『神話的雑考』

『神話的雑考』

㈠

何かに対して、畏怖の念を抱くとき、最も神話的なものが、物事を明確にする。

㈡

それは、ただでさえ、素晴らしいことをも、崇高な感覚で、物事を表明するのだ。

㈢

椅子においても、その定位の観念は、まるで砂の様に、自然と溶解する。

㈣

つまりは、その神話的概念は、人々を日常から遠のけて、海の中の様な場所へと連れて行く。

㈤

雑考であるが故の、自由性と、それによる無頓着は、人々を寄せ付けないし、また、遠ざけない。

㈥

言っていることの内容は、神話的雑考とは、暗色に満ちた、支配の迎合を言うのであろう。