全てとてつもない勢いのはずなのに体感的には普通に走るのとまったく変わらない。



「これが課金の力か……。」



これだけでも充分チートのような気がするがさらに課金すればいくらでもレベルを上げることが出来る。


ほんと、課金ってのはチートにもほどがある。



あっという間に冒険者ギルドに着いたのでとりあえず中に入る。


中には沢山の木製のテーブルが並んでおりそこでは、おそらく冒険者であろう者たちが酒を飲んだり、自分の武勇伝を語ったりして賑わっていた。


俺は奥の方にある受付らしき場所まで歩く。



「あの、すいません。ここって冒険者ギルドですよね。」


優しそうな受付嬢さんに話しかける。


「はい、そうですよ。今日は仕事の依頼ですか?」

「いえ、冒険者ギルドに入りたくて来たんだけど。」

「入会手続きですね? わかりました。ではこちらにお名前と生年月日を記入して下さい。」


俺は羽ペンと契約書を渡される。ペンなんて渡されたところでこの世界の文字なんてわかるのか? とは思ったが契約書には普通に日本語で文章が書かれていた。


どうやらこの世界は言語に関して言えば日本とさほど違いはないらしい。


「これって名前書いたらそれで冒険者なの?」


俺が受付嬢さんに尋ねるとーー


「いえ、こちらに記入していただいた後は、あなたがどのくらいの実力かを図るため試験を行います。それで冒険者ランクが与えられて初めて、冒険者として認められるのです。」


なるほど、ある程度の実力は必要なのか。まあ問題ないだろう。先程の調子なら大抵の試験はクリア出来るだろう。


俺はさっさと記入事項を書いて受付嬢さんに提出する。



「えーと、カナメさんですね。確かに、受け取りました。では私について来てください。今からギルドランク試験を始めますので。」


受付嬢さんに案内されるままさらにギルドの奥へ進む。するとそこには大きな、闘技場のようなものがあった。


まるでコロッセオのような見た目の、円形の闘技場だ。



「今から私がゴーレムを作りますのでそれに対処して下さい。倒せなくてもゴーレムの攻撃を回避するとか、そういったところも評価の基準になりますから頑張ってくださいね!」


笑顔で受付嬢さんは説明し、なにやら呪文の様なものを唱えながら地面に手をかざす。すると地面が光りそこから一体の土でできたゴーレムが生まれた。


でかい、3メートルくらいはあるんじゃなかろうか。あの巨体から繰り出される攻撃はかなりのダメージになるだろう。


「では、試験開始です!」




「ゴォォォォォァァア!」




合図とともゴーレムは動き出す。俺に向かってその大きな拳を繰り出す。



ゴーレムの動きはそこまで早くなく、俺はあっさり回避に成功する、がーーーー!



ドンッ! メリメリメリメリ……。



嘘だろ? ゴーレムの殴った場所が陥没したぞ。


え? マジで? 手加減なしなのか、この試験。



これって新人用の試験だよね。受付嬢さん、少しは手加減してくれても……。


俺はちらりと闘技場の端でゴーレムを操る受付嬢さんをみる。


「ちぃ、外したか‼︎ 次は仕留める!」


そこには先程までの、笑顔に溢れた受付嬢さんはおらず、獲物を狩る獣の目をした受付嬢さんがいた。



やばいやばいやばいやばい!



いくら身体能力を上げたとは言っても足の速さ以外はどのくらい強化されたか調べてない。


試しに攻撃を受けてみることなんて出来っこない。


それならまだ扇風機に指突っ込んだ方がましだ。




俺は強化された素早さを活かしゴーレムのパンチやキック、投石を避けまくる。


いちおう回避能力も評価されるらしいが……



「いつまで続くんだこの試験!」



一向に終わる気配がない。



「くっそ、こうなったら!」


逃げてばかりじゃラチがあかない。ここは少しリスクを犯してでもゴーレムをぶん殴る!


ゴーレムを壊せるかはわからないがこのままでは自体は好転しない。


俺は地面を蹴って前に進みゴーレムの間合いに入る。



「いい度胸じゃないか!やっておしまい!ゴーレム!」


もはや別人になった受付嬢さんがゴーレムにパンチを繰り出させる、だがーーーー!



「ここだ!」



俺はゴーレムの動きを見切り、パンチの届く範囲のギリギリ外にバックステップ。


大きな拳は俺の顔面スレスレで止まる。



「計算通り! カウンターだ!」



俺は全力でゴーレムを殴ろうとする、がーーーー!



「甘いわ!ロケットパーンチ‼︎」



え? 嘘だよね。ロケットパンチ⁈



顔面スレスレで止まった筈の拳が発射!



俺を闘技場の壁に叩きつける。




ここで俺は気を失っ……てはいなかった。



全然痛くない。ゴーレムのパンチがまるで猫の肉球パンチぐらいにしか感じない。



もしかして、今まで避ける必要無かった?



俺は壁を蹴って一瞬でゴーレムとの間合いを詰める。


そしてーーーー!



「ツラァア!」



全力でゴーレムをぶん殴った。


ゴーレムはバラバラに砕け散った。



受付嬢さんが崩れ落ちる。



「そんな、私の最高傑作が……。」



最高傑作だったのかよ。そんなもん新人試験で使うんじゃないよ! てかロケットパンチってなんだ、初見殺しにもほどがあるだろ!



俺は受付嬢さんの元に歩く。



「さて、ゴーレムを倒したぞ。オレのランクはいくつだ?」




まあ、聞かなくてもわかるけどな。




「うう、文句なしのSランクです。」


若干半泣きになった受付嬢さんがオレに結果を告げる。


どうやら俺はこの世界で最高のスタートを切れたようだ。



「さて、じゃあ、早速手頃なクエストでも紹介してもらおうかな。」



今日の飯代すら持ってないので俺は金を稼ぐ必要があった。


が……。


「何を言ってるんですか? まだ試験は終わってませんよ?」



へ?



「まだ、魔力試験と学力試験が残ってます。冒険者のランクってのはその総合でつけられるものなんですよ。」



受付嬢さんが微笑む。



その後、もちろん魔法レベルが低い俺は魔法ランクC、この世界の知識もろくにないので学力もCだった。


「はい、こちらがカナメ様の冒険者カードになります。総合冒険者ランクはBですね。初めて見ました。Sランクの項目があるのに総合でAに達しない方なんて……。」


うるせーよ。さてはさっきのゴーレム壊したこと根に持ってるな?


とにかくこれではれて冒険者となることができた。


次はクエストだ!



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