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1.転生、そして初めての課金

「はじめまして、カナメさん。この度はご愁傷様でしたね。」


気がつくと俺は真っ暗な部屋の中に、いや、部屋かもわからない真っ暗な空間にいた。


目の前にはとびっきりの美少女が。


なぜか暗闇の中でも俺と、その美少女だけははっきり認識できた。


「あ、あの、あなたは誰ですか?」


「女神です。」


女神?


「あの、ここはどこですか?」


とりあえず俺はいろいろ尋ねてみる。少し前からの記憶がない。


「死後の世界です。」


「死後の世界⁈ 俺は死んだのか?」


「はい、あなたはトラックに……」


「轢かれそうになった子供を助けて死んだのか?」


「いえ、米軍のトラックに竹槍で挑んで死にました。覚えていませんか?」


「それ絶対別の人! 俺は平成生まれだ!竹槍で戦うわけないだろ!」


「え? ちょ、ちょっと待って下さいね。」


女神を名乗る美少女はどこからか資料を取り出して確認する。


「えーと、権田原(ごんだわら)(かなめ)さん、34歳ですよね?」


「やっぱり別の人だ。俺は財前(ざいぜん)(かなめ)だ。ちなみに歳は20。」


俺が名前を教えると別の資料を取り寄せて、


「し、失礼しました、要さん。あなたの死因はトラックに普通に轢かれた事ですね。」


いちいち普通ってつけなくても……。いや、そりゃ竹槍の権田原さんに比べりゃ普通だろうけどさ。


女神は俺の気持ちなど気にせず話を続ける。


「あなたには別の世界に転生するチャンスを与えます。それも、肉体も記憶もそのままで!」


「転生? 俺が?」


うまく状況を理解できない俺に女神は説明を始めた。


話を要約すると、今、ある世界では魔王軍の侵攻により滅びの危機を迎えているという。


それを異世界の知識や経験を生かして救ってほしいそうだ。


もしこの依頼を引き受けてくれるならチート能力もくれるらしい。


日頃からこんな展開に憧れていた俺としては断る理由がない。


もちろん転生させてもらうことにした。



「では、あなたの第二の人生に幸福が訪れる事を願っています。」


女神が祈りを捧げる。



すると俺は光に包まれ、気がつくと他の場所にいた。


どうやらここは街の中のようだ。


レンガ造りの建築物が並ぶその街並みは俺が想像するファンタジー世界そのもののようだった。



「すっげえ、ここが異世界か!」



俺はテンションが上がる。


ふと、視界の端を見るとそのにはメニューと書かれたバーがあった。


俺はそれをタップして見る。


すると、ステータス画面が表示された。




◯財前 要:人間、転生者、無職


◯ステータス


身体能力レベル1

魔法能力レベル1

調整能力レベル1

抵抗能力レベル1


◯所持アイテム等


友達0人

所持金0ペル

アイテムストレージ0個




まあ、この世界に来たばっかりなんだ。レベルが低いのはしょうがないよな。


友達ゼロってのはこの世界の友達ってことかな。そうじゃないと悲しすぎるぞ。


俺はメニューを閉じようとするが、もう一つ項目があることに気づく。


メニューを下にスクロールすると……




◯特殊能力:課金……課金額に応じて能力レベル、装備武器、防具レベルを上げることが出来る。課金するときはお金を手に持ち強化したいものを連想する。




なかなか面白い能力が貰えたようだな。


俺はさらに何かないかと下にスクロールするがもうこれ以上はないようだ。


いったんステータス画面を閉じる。



とりあえず異世界と言ったら最初にやることは冒険者ギルドに行って冒険者になる事だろう。


俺は冒険者ギルドを探すことにした。


魔王なんて物がある世界だ。冒険者ギルドも当然あった。


俺は通行人にギルドの場所を聞きそこに向かう。


その途中、俺は一枚のコインを見つけた。


どうやら誰かが落としたもののようだ。


見た目は星が書かれている、銀製の、ちょうど100円玉くらいのサイズだ。


俺は試しに課金して見ることにした。


もし持ち主が現れても大した額じゃないだろうし冒険者になって稼いで返せばよい。


まあ、この中世ファンタジー風の世界でねこばばが犯罪として扱われるかどうかも微妙な気もするが。



俺は再びメニューをタップして、ステータス画面を見る。


身体能力レベル1

魔法能力レベル1

調整能力レベル1

抵抗能力レベル1


俺はこの四つのうちから一番上の身体能力レベルを上げることにした。


なぜなら他の三つはどんな能力かよくわからないからだ。


魔法も、どんな魔法が使えるかはわからないし、下の二つもよくわからん。


よって消去法で身体能力レベルを上げる。


俺は拾ったコインを握りしめ、身体能力レベルに課金するよう望む。


すると……


ピコンッ! と視界にメッセージが出た。




◯ちゃんと保護者の許可は取ったかな?


はい← いいえ




うざっ! なんだこれ。スマホアプリか!


俺ははいを選択する。


絶対この質問無駄だろ。


選択すると手に握っていたコインが光を放って消えた。


これで課金が終了したのだろうか。



俺はステータス画面を見てみる。


身体能力レベル562

魔法能力レベル1

調整能力レベル1

抵抗能力レベル1



めちゃくちゃレベルが上がっていた。


俺は想像以上のチートスキルをゲットしたかもしれない。


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