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枕の下に 希望の上に(3)

英雄は死んだ

英雄は死んだ

目の前から消えた

今そこにあるソレは

「だった」者だ

英雄は死んだ

存在を消した

今あそこで

揺れているソレは

「だった」者だ




軽石に含まれた水分

滴る土の上

匂いごと分解されて

連結しては

得体の知れない者になる

残酷になれない人間は

いつだって敗北者

精神勝利だけで

続けてきた

そんな戦いだったからだ




ペンの強さは

声高く言わなければ

誰にも伝わらなかった

名言 金言 五月蝿い心理

自らを疑えない歌は

聞くに耐えない

固まる心理の裏側は

脆弱で薄い物だ

七十億人が

同じ心理で居たとしても

それに素晴らしいと

賞賛を与えたとしても




英雄は死んだ

守るべき者を失って

今そこにあるソレは

「だった」者だ

英雄は死んだ

英雄である事を失って

今あそこで

揺れているソレは

「だった」者だ

死ぬのだ

大衆が振り返った瞬間に

ソレは死ぬのだ




存在の確定しない

「純粋」を

あれだそれだと思っている

あの曖昧な人々は

自らの意思を持たない

烏合の集は

烏よりも下だった

烏合の集と使う事すら

恥ずかしい

表現出来ない存在は

透明だ




ハードカバーの中

ギター弦で飛び立つ物語

街角の歌い手の方が

僕等より上だ

一箇所に固まる人間は

飛び回る小蝿よりも

無惨だった

円を超えて

飛び立てる者から

鳥になるのだからと

純粋に信じる人間と

同じように

七十億人が

違うと言っても

嫌悪しようとも

疑えない真実だった




英雄は死んだ

全てが同じになったから

今そこにあるソレは

「だった」者だ

英雄は死んだ

白色である事に

意味を失くして

今あそこで

揺れているソレは

「だった」者だ

死ぬのだ

大衆が振り返った瞬間に

ソレは死ぬのだ




笑われているのは

生物が抜け落ちているから

何方が何方を

何方も何方も

笑っているのは

あなたも同じで

英雄は利用してこそ

価値がある

最終的に

居なくなるのが

英雄なのだから




英雄は死んだ

対象を失って

今そこにあるソレは

「だった」者だ

英雄は死んだ

未来を失って

今あそこで

揺れているソレは

「だった」者だ

死ぬのだ

大衆が振り返った瞬間に

ソレは死ぬのだ

死ぬ瞬間の声を聞けば

人は

ああやって捻じ曲がる








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― 新着の感想 ―
[一言] シェイクスピアみたい、 英雄と祀り上げられたものは、 永遠にその地位に座っていられないことを知らない。
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