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異世界学術論~結局のところ物理が最強~  作者: N-マイト
第三章 組織闘争編/影を照らす光となれ
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第五十八話 LEVEL5/千変万化・メタモルフォーゼ

翌々日、工房にて。


「...と、言う訳で、今日はマリアの”能力”の確認をしていこうと思う」


『なんか芝居じみた始まり方ね』


まあ、前世で見てた動画の出だしだからな。


「なんで工房(ここ)なのよ。頑丈ではあるけど、一応壊したら不味いモノもそこそこあるんだけど?」


カーネリアンは不機嫌そうだ。


「つっても、現状練習場でやるわけにはいかんしなあ...」


下手をすれば魔物扱いすらされかねん。


「ああ、それがあるか...」


「一応、保護用の箱被せたんだし、良いだろ?」


アダマンタイト製の超硬質の段ボール箱である。

硬い頑丈意外と軽いって結構ぶっ壊れだな?まあ実用化は高価すぎて無理だけど。


『やたら豪華な段ボール箱...』


段ボール箱は構造的に元々耐久性半端ないんだ。間に耐衝撃吸収材も充填してあるから爆薬放り込んでも全く問題ないぞ。


「ま、転生者の特殊能力(スキル)ってのも気になるし、良っか。始めて見るし」


「おい、俺の特殊能力(スキル)は常々使ってるだろうが」


咎めると鼻で笑われた。


「確かに便利なのはそうだけど、魔眼持ち自体は結構いるし、真新しさは、ねえ?」


くそ、反論できん。エレーナ先輩によれば割と、いやかなり上位の魔眼に匹敵するそうではあるが、あくまでも”魔眼”の範疇に収まる程度なのだとか。


「まあ態々比較的弱い特殊能力(スキル)選んだからなあ...」


『私としては特殊能力(スキル)の強さと生まれの世さが反比例するって話に驚きなんだけど。そもそも「思い通りになるからだが欲しい」としか言ってないし』


むす、とむくれているマリア。


「いや、拡大解釈がいくらでもできる言い方したらダメだろうが、知らなかったとはいえ」


たぶん、連中に捕まって...って言うのはそのせいなんだろうな。運命を見透かされていると言うよりは”そうなり易い場所に飛ばされる”という事なんだろうが。


「とにかく、さっさと始めましょ」


カーネリアンの鶴の一声に、俺たちは動き出す。


「もういいぞ」


『...なんで盾の裏に居るのよ』


俺たちはアダマント段ボールを四重くらいに重ねた盾の裏に隠れていた。


「大丈夫、魔物化してもまた治すから」


『実験失敗前提か!っていうか”治すから大丈夫”は大分ヤバい思考でしょ!また記憶消えたらどうするのさ!』


それはそう。


「つっても能力の内容を精査しておかないと暴走しないとも限らんしな」


能力暴走、フィクションではよくある話だが現実で起きられたらたまったものではない。


『ま、分かるけどさ』


はあ、とマリアが溜息を吐く。まあ、薄情に思えるのはこの際許してくれ。


「そう言えば、マリアは自分の”特殊能力(スキル)”の把握はどれくらい済んでるんだ?」


一応聞いておく。記憶が残ってるかも知れないし。


『えっと、案外、解ってる、って感じ。こう...体の動きの延長線上?っぽい感じ』


「あー、っと...魔法とかの技術系じゃなく、身体機能の拡張...って感じか」


身体がメ〇モンになったとかそういう感じ。


『多分そう。あと...確定じゃないから暴走対策はしておくべきだけど、暴走と言うか魔物化と言うか...”戻れなくなる”条件も、何となく』


...マジか。


「魔物の力を使うとかじゃないのか?」


聞くと、マリアは来ていた服の腕を捲った。


『えっと...待っててね。一応警戒も。むむむ...』


ジャキン!!とマリアの右腕が巨大な、炎を纏った爪に変わる。

ーーーって。


火炎亜竜(フレアヴァーン)じゃねえか!初手から危険度が高いぞ!」


『え、亜竜なの?(ドラゴン)のつもりだったんだけど...』


「え」


隣で蒼い顔で固まったカーネリアン。


「...そうか、地球人類に魔物っつったらイメージするのはドラゴンだよな。そらそうだよな...」


ゴブリンとかに好き好んで変わりたいとは思わないだろうし。でもちょっとこの世界では世界観的に厄ネタすぎる。


『でもドラゴンにはならないんだね』


「こっちだと名実共に”最強種”だからな...制限かかってても可笑しくはないというか」


そもそも純粋な生物ではないのかもしれない。


「...で、平気なのか?」


『うん。ちょっと腕の感覚は変わるけど、多分種族が人間じゃないから、ってだけだと思う。だから、多分”魔物”であることは関係ない』


しゅる、とマリアの腕が人間に戻る。


『多分、頭...というか脳かな。”脳を変化させる”のが不味いんだと思う』


そうか、”生物学的にも変化する”のだとすれば知能のないヤツに変化すれば人格消し飛んでも可笑しくはない、か。...怖いな、オイ。


『まあ、よっぽどのことが無いと怒らない...というか、それが起こった時にはすでに能力ごと暴走してると思うけど』


「ストッパーがあるとか?」


『うん、単純に、私が変わる場所を視界に入れてないと変化しないっぽい。鏡越しは...なんとなくダメな気がする』


流石にそれを試させる気は無いのでいいとしよう。


「成程。ってことは背中から翼とかも無理か?」


「ううん、何と言うか、”胸部”の延長線上ってことで...」


少し俯いたと思ったら背中から大きな翼がばさあ!と生えた。


「えっと...コンドルの翼か...飛べないだろそれでも」


流石に体重15kg以下ではないだろうに。


『出しただけだから咎めないで。兎に角一部が視界に入って無くても行けるっぽい』


まあ、厳密なことを言うと手も一面だけしか見えない訳だしな。そう考えればそれはそうか。


『で、さらに言うと、既存の生物種の特性とかになさそうなのも行ける。こんな風に』


びろん、と腕が伸びる。ぐねぐねと曲がる。


「すっごい見たことある挙動だけど」


『多少イメージしやすい能力だからね。ゴム人間。創作の産物とは言え』


まあ、伝説の漫画だからなぁ...。


『こっからだと...えい』


タコ足に変わった。


「別にサイズにもとらわれないと。」


『うん』


...思ったより強そうだな。その能力。


「...なに、これ?」


蛸を見たことがないっぽいカーネリアンが引いている。


『えっと、蛸っていう...なんだろ、魚?』


「魚ではないな。頭足類って地上に居ないんだよなぁ...えっと...とおーい仲間だとカタツムリとか?」


「貝?」


「いや、...えっと、こんな感じ【夢想印刷(エクスポート)】」


模型を出力する。


「...魔物じゃないの?」


「前世にも居たから違うな」


『私もちょっと気持ち悪いと思ってたけど、美味しいのよね。特にたこ焼き』


そういえばたこ焼き好きだったなマリア。...って、おい。


「まさか食おうとか言わないよなソレ」


『まあ、切り離しても問題なさそうだし』


そう言いながらぷち、と自切しやがった。出血は無いようだが...


「きゃっ!?」

「蜥蜴か!って言うか自切面ないだろうが!」


蜥蜴が尻尾を切るメカニズムには骨が関係している。軟体動物である蛸にあるわけがない。


『イメージで何とでもなるんだよ』


まあ、ゴム人間の再現で今更かも知れないが...


「いや、それ以上に食わんからな!?流石に友人の肉を食べる気にはならんからな!?」


カニバリズムに興味はないぞ!...いや、違うのか?...それでも食わんぞ!


『...まあ、確かに嫌か。えっと処理どうしよ』


「あとでアイリーンにでも燃やしてもらうから...」


部屋の角にどけておく。カーネリアンがドン引きしてるがおいておく。


『今の応用すれば服とかも行けると思う。派手に変化すると破れちゃうし...って、あ』


ん?なにか...あ。そういえば。


回り込む。...あちゃー。


「さっきの翼で破れたか...」


服の背中部分に大穴が開いていた。

そうか、スルーしてたけど服が変化についてくるわけないよな。


『えい』


ぷち、と言う音がしたかと思うとマリアの手に上着が握られていた。わりと可愛らしいおしゃれな奴だ。


「...疲れないのか?」


よくあるタイプとしては体力を消耗するとかありそうだが。


『多分平気。魔力?かな。ちょっと消耗はしてるみたいだけど。この分なら分身とかしても100人くらいは平気かも』


「...出来るの?」


『まあ、そのうち自分との殺し合いになるかもだけど』


節子、それ分身やない、クローンや。

にしても燃費良いな。まああの再生速度じゃさもありなんか。


「他になんかあるか?」


『えっと、臓器もどうとでもなるとか?ちょっと気持ち悪いけど、こんな風に』


ぱっくりと左腕が割れて牙が生えた口が出来る。


「わお」


『普通にこれでモノを食べても消化できるよ。多分。あ、蛸足食べるかな』


止めなさい。絵面がヤバいから。


『心臓とか肺とかも...あ、そうだ。えいっ』


何をする気だ?


『『えっと...』』『あいうえおかきくけこ』『さしすせそたちつてと』


「うわっ同時に喋りやがった」


しかもご丁寧に声が違う。


「いやまてどうやった?人間の脳の構造上キツイと思うんだが」


『脳増やしてみた』


「え”」


さらっと危険そうな事を...!


『CPU同期させたみたいな?主機が私の人格なら大丈夫かな。あれ、これ私更に演算速度上げられるんじゃ、というか並列思考できるねコレ』


やべーなソレ...


「なんかこれまでイチのチートな気がする」


『...私も同意見』


天才が何人も増えた上で思考同期出来るんだろ?ヤバい。


『あとは...』


言いながら目を閉じると。大きくマリアの見た目が変わる。身長が伸び、顔が変わり、体型が変わり、髪が伸びる。


って言うか。


「私!?」


完全にカーネリアンの見た目だった。


「って言うか頭変わってんじゃねーか!」


『”人間”の範囲内なら大丈夫。”見た目だけ”だから。というか、多分ほかの動物に変わっても《私》ではあると思うんだけど...”脳の種類”が変わって知性が死ぬと、ね?消えたものは帰ってこないというか』


声も一緒。これ敵に回したら厄介どころの話じゃないな?


『う、成長の差的にいろいろキツイ』


しゅる、ともとに戻る。カーネリアンは小柄とは言え、推定7~9歳の身体ではどうしようもないか。10cm以上は小さいし。あとは胸のサイズ差か...。


『というか前世の姿にした方が活動しやすいかな』


「その姿で普通に出てるんだからやめとけ」


ここでなる分には構わんけども。


「...いろいろと凄かったけど、流石にこれ以上は無いわよね?」


驚き付かれた様子のカーネリアンである。


『うん、これ以上は...』


うねうね、と髪が動く。体毛も操れるのか。


「あれ?毛って定義的には”つながっている”とは言い難いよな?中身筋肉とかか?」


『ううん?...あ』


マリアがすたすたと端に寄せられた蛸足に寄っていく。


『えい。...おお、行けた』


ずる、と蛸足とマリアの掌がくっついたと思ったら吸い込まれた。


『えい、えい。触れてればいけるんだね。...あ、これ普段から洋服は自前の方がいいかも』


髪を伸ばしてちぎり、掴んだ状態から操って見せる。変化完全対応か。成程。...いや、まあ、たまに肉体変化形の服とかアーマーで思う「これ実質全裸じゃね?」ではないが...


「実質髪ブ...」

『言わせないよ!?』

「すまん発言がアホ過ぎた」


何も考えてなかった。


『ちょっと背中破れちゃったし着替えるから外出てて』


あ、はい。


十数秒で声がかかる。そうか実質脱ぐだけか。


『どう?』


「おお...」


そこに立っていたのは前世のマリアだった。いや、若干違うと言うか、この世界仕様のマリアの成長した姿と言うか。

前の世界では金髪だったが今は緑色だったり、眼が紫色だったり、若干顔立ちが違うが、マリアだ。21歳の。...いや、色々と盛ったな?...武士の情けだ、言わないでおこう。

なお来ているのはこの学園の制服だ。


「...いや、その年齢で制服だと完全にコスプレじゃないか?」


『う”』


しゅる、と体が小さくなる。ムチムチ美女お姉さん!をイメージしたらしき体型から、普通に学生っぽい感じ...というか、現在の俺と同い年っぽい感じになる。


『...うん、このくらいが楽かも、実際』


服まで自動サイズ調整なのは見てて面白いな。


『えい』


「急にカジュアル...って言うか前世の服か」


Tシャツとズボン姿になった。


『楽だからね。急に服装変えたくなってもどうにでもなるって自分のことながら凄い』


本当にそうだよ。


何と言うか、俺の友人は異世界に来てとんでもないことになっていた。

マリアちゃんはfa〇eで言うジャックちゃんっぽい顔です。緑髪で紫色の眼。

前世では無いでは無い程度にはありましたが転生後は年齢的な問題もあり基本はつるぺた。

,,,何とでもなるけど。


基本的に無法なのがヤバい話で、実験体にされている時に伸びた魔力量は引き継いでいるので余計ヤバいです。

体積を小さくすると脳の問題が出てきますが、巨大な姿であれば脳問題も実は融通が利くので巨人になれたりもします。

逆に脳を増やしまくって自分をスパコン化したりも普通に出来る。というか元々が”物理的上限を超えている”レベルの計算力なので結構さっさとスパコン超えできる。


無機物を生み出せるわけでは無いけどそれ以外は大体どうにでもなる。


因みに切り離したものは、一定時間触れていないと変化させられなくなります。”体の一部ではない”判定されるので。

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