神様はいたずらがお好きなようで
朝目が覚めるとまぶしい日光が俺に直で当たってくる。
だが今日は目覚ましが鳴る前に起きれた。
なんて優秀なのだろう。
ところで今何時でしょうか?
正解は9じでーす。
はははーー
・・・は?
いやきっと時計が壊れてるんだよ。
携帯携帯・・・・・・と。
そこにはまぎれもなく「09:02」と画面表示されている。
携帯の画面を見て停止したまま4秒。
やっと脳が状況を判断した
そして出た答えが
・・・やらかした。
の一言。
目覚まし時計は間違ってなかった。
間違ってたのは俺。
だって目覚ましセットしてなかったんだもん。
あ、そういえば、昨日先生になんて言われたっけ。
「あと少し悪いことしたら強制的に部活に入れるからな」
だったかな。
おーよく覚えてるなー俺。
遅刻かー。
遅刻なんだなー。
遅刻って「悪いこと」に入るのかなー。
校則破ったってことだから「悪いこと」なんだろうなー。
あー。
こういう時になって思うことは寝坊してもあまり急ごうと思わないことだ。
逆にこんな時間になったら1時間目終わったあとの休み時間ぐらいにさらっといた方が自然だとか考えてしまうな。
ばれて呼び出しは食らうと思うけど。
……ゆっくり行こう
「おい」
「はい」
当然呼び出しを食らう。
「私は昨日言ったよな。悪いことしたら部活に入れると」
「はい」
「じゃあ放課後またここに来いよ。案内するから」
「ち、ちょっと待ってください! 俺の言い分を聞いてくださいよ!」
「なんだい? 言ってみな」
「まず、寝坊する可能性がある時間帯から学校が始まってることがおかしいと思います。十分な睡眠がとれていません。それによって俺にはストレスが溜まって学力が上の下ほどなんですよ!
それをかんがえたらもう完全に学校側からの悪意を感じますね。」
「はいはい。そうだな。それについては他の生徒はちゃんと来てるし、努力をしている奴はいい成績もちゃんととっているぞ。校則に文句があるなら校長先生とお話しな。」
「周りと比べるのはやめてください。不愉快です。」
「そうか、悪かったな。じゃあ戻れ。放課後ちゃんと来いよ。」
そう言われて俺は職員室からたたき出された。
はぁ~どうやってバックレよう。
でもな~そしたら後々がな~
しょうがない諦めよう。
愛人は必殺技を使った
「諦める」
これは生まれた時から生涯誰でも使える優れものである。
ただ俺は生まれながらその必殺技を使う機会が人より多いだけである。
必殺技連発できるっていいことだからな。
戦隊ヒーローだって最初から必殺技連発できてたら圧勝なんだぞ。
苦戦している姿はテレビ的においしいからそれはやらないと思うが
それにあきらめることは悪い事だと俺は思わない。
時には諦めも肝心、逃げるが勝ち
という言葉だってある。
早く諦めて他のことに時間を使うっていう手もある。
自分の意思を貫くことを必要かもしれないけど人は意志を貫くことよりも諦めたことの方が多いと思うよ俺は。
え? 違う? 俺だけなの??
それにあきらめることだって簡単じゃないんだよ。
あきらめるってことは自分のできることをすべてやってできなかったからあきらめるんだよ。
いわば最終手段。
お、かっこいいなこれ。
ー放課後ー
渋々職員室に入り担任の入江先生のほうへ向かう。
「お、よく来たな。バックレた時の事考えていたのに。」
あっぶねー。
ちゃんと来てよかった。
「じゃあついてきてくれ。」
言われるがままについて行くと、
「相談室」と書かれた部屋に連れていかれた。
「あの、部活の事じゃないんですか?」
そう聞くと先生は
「ここだ。この学校はメンタルトレーナー的な人がいないからな。相談室を使っている相談部だ!私も昔この部にいたんだよ」
何故か自信ありげに言ってきたが要するに困っている人からの相談を受け、助言、解決するということらしい。
相談部なら助言だけでいいんじゃないか。
いつかきいてみよう。
「入るぞ」
ノックもせずに中に入るとそこには見たことのあるロングヘアーの美少女が......
「新山……莉織……」
そう。
そこにいたのは俺が入学式に思いっきり振られた少女がいたのであった。




