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軟包装  作者: なるる
15/24

プチギフト。

この小説を全ての元上司に捧げます

「この前大きな声を出してごめん。」

低いトーンで次長がロクシタンの紙袋を渡してきた。


「ありがとうございます!」と素直に受けとる。


経理の女の子にも次長が渡しに行く。


数日前に次長が主任に朝からキレて、机を蹴って、書類を2度にわたってぶちまけて、怒鳴り付けたことがあった。


前の会社でもキレて机を蹴る同期を2回見た。(机には未だに足の跡が残ってる。)

他にもキレて怒鳴り付けて、ノートを投げ付ける営業部長も見た。

あいつにいたっては、九州の営業を電話で怒鳴る時に「そんなのただのオマエがマスターベーションしてるだけだろ!」と、必ず下ネタに例えるような無能な奴だから、言い返せない時はとにかく怒鳴ったり、物を投げたりしていた。


次長は怒った数日あと、

何故か私に「この前大きな声を出した時に、いた?」と聞いてきた。


「いましたよ。次長を怒らせないように気を付けます。」とにっこり笑顔で返した。


それを気にして、女の子たちにロクシタンのプレゼントを買ってきたのだ。

怒鳴られたのは主任であって、社内には色々幹部もいたけど、何故か女子にだけお詫びを買ってきた。


謎の行動ではあるが、なかなか気にしぃのかわいい人である。


それにしても、ロクシタン。

最初の会社で知り合った原紙メーカーの課長にロクシタンのハンドクリームを一人で5本もらったことがある。

私の手は一体何本あるんだ。

かれこれ5年くらい前。

その時に初めてロクシタンというメーカーを知った。


前の会社の内田専務も、中国出張に行くと、

ロクシタンのハンドクリームを買って女子にだけ配った。

ハンドクリームを使わないから、

他の女子社員に私の分をあげようとすると、

「いらない。実は・・・」と引き出しを開けて、

中にたまって使われていないハンドクリームたちを見せてくれた。


1シーズンに何回、

ハンドクリームを買ってこれば気が済むんだ。


ロクシタンのハンドクリームの小さいチューブは1000円前後でプチギフトにはいい価格帯だ。

中国の出張の免税店では、

さらに安く買えるらしい。


パッケージもかわいらしいのだが、

ここのハンドクリームをプチギフトに送られた途端、

どこか飲み屋のネーチャンにプレゼントで買わされて、

覚えたんだろうなって気がしてしまう。


昼休みに次長が「それ、食べ物じゃないよ」と言ってきたので、

「わかりますよ。内田専務も、よくロクシタン買ってきましたね。」と笑うと、

「中国出張の時だろ?空港の免税店で800円とか、下手すると3分の1で売ってるから、ネーチャンに買っていくんだわ。」との返事。


「そんなイメージです。」

くすくす笑いながら、紙袋を開けるとリップクリームが入っていた。

今シーズンはまだリップクリームを買ってなくて、ちょうど欲しいと思いながら、数カ月過ぎていたから、素直に嬉しかった。



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