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第二話 ハナ……変わらぬ日々

 私は今、お店の草抜きをしています。普段はエステのお仕事をしてるのにお客様の顔や体を触らず何故草抜きをしてるかというと、私はまだ下っ端。


 去年中途採用で入った『マサコビューティ』。美容関係の資格もないし学校も行ってない。なかなか高卒を採用してくれる職場がなくて、ようやく見つかった地元発のエステサロン。全国展開しているそうだ。名前は聞いたことがあったけどエステと私は縁がないと思っていた。


 だってエステって高そうじゃん、確かに実際に高いし。客層もマダムとか貴婦人とか……貧乏人の私には縁がないと思っていた。

 そしたらお客様、意外と私くらいの女の子や若いOLさんや主婦の方が多いの。その人たちが大金をボーンと出してスパーンと紙ショーツ一枚になって私たちエステティシャンに揉まれるわけ。


 ……て、私なんてエステティシャンって呼ばれるような仕事をしてない。全く手技も身についてない、手順も忘れる、それ以前に接客、準備もまともにできないからと草抜きをさせられています。半泣きで。


 土まみれのこの手はいつお客様の体や顔を触れるの?……一年経ったのに、全く成長しない。同期の人たちに追い抜かれてしまう。


 朝早く起きて夜遅くに帰る、ヘトヘトな毎日。休みの日は丸々寝てしまう。友達もいない私は引きこもる。出かける気力もない。給料もお店の商品を勉強のために買うから貯まらない。


 まずもってエステティシャンなのにこのムチムチした体型をなんとかしなきゃ……体重はストレスで10キロ落ちたけど体のライン、特に下半身はまだ大きいとか言われて。これは昔からなのに。

 チビでデブって罵られてそんな私が美容の道に入るなんて思いもしなかった。


 やっぱり私には向かない。この仕事……。私はテレビをザッピングした。つまらないテレビ番組。はぁ。


『私たち、清流ガールズです!』

 ……? なに、この子たち。あれ、地元のお祭りじゃん。……? ケーブルテレビの番組……。


 歌って踊って楽しそう。……でも見た感じみんな普通の子……。


 でもみんなスタイルも顔も良い。芸能事務所の子なんだろうなぁ。



 それが私と清流ガールズの出会いだった。


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