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限定

作者: 雪つむじ

手をつないでいるときにね

この手の先につながっているのは何なのか

考えながら

ときどき

握りなおす


その力を感じて

君は笑って

優しく

握り返してくる


君の手の先にいる僕が

僕である必要性


僕の手の先にいる君が

君である必要性


お互いにわかっている


そんな必要性は

どこにもない


替えのきかないものなんて

世界には

ない


もともとなかったものが

たまたまそこにあるから握っているだけ

もともとなかったものだから

そもそもそこになかったら別のものを握るだけ


ぎゅっと

手が痛い

ぎゅっと

心が痛い


握る力だけが

互いの関係性を限定して

か細いつながりを演出している


でも怖いから

口に出して言えない

ありがとうございました。

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