逃伊埼愛人は今更傷ついた
入学式から……つまり俺の告白から1週間がたった……
それなのに!!
それなのになんでまだクラスのやつは告白のことまだネタにしてるの?
普通1回も話したことのないやつのことでそんなに話続かなくない?
どうでもいいもんじゃない?
それにあれから新山莉織に告白した奴だって何人かいるって聞いたよ!
みんな振られたらしいけど。
なんで俺だけなの意味わかんない。
と、朝からそんなこと気にしていると
「なあお前! お前新山さんに最初に告白して振られたらしいな! 実は俺も振られたんだ! ハハハハハ!まあ振られた同士仲良くしようぜ!」
後ろから俺の肩に腕をかけ話しかけてきたのは多分クラスのやつだ(関わったことのない人の名前覚えるとか無駄だから知らない)
「え、ああ」
突然話しかけられたせいで考えることも出来ずに返事してしまった。
てか振られた同士で仲良くするってなに?
これから一緒に振られたことについて語り合おうとか家突き止めようとかストーカーじみた事を一緒にしようってこと?
ここは断らねばやばい気がする。
「あ、まじで?やった!俺の名前は」
「是留舵くん、ちょっとこっちきて」
「え、あ、おう。じゃあまたな」
話の途中で友達に是留舵くんと呼ばれた人物は行ってしまった。
男なのに何でお姫様の名前がついてんだよ。
囚われの王子様って残念すぎるだろ。
……今の時代特有のキラキラネームというやつか
可哀想に。
小、中学生のころはさぞいじられただろう。
ひめーひめーって。
あんな能天気なのはそんな過去を乗り越えたからなのか。
それとも受け入れたか。
まあどうだっていいか。
てかどうしよう。断ってないぞ……
そのまま何もなく時間は過ぎていき放課後部活に所属していない俺は帰ろうとすると
「ちょ、ちょっとまってくれ!」
少し急いだ様子で話しかけてきたのは……是留舵くんだった。
「朝の話なんだが……ごめん! なかったことにしてくれ! こういうのを種にしたつきあい方は違うと思ったんだ! ごめん! あ、俺の名前は岡山是留舵ね。それじゃあ!」
是留舵くんって呼ぶのは恥ずかしいから岡山くんにしよう。
いうだけ言って岡山くんはどこかに走り去ってしまった。
あっちから言ってきて断りに来るってなかなかに辛いんだけどどうしてくれるの。
俺のメンタルがボディビルダーの筋肉並みに鍛えられてなかったらボロボロだよ?
まぁ、元々断る気でいたからいいんだけど。
結局このことから1ヶ月間先生以外俺に話しかけてくる人はいなかった。
岡山君は断ったことで自分から話しかけるのは気まずいのかたまに俺のほうを見たりするが話しかけようどころか近づきさえしない。
嫌われてるのかなって思ってしまうからせめてさけないでほしい。
ちなみに先生が話すことは部活がどうとか友達の有無とかいじめられてないかとか色々聞いてくることだった。
まあ、ぼっちであることはいじめじゃないし相談するほどのことではないし逆に珍しい立場だと思ってる。
だってこのクラスではぼっちは俺だけだからな!
だからちょっと誇りに思うほどである。
あと遅刻しすぎで怒られた。
週三の遅刻は多いのだろうか……
あと少し悪さしたら強制的に部活に入れられるらしい。
遅刻はするかもだから運動部はやめていただきたい。
体力だけはないのだ。
もう1ヶ月もたったのか……
あっという間だったな。
過ごしているときは長く感じるのに過ぎた後に考えたら短かったと感じる。
これだったらあと3年なんて、友達なしでも余裕で過ごしていけるな。
あれ?
これちょっとフラグっぽかったかな。