第0章 - 舞台装置
本作品は『Fate/Grand Order』の二次創作小説です。
原作および公式設定とは異なる解釈・描写が含まれる場合があります。
また、本作の文章は英語で執筆したものを、ChatGPTを使用して日本語に翻訳しています。
できる限り自然な表現を心がけていますが、一部不自然に感じられる箇所があるかもしれません。あらかじめご了承ください。
誤字脱字や表現についてのご指摘、感想などがありましたら、お気軽にお寄せいただけると幸いです。
「世界に“違いをもたらす”って、どういうことなんだろう。」
誰かを助けること?
何かを発明すること?
それとも、心を壊さずに生き抜くこと?
きちんと答えようとすると、とても難しい問いだと思う。
……まあ、深く考えすぎだ。たぶん、私の中に溜まったパンデミック由来の虚無感が原因なだけ。
2020年も、もう終わりに近づいている。
それなのに、世界は去年と何も変わっていないように見えた。
この隔離生活は、いったいいつまで続くんだろう。
鏡の前に立つ。
褐色の肌、茶色の瞳、黒い髪。左側にだけ、白く色の抜けた筋が混じっている。
年相応の、ごく普通の女性だと思う。
私はアパートのベランダに身を乗り出し、ため息をつきながら、眼下の小さな交通量を見下ろした。
不運にも、私はパンデミックで職を失った大勢の一人だった。
気づけば、もうほぼ一年、無職のままだ。
旅行用に貯めていた貯金――どうせ、当分は使えない――と、SNSで続けているイラストのフリーランス仕事で、なんとか生活は維持できている。
もっとも、お金のためだけに描いているわけじゃないけれど。
「暇な心には悪魔が住みつく」なんて言うけれど、やることがなくなった私は、当然のようにインターネットへ逃げ込んだ。
そこで見つけたのが、スマホゲーム――
『Fate/Grand Order』だった。
キャラクターデザインは本当に素晴らしいし、ストーリーは時々難しすぎるけど、それでもついていっている。
気づけば、ガチャに五十ドルくらいは使っていた。
まだ借金するほどじゃない。
……一応、自制心は残っている。
第二部の新章、「SIN」が昨日配信されたばかりだけど、手を付ける時間はなかった。
また、コミッションを詰め込みすぎてしまったから。
――さて、仕事に戻らないと。
ベッドを出て、古いパソコンの横にある椅子に腰掛ける。
もう十年選手だけど、驚くほど元気だ。
起動を待つ間に、依頼リストを開き、資料を集め、スマホと専用ペンで描き始める。
このやり方も、もう何年も続けている。
自分でも、上達したのがわかる。
完成して投稿する頃には、すっかり夜になっていた。
部屋は静まり返っている。
椅子を離れ、数年前、両親が誕生日に買ってくれた小さな薄型テレビの電源を入れた。
それを見ると、胸が少しだけ痛む。
両親は、最初のCOVID流行の最中、フランス旅行中に亡くなったと聞かされた。
私は小さく首を振る。
二月の頃の自分には、もう戻れない。
ようやく、少しずつ前を向けるようになったばかりなのに。
テレビの音が、ゆっくりと心を落ち着かせてくれる。
……そう思ったのも束の間だった。
ニュースサイトでは何週間も見てきた話題。
それでも、映像で見ると、やはり胸が悪くなる。
ベルギーで発生した、新たな大量殺戮事件。
わずか一時間で、五十人以上が命を落としたという。
これが初めてではない。
この一か月ほど、世界各地で同様の事件が続いている。
銃によるものもあるが、多くは異様な傷跡を残していた。
巨大な斬撃、深すぎる刺し傷、矢による貫通、さらには体内で爆発したかのような局所的な損傷。
犠牲者は、すでに千人近い。
テロ組織の犯行と見られているが、名乗り出る者はいない。
手がかりも、動機も、何一つ。
あるのは、ただの虐殺だけ。
私はもう一度、首を振った。
不安が、じわじわと胸に沈んでいく。
少し不健全かもしれないけれど、私なりの落ち着き方は決まっている。
『Fate/Grand Order』を起動して、周回すること。
……ところが。
スマホを手に取っても、アプリのアイコンが見当たらない。
消した?
間違って?
焦りながらアプリ一覧をスクロールし、そこで異変に気づいた。
一番下。
番号付きのアプリの、そのさらに奥。
名前のないアプリが一つだけ存在していた。
黒い背景に、赤い“目”。
ウイルス?
……まあ、ゲームはもう消えたし、大事なデータはパソコンにある。
今さら、何が起きるっていうの?
アイコンに指を伸ばした、その瞬間。
視界が、白い光に飲み込まれた。
思わず目を覆い、スマホを取り落とす。
光が舞い、どこからともなく風が吹き抜ける。
甘く、落ち着く――バニラの香り。
やがて光が薄れ、私は目を開けた。
そこに立っていたのは、一人の男だった。
白い肌。
短く波打つ黒髪、その先端だけが灰色に染まっている。
疲れ切ったような、濃い灰色の瞳。
黒いコートの下には、ミントグリーンのベスト。
さらに濃い緑のネクタイ。
左のラペルには、緑のカーネーション。
視線は、彼の片手に吸い寄せられる。
手袋に包まれた手。
鋭い先端を持つ杖。
黄金で作られた柄は、喜劇の仮面の形をしており、その瞳からは濃いエメラルド色の光が溢れていた。
男は私を見る。
私は、言葉を失う。
「キャスター。オスカー・ワイルド。」
淡々とした声。
「君が、私のマスターだと判断する。
――問題ない。全力で君を守ろう。」




