課題
「今日の朝さ、トラックに轢かれたんだよね。」
「楽しかった?」
なんでトラックに轢かれて無事なんだよ。あとその返答は間違いだろ。言葉のキャッチボールしろよ、ボール投げられて鉄球で返すなよ。
「いや、結構大変な事故でさ、人が血だらけになってて、あ、私じゃないよ、運転手がだよ?」
なんでだよ、トラックは何とぶつかったんだよ。
「マユラ先輩はトラックに轢かれて大丈夫だったんですか?」
「大丈夫、大丈夫、私、鍛えてるし!」
鍛えてもそうはならんのよ。
「ミライちゃんも轢かれてみるw?」
笑ってんじゃねぇよ、どんな提案だよ。私は轢かれたら死ぬんだよ。
「ほら、みんな、楽しそうに話してないで勉強してください。せっかく勉強会を開いたんですから……。」
楽しそうに聞こえたならナユタ先輩は病院行ったほうがいいですよ。
「え〜〜、勉強なんてしなくていいじゃん!」
「ダメです、明日は課題提出の日なんですから、どうせやってないでしょ?」
ヨミ先輩とマユラ先輩が無言になる。
「あれ、でも、その課題ヨミ先輩はやったって言ってませんでした?」
「私は殺った。その課題をこの世から葬った。」
日本語って難しい。
「そうなんですよ!ヨミったら課題のプリント貰ったその日に破いてゴミ箱に捨てたんですよ。仕方無いので私が創り治したんですよ。」
コピーしたとかじゃなくて?創り治したってなに?
「私も課題のプリント破いて捨てようかな。あ、ミラブレ(決戦兵器ミライ・ブレイカーの略)に乗せれば灰になるよね!私って天才だわ。」
「灰になっても課題があったという事実は変わりませんよ?」
「じゃあ、ナユちゃん、概念破壊装置造ってよ。」
物騒過ぎて笑えん。
「ダメです造りません、ちゃんと課題をやってください。」
その言い方だと造れるんだな……もしかしてだけど、この世界ってナユタ先輩の手で破壊も創造もできるのか?
「ちぇ〜、ナユタちゃんのケチ〜」
「何を言われても造りません。」
「ナユタちゃんのアホ!バカ!………貧乳!」
「あ??貧乳?誰がですか?マユラちゃん、一体誰が貧乳なんですか??」
それは禁止ワードだったんだ……。
「はぁー、キレましたよ、キレちまいましたよ!ミライ・ブレイカー!全リミッター解除!急速充電開始!ターゲット デカ乳クソ野郎!!」
あ、やばい、巻き込まれる。
危機を察知し、ヨミ先輩が動く。
「帰宅部部室防衛システム起動!」
部室が光り全部員の前にシールドを展開する。
まぁ、いつも通り私の前にはシールドは無いんですけどね。後でヨミ先輩はシバきます。
「死ねぇ!デカ乳野郎!!」
キャラ崩壊にも程がある。この物語が始まってからずっとキャラが安定しなかったナユタ先輩がここに来てキャラ崩壊する。
一方殺されそうになっているマユラ先輩は恐怖で動けずにいた。あのナユタ先輩がブチ切れてるんですもん、そりゃビビりますよ。
さて、防衛システム(私以外)は一体どこまで耐えられるですかね?てか、その前に部室が耐えられないかw
何笑ってるの?、マジで消し飛ぶよ?
あ、部室さんチッスチッス。
どうにかして止めてよ。
無理。
光りが部室を包み込む。
聞こえるのはナユタ先輩の雄叫び、マユラ先輩の叫び、メメちゃんが勉強する音(メメちゃんは偉い)、部室さんが消し飛ぶ音、あ〜、水素の音〜。
大爆発!!
「爆破オチ」エンド