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軟包装  作者: なるる
18/24

怒りは止まらない。

お客さまは4人。

常務と合わせて5人分のコーヒーがいる。


コーヒーマシーンの横の紙コップ入れに手を伸ばす。


何もない。


まさか!と、覗くと紙コップは1個もない。

裏の在庫置き場のドアを開ける。

嫌な予感通りに、見事に1つもない。


そういえば今日、お茶出しの仕方を坪内先輩が企画の課長に怒られていたっけ。


「お客さまの目の前を横切って、お茶を出すな。後ろを通れ」


うちの会社は、お茶出しの当番はなく、男性社員達も上司でも普通にお客さまにお茶を出す。

来客のインターホンが鳴って、たまたま出た人が、応接室まで案内してコーヒーを出すのだ。


紙コップが入っている束を5つ買い、在庫置き場に置いて、1本ずつ持っていく。

そして、コーヒーマシーンの横の棚に保管して使うため、ストックがないと気づくまでに2段階ある。


今日最後にコーヒーを出していたのは坪内先輩。


また、あいつだな。

察しはついたが聞いてみた。

「コーヒーの紙コップがないんですが、裏にも在庫ないようなんですが。」


「あぁ、もうないですよ。最近お客さんが多かったから、今日も10人くらい来たし、すぐになくなるんですよね。」


「紙コップって注文しましたか?」


「してないです!」と笑顔で坪内先輩が答える。

その机には紙コップでコーヒーを飲んだ空が置きっぱなしだ。


常識と言うか、普通の人なら、後一束しか紙コップがなかったら、紙コップを注文しようと思う。


気配りのできない人なら、最後の1個や2個になってから、紙コップを注文しようと思うだろう。


頭の弱い人なら、完全に紙コップを使いきってから、「あー紙コップがなくなった」と気づくだろう。


では、完全に紙コップがなくなった挙げ句、5人分コーヒーを作らなきゃいけないという状況で、平然と紙コップがない事を話し、注文してないとヘラヘラ笑い、それでも「あ!紙コップないから、ヤバイ!」と気づかない、目の前にいる奴は、一体何と呼べば正解なんだ。

形容詞が思い付かない。


「お前、バカか」なんて言葉では物足りない。


金曜の日も出荷指示を入力すると言って、ファイルごと、ごっそり持っていったが、結局やらない。

そして、発注書はいまだに返って来ない。

さらには、発注書に営業課長がはんこを押しているのに、その上に平気で別のスタンプを押す。

いくらゆとりでも、上司のはんこの真上にスタンプを押す奴はいないだろう。

課長に見つかったら、怒られるのは目に見えてる。


だが、坪内先輩は間違えちゃったと言うこともなく、平然とヘラヘラしてる。


自分の荷物を通路にまではみ出して置いているのも、坪内先輩だけだ。

最初に通路に置き出した時に、唖然とした。

みんな通路になんて置かないのに、なぜ許可も取らずに置くのか。


毎日のイライラはおさまらない。



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