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あげは紅は○○らしい  作者: 藤井ことなり
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その2

 授業を終え昼休みになると、お弁当を持ち、究のところへ走る。


 わが校は、それぞれ3階建ての南校舎と北校舎がある。そのうち北側が生徒の学び舎となっている。

少子化の影響で、片方の校舎だけで全校生徒が収まってしまったせいだ。


 1階が1年生、2階が2年生、そして3階が3年生のクラスとなっている。そして南校舎には、それぞれの教科教室が割り振られていた。


 化学予備室は南校舎の1階にあり、校庭に面している。東端階段降りてから、校舎を移るコースを選び進んでいると、踊り場手前で下のひと気のない廊下に、怪しげな雰囲気を感じた。


 ここ数日、男子生徒という蛮族相手にサバイバルしていたから、へんな感覚が目覚めたらしく、勘が研ぎ澄まされている。


 階段をそろりそろりと降りていくと、1階廊下を気配を消しながら忍び足で歩く男子がいた。1年生だろうか。


 その向こうには、小柄な、まだ中学生くらいに見える女子が歩いていた。こちらは間違いなく1年生だろう。

 ははあ、あのコのスカートをめくるつもりだな。1年にまで悪習が飛び火していたか。


 ここはもちろん邪魔させてもらおう。

 女の敵は女という、失礼極まりないが真実を射ている言葉があるが、女の味方は女でもあるのだ。あのコのパンツは見させない。


 お弁当を静かに階段に置くと、あたしも忍び足で男子に近づく。目には目を、脅かしには脅かしだ。あのコのスカートをめくる瞬間に、肩をたたいてやろう。


 静かに女子に近づく男子。それより大股で足音を立てずに近づくあたし。よし、間に合うぞ。


 女子のほぼ真後ろにきた男子は、両手を前に出す。やはりまくる気か。


 うん、いやまて、まくるのならその手は下げるはずだろう、なぜ腰の高さで止まる。


ああこいつ、スカートをずり下ろす気だな。なんてヤツだ。

いかん、ヤツはスカートをなめている。このままでは大惨事になりかねんぞ。


 もう声をかけて止めさせようとした瞬間だった。男子は女子の腰あたりをつかんでチカラを込めて下げた。

しかしスカートがいい仕事をして、下げきれない。さすがだ、いいぞスカートのホック。頑張れ。


が、男子も負けてない。さらにチカラを込める。そのチカラにホックが負けはじめる、しかし踏ん張る、そしてパンツを巻き添えにして下がりはじめたーーー!!


だめーーーーっ!!


思わずあたしは男子にタックルをかけた。

当然男子は倒れるが、巻き添えで女子も倒れる。

うわぁ、しまった、とばっちりだぁ。


3人が3人とも、何が起きたか分からない状態だったが、あたしが一番早く立ち直る。


男子を押し退けて、女子の上におおいかぶさりスカートを死守する。


「人を呼ばれたくなかったら、さっさと行きなさい」


あたしの強気の言葉に、ようやく状況を理解したらしく、男子は顔を隠しながら逃げ出した。


やれやれやれやれやれやれだぜ



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