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重い恋心

作者: 飴甘 海果


あなたに告白しよう。



そう思った。



ずっとずっと前から秘めていた想いだから、伝えたいと思っていた。だから絶対伝えてやるって思ったの。



だけどそれが嫌な自分もいて。

それを怖がって、臆病になっている自分もいて。



『伝えてしまったら二度とあなたと話せなくなったり、笑い合えなくなったりするんじゃないか』


『伝えてもあなたを困らせるだけなんじゃないのか』




―――あなたが煙草を吸って、空に伸びた紫煙をみて思った。


所詮、あなたと私はあなたがスーツを着てるとき、私は制服を着ているという関係なの。



私のものにならないのなら、他の誰かのものになるくらいなら、殺してやりたい。

誰かに奪われる危険性が1%でもあるのなら、ずっと一生、私の檻に閉じ込めておきたい。

私だけのものになるように。



あなたが他の女の子や、女の先生とお話ししているとき、あなたは全く知らないでしょう?

私がその女達に向けている殺意を。



あなたが私を一人の女なんかと見ていないことは、分かってる。ただの生徒の一人としか見ていないことくらい分かってる。


だけれど、私はあなたと同じような視線では見られない。



もう、戻れない。



あなたを好きになって、私は変わった。


強気な部分が増えた。人をこんなに強く想うことを覚えた。こんなに強く求めることを初めて感じた。

初めてこんなに―――人を好きになった。



あの日、あの時。


違う人を見ていたら、こんなに苦しくならなかったのかもしれない。

あなたじゃない人を好きになれていたのなら、私は涙を流すことも少なかったかもしれない。

どうしても届かないこの想いは、きっと一生咲きはしない。


私自身の中だけで、芽生えて、つぼみができて、水をもらえることなく枯れていくのだろう。



なんて。


なんて。


なんて、悲しい恋物語なのだろうか?


片思いでは終わりたくない。

自分の中だけで終わらせたくない。


一分だけでいい。一秒だけでいい。


一瞬だけでもいい。


あなたの中に私がいる時間があるのなら、一瞬だけでいい。


あなたの中に私が存在した後で、あなたが他の誰かのものになって幸せな人生が送れるのならそれでいい。



あなたが幸せになれるのなら、私はなんでも出来る。


今まで努力してきたものを全部捨ててやる。

恥じらいだって捨ててやる。


あなたのためなら、命だって惜しくない。


あなたがそれで、幸せになれるのなら。



あなたがもし、この世界からいなくなるのなら、私もあなたの跡を追ってやろう。


あなたが今日や明日までの命ならば、私はその先に生きる必要はなくなる。

あなたがいなくなった世界など、生きる価値はないのだから。


私がその先の世界を生きていたって、虚しくて寂しくて辛いだけだ。死ぬより嫌なことだって、きっと待っている。



あなたがいる世界にだけ、私は生きていられる。


あなたが存在するここにだけ、私は存在していられる。

私という私が、存在していられる。



でも何故だろう。あなたに、あなたに、―――この想いを伝えられないのは。



定期テストの結果が良かったら?


体育祭で優勝したら?


宝くじが当たったら?


世界中が平和になったら?



色んなことに賭けようと思った。


それが実現されたら、あなたにこの想いを伝えよう。


なんど思ったことだろう。



理由もなくあなたに伝えることなんて、出来っこないって言葉にする前に心が分かってたことなの。






好きです。


好きです。


大好きです、―――先生。



私はあなたに教えてもらったこの想いを、一生忘れません。


どうかあなたにも私のことを覚えていてもらいたい。



だから私は、一秒でも長くあなたの目に止まるように過ごしていくのです。


あなたの世界に私が、私が見ている世界のあなたと同じように映りますように。



『重い恋心』読んで頂きありがとうございました。



情熱的な人って、日頃何を考えているんだろうかなーなんて考えて執筆致しました。

わりと自分が恋愛ごとには熱情的なので、書きやすいというのもありました。



では今後もお会いできたら嬉しいです。



飴甘海果

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