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パルクール・ランナーズ  作者: 桜崎あかり
第3部

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42/63

ネット炎上と――

・2021年10月29日付

細部調整

 2月28日、この日は天気予報としては晴れだったはずが――午前中から小雨が降り出し、午後は本降りとなった。機能が小雨だったのを踏まえると、まだ雲が通過していなかった事になるのだろうか?


 天気予報は外れた事でテレビ局が炎上する事態に発展するが、これが鎮火するのには時間がかかったと言う。本降りになると、さすがにARゲームも雨天中止になるのはやむ得ない。屋内ジャンルであれば問題なくプレイできるが――。


【雨だとスポーツ系のARゲームが全滅か】


【ARパルクールの一部は屋内もできるだろう】


【しかし、ランダムフィールドは無理では? あれは明らかに一般道を使うタイプだし】


【確かにそうだな。屋内版も準備されていると公式ホームページにはあったが――】


【雨天で中止になるゲームって、プロ野球か?】


【大雪でも中止になった事が過去にはあるが――さすがに天気には勝てないのだろう】


 仕方ないという声もあるが、雨ごときで中止になるとは――という怒りの声もつぶやきサイトには流れてくる。これでネガティブ側のコメントが流用されてまとめサイトへ掲載、ネット炎上すると言うのは日常茶飯事と言うか――もはやテンプレだろう。



 このようなネット炎上を見て、激怒するような勢いだったのは――西雲春南にしぐも・はるなだけではない。ARゲームとは無関係な炎上を持ち込むな――と考えているガーディアンが動くのは当然の流れだった。


 そうした勢力を駆逐していくガーディアンに混ざり、さりげなくミカサが混ざっていたという目撃情報があったのである。


【ミカサ――?】


【奴は、消えたはずじゃ?】


【消えてはいないだろう】


【それこそ、単純にまとめサイトの手のひらで踊らされているだけだ】


【じゃあ、アレは偽物とでもいうのか?】


 ミカサの目撃談を聞き、既に過去の人ではないのか――という発言が飛び出すほど、今では話題が他の人物に移っていた。それを証拠に、掲示板のスレの消費量が少ないのもその証拠かもしれない。



 この日、西雲は色々と悩み続けていた。別のARゲームに移ろうと――ネットサーフィンをした程に。そうした状況下になったのは――ARゲームがサービス終了したら、自分の責任と一人で深く意識していたのである。


 しばらくして、それが非常に時間の無駄だと悟ったのは――アカシックレコードである記述を見てからだった。


『それが託された意味を――本当の理由を考えた事があるのか?』


 適当にクリックしてチェックしていたWEB小説の台詞だが、今の自分には似合っているような状況だった。フレスヴェルクから託された物は、手元にあるARアーマーだけではない。彼が託そうとしていたのは、更に別の物と言う可能性だってある。


『そこで諦めてゲームを投げ出すのは簡単だろう。例え、データが消えたとしても今までプレイしてきた事が無駄になるのか?』


 同じように適当にタグ等からチェックし、今度は別のWEB小説を見ている。台詞としては、まるで自分の心境を見ているかのような――。


 その後も同じような事を繰り返していき、自問自答を繰り返した。


『ARゲームをプレイしてきた記録は――記憶として残る。だからこそ――ARゲームは――』


 気がつかない内に目からは涙がこぼれている。一体、どの台詞に対して涙したのかも分からない。自分がARゲームに深く関わっている事を、WEB小説の台詞で意識するとは想定外と言える。


 そうでなければARゲームを題材にしているWEB小説に対して――ここまで心が痛む事もないだろう。過去に自分が無関心でいた事で心に痛みすらなかった時代、それとは真逆な事を――無意識にWEB小説と言うフィクションから読み取っていたのである。

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