表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あげは紅は○○らしい  作者: 藤井ことなり
4/60

その3

「やっぱさぁ、あげはって履いてないんじゃない」


「そんなこと無いでしょ。体育の時、ふつうに着替えてたじゃん」


「んー、でも、スカート着けたままスパッツ履いてたから、よく分かんないのよね~」


「ノーパンで学校に来るヤツなんていないわよねぇ、ビトーちゃん」


「その質問はビトーちゃんに訊かないで。カトーちゃん」


「あ、ゴメン。刺激がつよすぎた?」


「真っ赤になったビトーちゃんも可愛いです」


「ムトーちゃんは、ビトーちゃん好きだねえ。なにやっても可愛いって言うんだから」


「話を戻すわよ。あたしはやっぱり、あげはは履いてないと思う。そうじゃなきゃあんなに拒まないじゃん」


「んじゃまあ、それでいいんじゃない。あげはは履いてない、はい、決定」


 というような会話が、シューガールの集会であったらしい。


 シューガールというのは、タカコをリーダーとするチームで、

佐藤タカコ

加藤ジュリナ

尾頭アリサ

そしてクラスは違うが、タカコと同じ剣道部の

武藤ナデシコ


 砂糖と加糖と微糖と無糖で、シュガーのガールで、シューガールだそうな。ムトーちゃんが仲間外れな気がするが、気にしないでおこう。


 ともかく、シューガールの行きつけの回転寿司屋ブシドーで、そんな会議? が、行われたらしく、いつの間にやらあたしは[ノーパンチャレンジ]をしているという話になっていたらしい。


もちろん、あたしは一切知らない。


 ただ、いつからかクラスの連中だけでなく、校内のすれ違う生徒からも、やたらと腰回りを見られているなとは感じていたし、なんかひそひそと噂されているのは、気になっていた。


「ねぇタカコ、なんか最近変じゃない」


「なにが」


「なんか、あたしがウワサの的になっている気がするんだよねぇ」


 休憩時間に、相変わらず女子達がチラ見せ合っているのを横目で見ながら、キョドっているタカコに話しかけてみる。


「そ、そ、そ、そうかな、ふ、ふ、ふ、ふつうじゃないかな」


「タカコ、あんたは詐欺師と女優になるのだけはやめときな。さあ、洗いざらい全部知っていることを話してもらおうか」


「な、な、な、なんのことかな」


「……カトーちゃん、タカコを偽証罪で告訴したいんだけど、受理してくれる?」


「執行猶予つけてくれるんなら、受理するわよ」


「う、う、う、裏切り者ーーー」


 カトーちゃんは、シューガール会議の内容を話してくれた。なにぃ、あたしが[ノーパンチャレンジ]してるってぇぇぇ。


おいおいおいおいおいこらおい


どうしてくれるんだ、乙女のイメージ傷つけやがって。


「いやその、らしいよって、ちょっと話したらいつの間にかこんなに広まっちゃって」


「広まっちゃって、じゃないでしょう。どうしてくれんのよ」


「だからちょろっと、パンツ見せてくれれば、間違いだって、みんなわかるから」


「学校中をパンツ見せて歩けっていうの? できるわけ無いじゃん、どうしてくれんのよ」


平謝りするタカコを見ながら、あたしは頭をかかえてしまった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ