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盲目の蛇女は幸せを嘆く  作者: 甘味処 雨
盲目の蛇女は無垢な心を揺らす
10/14

寂れた荒廃を背に

私の城であったはずの

私の心を守るフィルターを

私の殻を破る算段は出来た。


少し手を触れただけで

もう帰れない故郷

ずっと知らない振りをしていた。


だけれど自らの心に従って

行動することには意味がある。


意義はなくとも、心に嘘はつけない。


燃える松明を眺めて思った。

たったひとつの邂逅が

私を変えたのだ。


理由を探してた。逃げるための、


だけれど今は違う。

私は夢を抱えて生きる。

生きていられる。


歓喜に打ち震えながら

松明を投げ入れる。


パチパチと燃える家を、

愛おしそうに私は眺めた。


「ありがとう。」


すんなりと口にできる。

ここで安寧を手にするより

地べたに這いつくばって、

歯を食い縛って生きたい。


生きる意味はもう知った。

次は生きる意義を探さなくては、


駆け出したくなる期待を胸に、

逃げ出したくなる不安を圧して、

私は森を往く。


思慮を灯して、道なき道を照らしながら、


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