表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界学術論~結局のところ物理が最強~  作者: N-マイト
第二章 解放宣言編/悪意と正義は矛盾せず
42/93

第四十二話 ダーク・イン・ケイヴ/蠢くモノは

そこは、暗い洞窟の中。

そこが、()()の拠点だった。


真っ暗な闇の中、いくつもの眼だけが色とりどりに輝いていた。


「情報は確かなんだな」


ひときわ高い位置に浮かぶ、紅い眼の()()が声を発する。


「ああ。”ボス”直々の命令だ、これは」


冷たい青色の瞳が声を返す。


「肝いり、ってことか。...成程な、内容も内容だ、信憑性はかなり高い。...か。」


少し紅い瞳が伏せられる。どうやら悩んでいるらしい。


「確か...”例のアレ”を用いた実験があっただろう」


「ええ。モノとしては成功だが試験としては失敗だったわね...それが?」


緑色の瞳がそう呟く。


「その”失敗”の部分が気になるんだ」


「...ほう?」


青い瞳が聞き返す。


「状況については知らんが、そこにいた奴は少なくとも人間をもとにした肉の魔物(ミートスライム)を瞬殺するだけの実力があるのだろう?」


「...まあ、そうだな」


「そいつが付いてくる可能性はないのか?」


そう紅い瞳が問うと、緑色の瞳が面白がる様に弧を描く。その視線は青い瞳へ。

どうやら緑より青の方が地位が高いようだ。


「そうだな、...()()()()()()()()()


「...そうか」


「ああ。...こちらとしても確実な状況は知らん。だから何とも言えないのだが、...教師ではない可能性が浮上している」


紅い眼が驚愕に大きく見開かれる。

それまで黙っていたほかのモノたちもざわつきだす。


「なんだと、生徒がやったということか」


「ああ。...それも、」


「初年度...か。でなければ付いてくるとは言わんか」


「ああ」


はあ、と紅い眼がため息を吐く。


「念のためだ。”アレ”を連れていく」


「...おい」


青い瞳が咎める。


「どうせ用済みだろう?首輪を握っているのは俺なんだ、どう使おうと勝手じゃないか」


「...まあ、”因子”の培養は既に量産段階まで成功しているし...研究材料としての価値はもう薄いのは確か、か」


視線を向けられた緑がため息とともに言った。

一瞬瞑目したように青い光が消えたが、すぐに再度灯る。


「...まあ、良いだろう。万全を帰すと言うのならこちらが止める意味もない。...重要な任務だ。必ず成し遂げろ」

「頑張ってねぇ」


ふ、と青と緑が消える。今度は再度灯ることはなく。


「...ああ。了解した。場所はノーザルク大森林。任務は”トルディアナ王家第四王女の誘拐...。準備だ、貴様ら!」


「「「「「「「おう!」」」」」」」


紅の声に残りが答える。それは紅に頼もしさを感じさせる。


「人間に反逆を!」


「「「「「「我らに栄光を!」」」」」」


それは、彼らの合言葉。

人ならざるモノの誇りの言葉。


ざあ、と光が引いていく。


そこは、暗い洞窟の中。

さらなる悪意が、蠢こうとしていた。

12/25

少々の設定の変更により”教会最強の騎士の妹”を削除しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ