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軟包装  作者: なるる
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少数派。

辻褄の合わない物は嫌いだ。

白黒はっきりしたい。


それは今も変わりない。


学生時代に学んだことが、果たして何だったのか。

この業界に入った人は、思うだろう。


紙じゃないのに、「原紙(げんし)」と呼ぶプラスチックのフィルム。

意味が分からない。


袋や巻き取りは、メーター5円25銭や、一枚3円40銭などで売る。

私の記憶の中では、戦争があった時代に10銭の食べ物なんかを買っていたはず。

平成の時代に、1銭や5銭と言うお金を財布に入れている人なんか、いたっけ?

どうやって買うの?

意味が分からない。



プラスチックの売り買いをする単位がcc??

何で、重さのキロや、長さのメーターじゃないんだ??

幅は㎝じゃなくて、㎜で書く?

200×300って書いてあるのは、

20㎝×30㎝ってこと??

紛らわしくて分からない。


さらに、

1000メーターは、1R(いちれん)って書いて、呼ぶの?

意味が分からない。

連って、なんの単位??



さらに、

この業界で働くほど、

モヤモヤは増えてく。


会社名がおかしい。


「○○特殊紙業株式会社」と言う名前は、大体紙器は作ってない。

紙じゃないのに、紙業。

紙に変わる新しい素材だから、「特殊」とつけたみたい。


「××グラビア」と言う名前の会社の殆どが、オフセット印刷の会社で、グラビア印刷をしていない。

新しく、グラビア印刷が始まり、かっこいいとみんな真似をしたらしい。


「△△セロファン」「□□ビニール」と言う社名も、よく見る。

昔は、セロファンや塩化ビニルで作った袋が多かった。


この業界の社名は、「××産業」も「○○工業」もよく見る。

産業なんだか、工業なんだか、はっきりしろ。


原紙の偏肉の少ない真ん中部分を「さしみ取り」と呼ぶ。

次の会社では、通じなかった。

「中取り」と呼んでいた。


「原反じゃない!原紙って呼ぶんだ!分かってるのか??」常務が怒ってた。

次の会社では、部長が「原反メーカーに言え!」「支給原反が届いたら、印刷する」と言っていた。

出だしから呼び方が違う。


原紙を加工用に20㎜多く買うが、捨てる部分を「耳」と呼ぶ会社と、

「ドブ」と呼ぶ会社。


さらには、

どんな原料を使っているのか話す時に、「構成はなんだ?」と言う会社に、

「レシピはなんだ?」と言う会社。

レシピと呼ぶ会社で「構成はなんですか?」と聞いても通じない。



たくさんメモをしたノートが、次の会社では何も役に立たない。そんなの、ざらにある。


矛盾や辻褄が合わないことだらけ。

それを深く考えずに、丸飲みできる人だけが、生き残る業界。


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