怒りの新卒
4月に入社したピカピカの新卒だった私。
配属された部門で毎日上司にたくさんの事を教わった。
8月の後半いきなり部門にいた上司が会社を辞め、その部門の仕事を新卒で半年もたたない新卒が引き継いだ。
「なぜ?」そんなことを思いながらも毎日残業して必死に仕事に食らいついた。
何故なら引き継いだ仕事は誰もやり方も知らず引き継げる者が居なかったためである。
また、私が行っていた仕事が止まってしまうと取引先にもお客様にも迷惑がかかってしまうのだった。
やってもやっても減らない仕事。
回りからは「ミスが多い」「作業効率が悪い」「無責任だ」等々言われ精神的にも肉体的にも徐々に磨り減っていった。
いつしか人前で笑うことができなくなった。
3月の後半には一人になると涙が止まらなくなった。
心が限界を迎えつつあったある日、怒った上司にパソコンのコードレスのマウスを投げつけられた。
私の中でなにかが切れ、そして思った。
「このままこの会社にいたら私は壊れる、死んでしまう」
私は恐怖で出社できなくなった。
6ヶ月分以上の給料明細と源泉徴収表が私の手元にはない。
どうやら経理の人は私の事が嫌いらしく私にだけ渡さなかった。
企業に勤める人が感情に任せてそんなことをしてよいのだろうか?
私は未だに疑問に思っている。